074 Sランク会議は
今回、中二病全開につき注意。
僕が会場に到着した時、全てが僕の予定通りに進んでいた。。
僕の支配下にある1人は勿論、それ以外には5人が集まっている。
ギルド本部の構造は既に把握済み、会議に殺害対象が出現することはほぼ確実。
会議の開始予定時刻まではまだ時間がある。
計画の最終確認をする時間も十分にある。
海域での足止めはうまく行ったようで、予定通り、7人のうち1人は来ていない。
その1人と変わって来てはいけないはずの僕が来ていて、同数の7になっているのだから、なんと言う皮肉だろうか。
あの中々正義感が強そうな人物には死なれると困るので、うまく行ったことは喜ぶべきことだ。
準備としては、最高戦力である僕自身のコンディションは問題なし。
神剣はいつでも使用できるように、異空間から出して背負っている、最近は常時行っていることではあるが。
切り札は使用せずとも制圧できる予定だが、いざとなったら使わなければならないかもしれない。
決戦前にはできるだけ使いたくはないが、使う覚悟だけはしておこう。
町全体を制圧するための戦力も、既に準備済みだ。
黒機兵だけでも1000機を隠密状態にして街の周囲に待機させている。
搭乗者も全員、僕からの指示で動けるように、予め精神改造してある。
元ダンジョンマスター組である『戯蝕圏』可愛川秀夫も、『紅蓮血涙』早月燎子も既に街の中に潜入済み。
どちらも『自在創造』槙村圭介が作った最上級の武装を持っている。
ダンジョンマスター時代に暇を持て余して自分の魔物と戦いまくっていた『紅蓮血涙』の強さは言わずもがな。
『戯蝕圏』の方は、もはや武器などなくても勝てるような気がするほど強い。
本人の性格的には参謀等の役職につけた方が真価を発揮するのだろうが、前線に引っ張り出して来ても十分に役立つ。
『魔像使い』は既に会議場内に参加者として入っている。
アイテムボックスからいつでも『極龍騎士』を取り出して戦闘状態に移行可能だ。
元日本人組の中で、唯一『自在創造』だけは、現在も黒冥城で待機している。
いざという時のための防衛戦力としてだが、もし現在のメンバーで力不足だった場合に備えて出撃可能になっている。
常時使用可能なものの中では最大戦力である改造魔龍、月虹ノ悪夢を引き連れて。
まあ、そんなものを引き出さなければならない事態に陥ることは想定できないし、引き出さざるを得ない状況にされた時点で戦略的には敗北だ。
さらに、その間は黒冥城の守りが手薄になるため、攻められた時の対応が難しくなる。
ただの人間ならば周囲の魔境だけで対処はできるが、もし相手が神だった場合はほとんど意味をなさないだろう。
魔境を乗り越えてくる相手ならば、『虚無歌姫』や『人形使い』をはじめとした、残りのダンジョンマスター組だけでは明らかに戦力不足だ。
というか、ダンジョンマスターの多くは生産を得手としており、殆ど戦力にならない。
黒機兵3000機がいるとしても、焼け石に水だろう。
残りの中では最大の戦力を有する、『死霊王』も、人員調達のために外に出ている。
だから、最凶兵器たる月虹ノ悪夢を出すわけにはいかないのだ。
それはともかく、もうそろそろSランク会議が開始される。
最終確認をするために、僕は右手に持った通信用魔道具を起動させるために魔力を流した。
「こちらハクア。皆さん、準備はできていますか?」
「ヒデオ…………準備完了です」
「こちらリツコ、あたしのとこもオッケー」
「こっちも大丈夫ですよ、兄さん」
「黒冥城の方もオーケーっすよー」
「そうですか、では、作戦開始まで、そのまま待機をお願いします」
「じゃ、時間になったんで始めるとするか」
無骨な鎧を着た大男が、部屋に入ってくるや否やそう言った。
冒険者ギルド本部、その最上階。
7人の男女が集まっているその部屋は、7人だけがただ集まる部屋としてはあまりにも広すぎる。
けれど、屋内の闘技場と言っても良いほどのその広さも、露骨なまでに強化を施されているその壁も、中に集まっている人物の異常さがわかっていれば自ずと納得できる。
そこに集まっている人物のうちの6人は、全員が僕と同じSランク、全員が人類最強の一角。
もう1人は、総ての冒険者を束ねる男、冒険者ギルドのグランドマスター。
どの程度の実力がなのかは知らないが、この場にのこのこと姿を見せる以上は、少なくともこの部屋にいる人物には負けない程度には、自分の力に対する自信を持っているのだろう。
