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深淵の神刻魔剣士(更新永久停止中)  作者: 易(カメレヲン)
第肆章 誰もが知る戦争と、誰も知らない最終決戦
75/86

075 鮮血に彩られ

 その次に口を開いたのは、快活な笑みを浮かべる、少年のような風貌をした男だった。


「じゃあ、次はボクが自己紹介をすればいいんだね。ボクはレクシュー=フィンドルグ。一応『魔軍勢(モンスターパレード)』とかいう物々しい二つ名をもらってるけどー、あんまり強くないから虐めないでねー」


 確かにそこまで強くない……本人のステータスだけは。


名前 レクシュー=フィンドルグ

年齢 51

種族 普人族

レベル 353

職業 従魔将軍lv48

職業履歴 見習い従魔師 見習い調教師 従魔師 調教師 上位従魔師 上位調教師 見習い庭師 魔心導師

適正 【土】

魔力 100312/100312

体力 4135

筋力 3324

俊敏 2121

精神 7034

気力 7034/7034

スキル

[契約魔法lv10][斧技lv4][魔力制御lv4][土属性魔法lv2][教導lv10][園芸lv3][看破lv1][料理lv3][若作りlv6]

固有(ユニーク)スキル

[広域な(マイワールド)る私庭(・ガーデン)][従心一体(ビーストリンカー)][従軍(マップ・オブ・ビ)域図(ーストレギオン)]

称号

[転生者][Sランク]


 魔力の値は異常であり、そして、固有(ユニーク)スキルの数も結構おかしい。

 魔力に関しては、今まで見た中で僕をを除けば最高だ。

 また、職業に関しても二つの固有(ユニーク)職に就いているということは、上級相当のダンジョンを、少なくとも二回は初攻略しているということだ。

 決して侮れる相手ではないだろう。

 そして、まず、一つ目の固有(ユニーク)スキルがこれだ。


[広域な(マイワールド)る私庭(・ガーデン)]

自分で自由に改造できる異空間を創造する。

自分の認めた相手だけが出入り可能。


 僕の時空属性魔法の劣化版に近い、自由に改造、とあるあたり、完全な下位互換ではないようだが。

 ただし、従魔師(テイマー)に与えてはいけないスキルでもある。

 つまり、彼は、大量の従魔を一度に解き放つことができる、ということだ。

 今この瞬間でも、この空間に大軍を解き放てるのだろう。


[従心一体(ビーストリンカー)]

従魔との意思疎通が可能。

従魔の成長速度が増加。

従魔の進化先が増加。

自身の魔力以外のステータスが常時低下する。

一時的に、従魔と融合することが可能。


 多分、これが魔心導師の固有(ユニーク)スキルだ。

 確かに強力ではあるが、際立って強力というわけではない、デメリットも存在しているのだから。

 これが、異様に低いステータスの原因なのだろう。

 ただ、デメリットを補える分の能力は十二分に持っている。

 従魔と融合とはどのようなことかははっきりと見当はつかないが、ある程度はわかる。

 もし、僕の想像した通り、従魔の持つスキルや体質を一時的に使えるようになるものだとすれば、かなり危険なスキルだろう。


[従軍(マップ・オブ・ビ)域図(ーストレギオン)]

自身の従魔のいる、詳細な場所が把握可能。

従魔の指揮限界数の無限化。

自身の指揮下にある従魔のステータスを倍加する。


 これは多分従魔将軍の固有(ユニーク)スキル、数で押してくる場合には最凶になるのだろう。

 多分、数で攻めることにおいては、『魔像使い(ゴーレムマスター)』以上、Sランク最強だ。

 この部屋にいる人間の中でさえも、この固有(ユニーク)スキルの影響下にある軍勢を止められる能力を持っている者は少ないだろう。

 そして、彼が唯一この場に出している従魔からも、その異常性は計り知れる。


名前 サジタリウス

種族 竜剣王獣

レベル 141

適正 【風】

魔力 4005+4005/4005+4005

体力 9413+9413

筋力 9413+9413

俊敏 9413+9413

精神 9413+9413

スキル

[擬態lv8][飛行lv5][不意打ちlv7][軍団強化lv8][統制lv3][指揮lv4]

固有(ユニーク)スキル

[剣軍竜(ソーデッドドラゴン)]

称号

[レクシューの従魔]


[剣軍竜(ソーデッドドラゴン)]

配下の魔剣獣を引き連れ、巨大な刃の竜を形成する。


 彼が腰に差している剣そのものであり、それと同時に、従魔でもある。

 魔物でありながら固有(ユニーク)スキルを持っていることから、それと同時に名前持ちであることから、強力な手札なのだと推測できる。

 星の名前を冠しているのだから、他にも似たようなシリーズがいるのかもしれない。

 この部屋にいる最強達の中でも、確実に最強格の1人だろう。


 だが、これぐらいならば、全く問題はない。

 『戯蝕圏(ゲームマスター)』の1人さえいれば、容易く抑え込むことができる。

 俊敏の値もそこまで高くないため、結界発動の前に対処されることもない。

 僕のように、レベル差で抵抗(レジスト)することができるほどの高レベルでもない。

 『戯蝕圏(ゲームマスター)』の前では、どのような戦闘行為(・・・・・・・・・)であっても無効化(・・・・・・・・)されるのだから。



「俺はコルケドス、一応『絶弓(ディスペアアーチ)』という二つ名もある。よろしく」


「あたしはゼニア。一応『氷帝(アイスエンペラー)』という二つ名も持ってるわ。広域魔法だけなら任せてよね」


 他人行儀のSランクの中で、唯一異常なほどに距離感が近い2人組。

 疑う必要もないほどのカップルであり、強力な桃色結界を築いている。

 僕も、もしもあの日、未来を知っていたのならば……


 それはともかく、ステータスは大したことはない。


名前 コルケドス

年齢 36

種族 普人族

レベル 129

職業 弓王lv39

職業履歴 見習い弓士 弓士 強弓士

適正 【土】

魔力 4005/4005

体力 6913

筋力 9012

俊敏 4567

精神 10002

気力 10002/10002

スキル

[超越弓術lv3][魔力制御lv2][アイテムボックスlv4]

