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***   最近のママさん事情、その一。


今回は乳幼児から保育園のイヤイヤ期くらいです。\(・ω・*)



 うちのお店、最初の頃はどうにかお客さんを獲得しようと定休日は週に一日でした。前に就いていた仕事が季節労働系で酷い月は三週に一日か無休ということもザラだったので、週一日の定休日でもありがたいくらいの気分でしたね。

 

 月曜日から土曜日まで、朝の八時半から夕方の六時まで開いていました。今なら絶対やらない。たとえ過去を知るお客からどれだけ頼まれようがやらないですよ、ええ。


 というのも、長い時間店を開ける=集客出来るではないんです。むしろ地域によっては全く逆の悲惨な状況にしかならない。


 店主はお店を開く前に専門学校の短期集中半年コースを卒業後、他の喫茶店で一年半ほどアルバイトをしていました。


 でもね、場所が違いましたよ、場所が……。


 アルバイトに行っていたところはそれなりに若い世代の行動範囲に近くて(この場合の若い世代は学生さんです)お客さんも多かったんです。


 まぁね、若いお客さんが多いのもある種の考え物でしたが……今回はここまでではなかったかな、というお話の一部をご紹介。


 規模の小さい喫茶店の最大の困った客層。


 大体想像がつくかと思います。うちの場合はこれにさらに恐怖の車椅子ご一行とかもありますが、それはまたの機会にしますね。


 一気に二話続けるとお客さんの読んで下さる気がなくなりそうですから。


 昔の純喫茶の入口って、時々かかっているのを見た方もいらっしゃると思うんですけれど【未就学児の入店をお断りさせて頂きます。】というのをドアにかけていらっしゃるお店があったんですね?


 店主は昔それを見た時に“子育て中のお母さん達が気の毒だなぁ”と感じていたんですよ。


 ――――昔は……ね?


 今となってはあの札を掲げていたお店の人の気持ちが店主にも痛いほど良く分かります。


 確かに子育て中のお母さん達は大変です。出産経験はないしこの先そんな予定もない店主ですが、子育てが大変なことくらいは一時親戚の子供の面倒を見たのである程度分かります。


 “そんな短期間で分かるわけないだろ!!”という声が聞こえてきそうなので少しだけ弁明を。


 “こんな短期間でここまで草臥れるのか……!?”くらいに大変だと理解したが正しいですね、はい。


 そんなヘタレな店主なんですが、ここ最近の若いお母さん達……所謂ママ友というお客さん達に大変手を焼いておりまして……。


 お子さんの面倒をしっかり見ておられるお母さん達には気分の悪い話になるかもしれないので、先にここで引き返して下さいね?


 最近の乳母車……おっと、ベビーカーですね。あれって昔と違ってかなり大型化してまして、電動車いすかという大きさの物もあるんですよ。


 ―――今からほんの少しだけ考えて見て下さい。一日で一番お客さんが来店してくれるお昼時にキッチンを含めても九坪程しかない店内に四台くらいの大型ベビーカーが入ってくる様を……。


 想像して頂けましたか? ましたね?


 どなたもベビーカーをたたまない、皆さん大体オムツなどを入れた大きなトートバッグを一人に一つか二つ持っていますよね。


 それをまだギリギリお客さんが座れそうな場所にドカドカ置いて床も椅子も占領していきます。その間に赤ちゃん達はぐずり始めて、中にはギャン泣きする子も出てきます。


 しかし、ママ友さん達は自分達のお話に夢中でベビーカーの赤ちゃん達を誰もあやそうとしません。


 店内は赤ちゃん達の涙の大合唱とそれに負けじと声を張り上げてお喋りをするママ友達の声でカオスとなります。


 お客さんは窓から店内を確認して去っていきます。店主も控えめに注意をしますが、ママ友達は舌打ちをして聞く耳を持ってくれません。


 中には他にお客さんがいないのを良いことに店内でオムツを換え始めるお母さんまでいます。トイレではなく食事 とる店内で、です。


 店主はさすがに「店内でのオムツ換えは食品衛生上ご遠慮願います!」と注意しました。結局三時間そんな調子で過ごされたママ友達が帰った後にはトイレのゴミ箱山盛りの使用済みオムツ。


 時々、赤ちゃんにプラス四つ違いくらいの上のお子さんをつれて来店される場合もあります。


 これもまたねー……前者に輪をかけたカオスを生み出すんですよ。


 ―――少子化は問題ですよ、確かにね? 


 よくテレビのニュースや新聞で「電車内で子供を泣かすなと怒鳴られた」とか「保育園を近所に建てられたら子供の声がうるさくてたまらない」というような話が取り上げられますが、じゃあお母さん方のマナーは?


 しっかり面倒を見ているのにぐずって泣くのは子供ですから、確かに仕方がありません。それを見て怒鳴る人間は頭がおかしい人なので、お母さん方も気にしないで良いと思います。


 心の中で中指立てるくらいのことはしても誰も責めません。むしろその人間に罰が当たればいいと思います。


 が、今回のお話に出てくるようなお母さん方に困らされるお店の報道は見たことがありません。少なくとも店主は。


 靴で歩き回る床に赤ちゃんを下ろしてハイハイさせてはいけませんし、他のお客様がいないからと暴れ回る子供を叱らないのも止めて下さい。


 それと当店は託児所ではありません。「ちょっとスーパー行ってくるからここで待ってて」とお子さんを置いて行かれようとするのもお止め下さい。何かあっても責任が取れませんので。


 子供はある程度の年齢までに大人のしつけで物事の善し悪しを憶えるものですから、店主が注意するにしても「ママが良いって言ったもん!」とか言われると唖然とします。


 しかし店主がそれをお母さん方に注意しにくいのにはもう一つ理由がありまして……物凄く感情的に子供を叱る……というか、怒鳴りつけるお母さんの多さに驚いてます。


 子供にしてみればいつもは許されることを今日に限って怒鳴られて叩かれたのでは割に合わないでしょうし。線引きが分からないと子供だって戸惑いますよ。

 

 なので――お母さん方、どうかお願いします。


 “うちの子、絶対じっとしてられないわ”というお子さんや“退屈するとすぐ叫び出すのよね”といったお子さんには来店の前に「お店では静かにね」と言い聞かせてあげて下さいね。

 

 まだ幼い五つになったばかりだと教えてくれた女の子が、赤ちゃんを泣かせたままスマホに必死になっている母親の代わりに、店主に「うるさくして、ごめんなさい」と謝ってくれたことがありました。


 子供の方が大人よりも人の顔色を伺えるのは切ないです。


 子供を子供らしくいさせてあげるのも親御さんの責任ですので、スマホから目を上げてお子さんを見てあげて下さいね。


 それではお客様、またのご来店をお待ちしております。




次回はワンクッション置いて中学、高校編かな……。

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