こうして、1人で一軍程度は相手取れる化け物が集まる場として考えると、この部屋は物足りなく感じてくる。
「1人いないか。まあ、問題はねえ。じゃあ、始めてのやつもいるんで自己紹介とでも抜かそうか。俺は一応ギルドのグランドマスターを務めてる、アレイオスだ。ではいつも通り二番目はお願いするぜ」
唯一Sではない男、グランドマスターはそう言って、隣に座る男に視線を向けた。
「俺はソウタ=キリヤマだ。二つ名は『魔剣王』。お前達のような雑魚と慣れ合うつもりはない」
集まってからずっと、一言も発していなかった、見た目だけは30代の男は、一言目から喧嘩を売りにかかった。
だけど、その言葉はある意味正しいのかもしれない。
その理由は、ステータスを見れば簡単にわかる。
名前 ソウタ=キリヤマ
年齢 3516
種族 普人族
レベル 813
職業 魔剣王lv100(max)
職業履歴 見習い剣士 剣士 剣豪 剣王 剣神
適正 なし
魔力 ―/―
体力 70135
筋力 69173
俊敏 56134
精神 91346
気力 91346/91346
スキル
[超越剣術lv10]
固有スキル
[魔剣繋奏]
称号
[転移者]
ステータスは大したことはないが、それは問題ではない。
問題は、異常なほどの年齢、そして、固有スキルだ。
この人以上の年齢は、今までに一度しか見たことがない。
そして、肝心の固有スキルは、最強クラスのもののうちの一つだろう。
[魔剣繋奏]
倒した敵に応じた魔剣を生み出し、操る。
現在同時使用可能本数:17本
スキル、固有スキル、称号の取得不可能。
魔法使用不可能。
デメリットの量からして、半端ない効果を持っているのだろう。
もし、敵対するとなると、純粋な物理火力に頼る『紅蓮血涙』では対処不可能。
『魔像使い』は『極龍騎士』を持ち込んでも、純粋性能で負ける。
『戯蝕圏』が一番可能性はあるが、僕が使うような結界破壊能力を持った剣を出されると、瞬殺されるだろう。
確実を期すのならば、僕が直接潰す必要がある。
できれば『魔像使い』と同様に、敵対せずにこちらの軍門に降ってくれた方がいい。
ただ、ダンジョンマスターだったり、特別な事情があったりするわけではないため、『武神』と『赤鬼』と同じように、殺してから運用せざるを得ないかもしれない。
そこらへんは本人の出方次第だが、僕の予想としては後者だ。
僕がそんな風に邪推をしているとは誰も気づかず、自己紹介のようなものは続く。
次に口を開いたのは、その隣にいる老人だった。
「儂はバーナードじゃ。一応Sランクで、『潰魔師』の二つ名を貰っておる。まあ、こんな老いぼれじゃから、若いもんには敵いはせん。あまり期待せんといでくれ」
嘘をつけ、と言いたくなる。
確かに歳はとっているかもしれないが、少なくともここにいる者の中で確実に勝てる相手がいる。
そして、ここに来ていないもう1人のSランク、『四色舞』にも勝てるだろう。
名前 バーナード
年齢 92
種族 普人族
レベル 141
職業 剣王lv51
職業履歴 見習い剣士 剣士 剣豪
適正 【風】
魔力 5014/5014
体力 8135
筋力 9324
俊敏 10121
精神 5613
気力 5613/5613
スキル
[上級剣術lv4][魔力掌握lv4][風属性魔法lv8][看破lv3][隠密lv3][奇襲lv4]
固有スキル
[魔壊]
称号
[Sランク]
[魔壊]
自分の周囲の魔力と魔法を、任意で消滅させる。
その理由は、ただ単に固有スキルの相性だ。
魔法を得意とするライ=クレアーレや『氷帝』は、『潰魔師』には敵わない、それだけだ。
だがしかし、魔法ではない攻撃手段に頼っていた、『武神』には敵わなかっただろうし、ただ単純にステータスが高い『魔剣王』や僕でも倒せるだろう。
こいつも、敵対することになったとすれば、きっちりと殺さなければならない。
魔力を消されるとなると、『紅蓮血涙』だと結構キツイ。
『戯蝕圏』は結界を発動させれば勝てるだろうが、発動自体に干渉されると終わる。
『魔像使い』はゴーレム自体が動かせなくなるため、実質無力化される。
僕の配下の中で対処可能なのは、『自在創造』の月虹ノ悪夢、または『虚無歌姫』だけだが、前者はまず論外な上、後者もここにはいない。
やっぱりこいつも、確実に僕が殺すべきだろう。
救いとしては、配下に加えても戦力としてはあまり有効活用できそうにないので、サクッと殺してしまっても構わない点ぐらいだ。




