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深淵の神刻魔剣士(更新永久停止中)  作者: 易(カメレヲン)
第肆章 誰もが知る戦争と、誰も知らない最終決戦
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071 暴食

 俺の目の前の景色が変わった、黒だったものが紫に染まった、そんな気がした。


 実際にそうなのかもしれない、それはともかく、今の俺は晴れ晴れとした気分だ。

 ああ、とにかく、腹が減った。

 何か食べなくては。


 その瞬間、俺は見た。

 闇の中で、俺に気づいた魔物の姿を。


 俺は見た。

 食事(ご馳走)にしか見えない、その魔物の姿を。


「イただキまあす」


 そう、半ば無意識に口にして、エリクサーを取り出して飲み干すと、俺はそいつに向かって駆け出した。


 蛇の形をしたその魔物を、愛しいモノを抱きしめるようにして捉える。

 衝動に突き動かされるまま、俺はその尻尾に噛み付く。


「おイシいじゃん!」


 異形で醜悪な形をした魔物は、何とも美味しい味がした。

 例えるのならば、一晩寝かせておいたカレーのような味か。

 蛇の魔物は何とかして逃げようとする。

 こちらの手を食いちぎり、足を食いちぎり、でも、


「イま何かしたノ? イたくも痒くもなイよ。残念だっタね」


 そんな痛み、とっくに慣れている。

 その程度、すぐに回復する。

 構わずに、俺は(くら)い続ける。


「グギャアアアアア」


「美味しイ、美味しイ、美味しいヨぉ!」


 もはや何も怖いものはない。

 貪り食らう、それだけだ。

 もはやこちらが捕食者、強者、蹂躙する側。

 喰われる側ではなく、食らう側。

 ただもはや、本能のまま、激情のまま、食い、噛みつき、捕食し、混沌、侵食、阿鼻叫喚、酒池肉林、魑魅魍魎、天衣無縫、屍山血河、焼肉定食、endwpcんjw呼延lmjkdc;kxw、cl;dxclwけrwclめkrflw;んcめjwlじゅいおwc






 気がついたら、腕の中の魔物は動かなくなっていた。


「へエ、つまんないジゃん。もっト抵抗しテくださイよ」


 つまらなくなったけれど、食べるのは楽になった。

 ただひたすら、抵抗がなくなった獲物を貪り尽くす。

 実際美味しかったものの、生きている状態の方が美味しかった気がした。



「まあ、イいや。美味しかったヨ、ご馳走様デした」


 舌で、唇の辺りを舐め回す。

 普通はここが血で濡れているのだろうが、魔物には血がないため、あまり汚れていない。

 精々、俺の血で塗れている程度だ。

 まだ足りない、だから、もう一匹程度潰しに行っても、、




「俺、何してんだろ」


 急に正気が戻ってきた。

 何で、こんな無謀なことをしていたのだろうか。


 今から考えると寒気がしてきた。

 圧倒的にステータスの差がありそうな化け物に対して、よくもあんな、武器を使わずに素手で挑めたものだ。

 いや、待て、そもそも、挑んだことなどではなく、勝てたことこそがおかしいのだ。

 迷宮の上層の魔物にも苦戦していた俺が、武器の力も借りず、ついさっきまではただ一方的に弄ばれる相手だった魔物に勝てるはずがあるのだろうか。

 いくら回復し続けるとはいえ、ステータスの差は圧倒的な力の差となる、それはもう十分に知っている。

 俺のステータスに何かが起こっている、それは間違いない。

 すぐに、画面を開いて確認する。


名前 ヨウノスケ=イチタニ

年齢 16

種族 普人族?

レベル 14

職業 なし

適正 なし

魔力 2014/2014

体力 1912

筋力 1832

俊敏 5013

精神 10

気力 10/10

スキル

[アイテムボックスlv3][痛覚耐性lv10][邪毒蛇腕lv1]

固有(ユニーク)スキル

[暴食(ベルゼブブ)]

称号

[異世界人]


 一体何が起こったのだろうか?

