*** 一番苦手なお客様は……。
今回はとんでもない愚痴祭り!(´ω`*)<オミセタノシイョ!
現在元気でないお客様は怖いもの見たさでもないかぎりオススメしないよ!
あー……いらっしゃいませ、お客様。
“増税前でテンションが低いのも分かるけど、どうした?”とは流石常連様。ヘタレな店主にもお優しい……!
もう今日はお礼にコーヒー奢っちゃいます。二杯でも三杯でもどんとこいですよ。優しい常連様は絶滅危惧種ですからね!
“サービスが良い店主は信用できない。今回は何の愚痴だ?”だなんて、お客様は店主の取説を持っておられるようだ……。ということは、この後に選べるのは【話を聞く】コマンド一択なのはお分かりですね?
“もうそれで良いよ”って呆れながらも言って下さるお客様は神様ですね。尊い。拝ませて下さいませ。
えー……それでは店主にしては結構珍しく【相当本気で無理! 受け付けない、もう二度と来ないで!】なお客様のお話なんですが……。
こんなこと本当は思っちゃ駄目なの知ってるんです。お客様がいないと成り立たない接客業なんですから。でもね――……です。
店主が一番苦手なお客様と言うのは、同業者の方なんですよ。それもスナックとかバーとかをやってらっしゃる女性店主さん。普通なら同業者の同性なんて嬉しいと思いますよね? 店主も同業者の女性店主さんの全員が全員苦手なわけではないんです。
楽しくお喋りしたり、情報交換出来る方もいらっしゃいますよ。特に喫茶店やカフェの経営をしてらっしゃる同年代の同業者さんは大好きです。皆さんだいたい同じ苦労をされていらっしゃるので。
これがかなり年上の女性店主さんだとやっぱり苦手になるんですけどね。この方達は店主が苦手にするスナックやバーの女性店主さんと、かなり高確率で似通っているので。
さて、そこで少し話がそれるんですけど、増税前とかになると何故か同業者さんの来店率が上がるんですね。そしてその同業者さん達はほぼスナックやバーの女性店主さんです。
それで、その方達は大抵店主に向かってこう言うんです。
『ふーん、このお店の経営者ってあなたなの? せっかく可愛いお店なのに全然活かしきれてないじゃーん! やる気あんの? そんなにガッツないとさ、接客業とか向いてないんじゃない?』
まぁ、もう少し丁寧な口調の方もおられますが、ほぼこんな感じですね。内容はこのままとなっております。
そして皆さん大抵美人さんで自信を漲らせておられますし、助言もきちんと下さいます。その助言内容もほぼ同じなので、ちょっと書き出してみますね。
一、酒を置け。
二、煙草を吸えるようにしろ。
三、もっと値段を下げろ。
四、ネットで広告しろ。
五、朝は六時半から、夜は十一時までやれ。
六、何ならうちの○号店にしてあげようか?
と、まぁ、こんな感じですかね。本当はもっとありますがそこは一番かぶる内容で纏めさせて頂きました。
……前回の増税前にもいらっしゃったタイプの方々なのですが、十月が近付いてきてまた出没し始めまして。ちょっと精神的にキますね~。参っちゃう。
店主は学生時代にこの手の方々との何やかやで、小中学校はほとんど学校に通っておりませんでした。そんなこんなで元々この手の方々がトラウマ級に苦手でして……。話をしている間も心臓はバックバクですよ! もう情けなくて笑っちゃいます、アッハッハ!
このお店は店主のシェルターのようなものであり、従って当店の常連様も少しナイーブな方が多いです。それをこの助言内容通りにしてまで新たにお客様を獲得しようとは……あまり思えません。
すぐ傍に中学校があるので、当時の店主と同じような子もいたりして、不登校なその子は学校の授業時間に店にやってきてはご飯を食べていってくれました。
八年もやっているとその子が就職して、会社員になった姿で食べに来てくれたりもします。店主はそんな時に【このお店をやってて良かったな~】と思うんです。
万人受けはしないけど、ひっそりひっそり営業中。そりゃあずっとそんな感じだとご飯を食べることに困っちゃうんですが、それでも譲れない一線があるのです。
ええと、長くなりましたがここで本筋に戻りますね。
売上を伸ばす方法があるのに馬鹿だと思われるかもしれませんが、当店はこの先も“ここは何だか時間が止まってるみたいだね”とお客様に仰って頂ける店でありたいので。
きっとそういうお店の店主さんは他にもいらっしゃると思うので、もしも助言を下さる場合は一度そのお店の店主さんが、その助言内容に耐えられるタイプの方かどうか見極めて下されれば幸いです。
……うむぅ、我儘なうえに湿っぽい愚痴で申し訳ありませんお客様。
え? “自分は店主的に大丈夫な客層か?”ですか?
はぁ~? そんなの勿論ですよ? 普通こんな面倒くさい店主のいるお店に通って下さるお客様なんて、そうそうおられませんから。
その点で言えばお客様は満点です。ウェルカムナイーブ!
――って、冗談、冗談ですってばお客様。お客様は芸術家肌の一匹狼なんですよね。ベリークールですよ。
“日本語英語止めろ!”ですか。そう無理を仰らないで下さいな。店主の英語能力はゴミレベルですよ? レッツ一夜漬け、ノーネイティブ。
お客様が愚痴を聞いて下さったお陰で元気百……いや、盛りすぎは良くないですね。三十倍くらいにしておきます。いえいえ低くないですよ、通常運転だとマイナススタート、ベリーバッドですので。
――――それではお客様、またのご来店をお待ちしております。
シーユーネクスト!
異論のあるお客様もきっといらっしゃると思いますので、
この場を借りてごめんなさい |ω・`)




