日本政治入門
日本政治入門
本年度「日本政治入門」の期末試験は、4つの問題(すべて論述形式)で構成されている。問1は、講義の中で触れた政治学の重要な用語について説明を求める問題であった。その用語がどのような文脈の中で紹介されたかを深く認識できている答案に高得点を与えた。問2は選択問題であり、①大日本帝国憲法下の政治過程の特質、②現代日本の政治過程の特質のどちらかを、指定された視角から論じるというものであった。知識の正確さ、講義の内容をどの程度再現できているかを基準に採点した。問3は、戦後日本における政治と経済の関係性を問うものであった。論点が多岐に及ぶことを想定し、正解を限定せず、政治学の論述として成立していれば点を付与する方式をとった。問4は、講義の中で紹介した理論にかかわる図を示し、それが何を意味しているかを論述させるものであった。当該理論に関して正しい理解が示せているものに高得点を与えた。各設問20点満点で採点し、その合計点に出席・感想文の点数(20点満点)を加えて最終的な評価を行った。講義の出席回数は概ね解答の出来に反映しており、出題の方式もレベルも妥当なものであったと考えている。(17年)
本年度「日本政治入門」の期末試験は、4つの問題(すべて論述形式)で構成されている。
問1は、講義の中で扱った重要語句(4つ)について解説を求めるものであり、その語句が扱われた文脈に対する理解が示されている答案に高い点を与えた。
問2は、戦後日本政治史の理解を確認するものであり、講義の中で扱った事象のうちから2つを指定し、その時代の政治力学の特徴を論述させた。これも、講義の中で当該の事象が、どのような視角から議論されていたかに関する理解が示されている答案に高得点を与えた。
問3は、理論に関する出題であり、A.ダウンズの研究について出題した。この設問については、理論に対する理解の正確さを重視して採点した。
問4は、投票率を向上させるための具体的な方策を書かせる問題であり、講義の中で提示した議論を踏まえているかどうか、具体的な提案になっているかどうかを重視して採点した。この箇所に関しては、正解を限定せず、政治学の論述として成立していれば点を付与する方式をとった。
各設問20点満点で採点し、その合計点に出席・感想文の点数(20点満点)を加えて最終的な評価を行った。講義の出席回数は概ね解答の出来に反映しており、出題の方式もレベルも妥当なものであったと考えている。(16年)
本年度「日本政治入門」の期末試験は、4つの問題(すべて論述形式)で構成されている。問1は「現代政治学」が誕生した経緯を問うもので、講義の中で扱った重要事項を踏まえて論述できているかを重視した。問2は「ある国の政治を研究する際に憲法の検討からその作業を開始することの効用」を論じるものであり、憲法の単なる概説にとどまることなく、政治学の立場から「効用」を論じきれているかという観点で採点した。問3は吉田茂の政治指導の特質を論じるものであり、知識の正確さ、講義の内容をどの程度再現できているかを基準に採点した。 問4は「新党の登場」をA.ダウンズの議論を援用して説明するもので、採点にあたっては正解を限定せず、政治学の論述として成立していれば点を付与する方式をとった。各設問20点満点で採点し、その合計点に出席・感想文の点数(20点満点)を加えて最終的な評価を行った。講義の出席回数は概ね解答の出来に反映しており、出題の方式もレベルも妥当なものであったと考えている。(15年)
本年度「日本政治入門」の期末試験は、4つの問題(すべて論述形式)で構成されている。問1は2つの用語を解説するものであり、採点においては知識の正確さと、それらが講義の中でどのように扱われていたかの文脈理解を重視した。問2は現代政治学がどのような課題を担っているかを「大衆の登場」との関連で論述するものであり、講義の内容をどの程度再現できているかを基準に採点した。問3は高度経済成長期における日本政治の特質を論じるものであるが、採点にあたっては正解を限定せず、政治学の論述として成立していれば点を付与する方式をとった。問4は若者の低投票率の問題を政治学的に考察した上で、投票率向上の方策を具体的に提言するものであったが、採点においては①政治学の先行研究を踏まえた内容になっているか、②具体的な提言になっているかを重視した。各設問20点満点で採点し、その合計点に出席・感想文の点数(20点満点)を加えて最終的な評価を行った。講義の出席回数は概ね解答の出来に反映しており、出題の方式もレベルも妥当なものであったと考えている。(14年)
本年度「日本政治入門」の期末試験は、4つの問題(すべて論述形式)で構成されている。
問1は「日本国憲法における国会の規定と実際の政治過程における国会の姿の乖離」を発見しその理由を考察するものであり、①現象の指摘が具体的になされているか、②その理由が政治学の立場から明確に述べられているかを採点基準とした。問2は、戦後政治史における「ある事柄」が日本政治にどのような影響を与えたかを述べるものであり、①知識を十分に持っているか、②影響を明確に指摘する論述になっているかを重視した。問3は、選挙過程の分析枠組に関する出題であり、知識の正確さを重視した。問4は、講義の中で予告した問題(日本の権力構造に光を当てる)であり、具体的な事例を自分の力で発見したかどうかを重視するとともに、政治学の論述として成立していれば一定の点を付与することにした。
各設問20点満点で採点し、その合計点に出席・感想文の点数(20点満点)を加えて、若干の補正を施した上で、最終的な評価を行った。試験に関しては、全体としてよく出来ていたが、答案作成における「論理構成力」という点で一定の差が生じたように思われる。結果は、学年が下がるほどに成績が高く、政治学科1回生にA評価が多かったことを付記しておく。(13年)
本年度「日本政治入門」の期末試験は、4つの問題(すべて論述形式)で構成されている。問1は「日本政治入門という科目でなぜ『憲法』が数回にわたって扱われたか」であり、①講義の中で説明されたことが述べられているか、②「数回」の内容に対する言及があるか、③憲法学と政治学の立場の違いに触れているか、という観点で採点した。問2は、「過去の政治過程が現在の政治にどのような影響を与えているか」を述べるものであり、①取り上げた事例に関する叙述が十分であるか、②過去の現象と現在の現象をを結びつける論述になっているかを重視した。問3は、選挙過程における政党競合のモデルに関する出題であり、知識の正確さを重視した。問4は、現在の民主党政権が不安定である理由を問うたものであり、採点にあたっては正解を限定せず、政治学の論述として成立していれば一定の点を付与することにした。各設問20点満点で採点し、その合計点に出席・感想文の点数(20点満点)を加えて最終的な評価を行った。試験に関しては、全体としてよく出来ていたが、答案作成における「論理構成力」という点で一定の差が生じたように思われる。また、40枚ほどの答案で特徴的な間違いがあったことが気になった。誰かが作成した試験対策の文章は、必ずしも正解が書いてあるとは限らない。講義の出席率から考えると、そのようなものに頼らずとも自分の言葉で解答できた人が多かったように思うのだが、いかがだろうか。(12年)
畢竟意志薄弱なるも自尊心高く
其身矮小なるを知らずして
驕りの儘に晴天を測らんとす
己の怠惰を時機に尋ね
之生くる様は軽佻
狼虎の溢れる事濁流の如きは
唯生くる哀しみに尽きる