武技(アーツ)

スナイピング アローレイン ゼロ・カルニバル デッドショット

固有(ユニーク)スキル

[非望の(アンフェイタブル・)双腕アームズ]

称号

[Sランク]


[非望の(アンフェイタブル・)双腕アームズ]

二本の補助腕を展開し、ある程度自由に動かせる。

10秒間だけ、補助腕を6種類の中から一つ選んで強化することができるが、腕がその後一定時間使用不可能になる。

強化:貫通 怪力 金剛 超延 美味 螺旋


名前 ゼニア

年齢 34

種族 普人族

レベル 174

職業 氷属性魔術師lv60(max)

職業履歴 見習魔術師 魔術師 魔導師

適正 【氷】

魔力 13012/13012

体力 4341

筋力 3452

俊敏 2628

精神 4512

気力 4512/4512

スキル

[魔力掌握lv7][氷属性魔法lv4][料理lv8][裁縫lv5][清掃lv6]

固有(ユニーク)スキル

[氷の魔女(フローズン・ウィッチ)]

称号

[Sランク]


[氷の魔女(フローズン・ウィッチ)]

氷属性魔法の効果が上昇。

氷属性魔法を、発動範囲が広いほど、消費魔力を軽減する。



 どちらもそれほど大したことはない。

 固有(ユニーク)スキル自体は持っているものの、極めて強力なものではない。

 こいつらは、『魔像使い(ゴーレムマスター)』と『紅蓮血涙(クリムゾンブラッド)』の2人がかりで抑えてもらえばいい、まあ、どちらか片方でも十分な気がするけれど。



「僕はカレル(・・・)ウォルター(・・・・・)、『魔像使い(ゴーレムマスター)』です。よろしくお願いします」


 彼が、この中における唯一の裏切り者で、僕の陣営最高戦力のうちの1人。

 そして……



「じゃあ、自己紹介も済んだんで、早速依頼をさせてもらうぜ。内容は、ある人物の捕縛、或いは抹殺だ」


 アレイオスは、まるで今日の夕飯のメニューを語るような自然な口調で、そう話し始めた。


「標的は、こいつだ。お前らと同じSランクのうちの1人、『(ブラック)葬剣(クリメイション)』ハクア」


 グランドマスターがそう言うや否や、部屋の壁に僕の写真のようなものが映し出された。

 いつ、どこで撮られたものかも、どんな謎技術によって為されているのかもわからないが、一つだけ言えることがある。

 ……壁いっぱいに映し出す必要はないと思う。


 相手がSランクだと聞いて、部屋全体に若干緊張が走る。

 ただし、誰しもが自分に自信があるようで、驚き慌てるような真似をする者はいない。


「こいつは、十中八九邪神の眷属だ。証拠もいくつかある。だから、確実に捕まえる、それができないのならば、消すことが望まれている」


 完全に間違っている、と言うわけではないが、不正解だ。

 僕は、邪神の眷属では(・・・・)、ない。


 邪神の眷属、その言葉によって驚きが拡がるが動じていない男が、2人。

 そのうちの1人が口を開いた。


「俺1人さえいれば問題ない。こんな雑魚共と協力するなど、時間の無駄だ」


 それは、誰よりも自分の力に自信を持っているからこそ言える言葉だ、流石はこの部屋における最高レベルなだけはある。


「ああそうだ、俺としても、お前が負けるとはハナから思っちゃいねえよ。だが、相手の戦力は未知数だ。だから、もしかしたら逃げられる可能性はあるかもしれねえ」


「ふんっ、勝手にしろ。俺は俺1人で動く。それに誰かが勝手にくっ付いてくるだけだ」


 そう言って、最強と目されている男は、不機嫌そうに椅子にもたれ掛かった。


「ああは言ってるが、お前らも協力してくれ。いや、これは強制依頼だ。逃すわけにはいかねえんだ」


 グランドマスターはそう言って、他のSランクの方を見た。


 Sランク、『潰魔師(キャンセラー)』は言った。


「じゃあ、この無力な老いぼれめが魔法を抑えよう」


 Sランク、『魔軍勢(モンスターパレード)』は言った。


「ボクは、すぐに逃げられないように、一応周囲に従魔を配置しておくよー」


 Sランク、『氷帝(アイスエンペラー)』は言った。


「あたしは対象を凍らせとけばいいんでしょ」


 Sランク、『絶弓(ディスペアアーチ)』は言った。


「俺は、殺さない範囲で毒矢を打ち込めばいいんだろ」


 Sランク、『魔像使い(ゴーレムマスター)』は言った。


「無理だと思いますよ。だって……」


 その瞬間、物凄く場違いな発言をした1人に視線と殺気が集中する。




「数秒後に決行します。準備は良いですね?」


 僕は通信機で2人に素早く指示を出し、剣を抜き、




「……兄さんが負けるところなんて、想像すらつかないのですから」


 邪神軍、黒機兵部隊指揮官、『魔像使い(ゴーレムマスター)』はそう言い切り、




 僕はグランドマスターの背後に時空属性魔法で転移するや否や、右手に持っていた剣を何の躊躇いもなく振り下ろした。






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