 それが、この変わったステータスに対する第一の感想だった。

 特に、固有(ユニーク)スキルの欄に何やら(おぞ)ましいものがある。


[暴食(ベルゼブブ)]

暴食たれ。


 いや、これはまずいだろう。

 何なのか詳細はよくわからないが、不穏すぎる。

 ステータス強奪系のスキルだと予想はつくが、何かが引っ掛かる。

 ただ、今は悩んでも解決はしないだろう。

 なので、もう一つの不穏なスキルを確認することにする。


[邪毒蛇腕lv1]Hyper Rare

腕を邪毒蛇(イビルスネーク)に変化させる。


 こちらは効果は明白としているが、シンプルにヤバそうな奴だった。

 ただ、なぜかこちらの方が安心できる気がする。

 ヤバそうというだけで避けるわけはいかず、文面上はアクティブスキルの様なので、早速試してみることにした。


 スキル発動、そう念じる、が、何も起こらなかった。

 部位を指定する必要があるのだろうか、そう思って、適当に左手を選択する。


 最初は何も変化はなかった。

 けれど、少しずつ、少しづつ、左手の肘から先が紫色に変わり、指が少しづつ同化し……



 30分ほど経過した後、左手が毒蛇に完全に変化し終えた。

 大きさとしては腕より少し細く、少し長い程度だ。

 口の中には鋭い牙が並び、手を入れたら今すぐにでも噛み千切られそうだ。

 

 動かし方は、いつのまにかインプットされたかの様に、頭の中に入ってきた。

 猛毒の牙を使う方法も、口を閉じる方法も、元々体の一部だったかの様に扱える。


 ちなみに、元の腕に戻そうとしたらすぐに戻った。

 そして、理由は不明だが、2回目からは数秒で変化する様になった。


 スキル発動時に魔力を消費していなかったので、タイムラグ自体が制約の様なものだと思っていたのだが、一体どう言うことなのだろうか。

 身体を一部とはいえ変化させるのならば、それなりのコストはかかると思ってもおかしくはないが。

 また、他の部位、例えば右腕を変化させようとしたら、最初の時だけは同じ程度の時間がかかると判明した。

 

 どういう理屈なのかはわからないが、今考えてもはっきりとした結論は出ないだろう。

 初回のみにおけるタイムラグ、つまり適合の準備などだろうか、と適当なところで検証をやめることにした。



 けれど、その本当に意味に、俺は気付いていなかった。



 ステータスも上がったので、まずは今いる階層を本格的に探索することにした。

 左手だけを蛇に変化させ、右手には、帝城で貰った黒い武器を持つ。

 今まではひたすらに逃げて回るだけだったので、片手が千切られたりして使えなくなってもエリクサーを取り出すために、両手を開けっ放しにしておいた。

 だが、今は寧ろ、両手を使って攻勢に出た方が効果的だ。

 いざとなったら、蛇状態の左手でも瓶は掴める。


 ちなみに、謎の黒い武器についてだが、落ちる時に落としたと思っていたのに、気がついたら、いつのまにかアイテムボックスの片隅に居座っていた。

 若干持ちやすい形に変わっている様に思えるが、それは気のせいだろう。

 前は不恰好な形だったのにスマートになっている気がするが、それは気がするだけだと思いたい。


 というか、もう考えたくない。

 呪いの武器でも何でもいい。

 色々と変わったことが多すぎて、全部を真剣に考えるには余りにも多すぎる。


 とりあえず、今はまずこの階層の構造を把握する。

 上層への階段も一応探してみるが、多分下層への階段しか見つからない、そんな予感がする。

 


 最初に遭遇(エンカウント)したのは、またあの蛇だった。

 スキルの欄から推測するに、邪毒蛇(イビルスネーク)という名前なのだろう。

 俺自身のステータスは上がったが、向こうは俺が苦しめられてきた相手のうちの一体だ。

 油断することなく、全力で挑もう。



 と、そう思っていた時期が、俺にはありました。

 結論から言うと、すんなりと倒せてしまった。

 前はあんなに速いと思っていたのに、今はそこまで速いとは感じられなかった。 

 実際に蛇に速度についていくことができ、左手の蛇で牽制しつつ右手の武器で殴るだけで、エリクサーを使用せずとも倒せてしまった。

 なお、例の黒い鈍器についてだが、少し短いなと思っていたら、いつの間にか長くなっていた。

 もう、あまり深く考えない様にしよう。


 倒したことでレベルは上がったが、相変わらずステータスは上昇しなかった。

 もしかしたら、暴食という名前の通り、直接相手を食べなければステータスが上昇しないのかもしれない。

 そんなわけで、あまり食べる気にはなれない紫色の蛇を、食してみることにした。

 まあ、もう既に一匹丸ごと食べているのだから、異形とはいえ安心できる。


 結局、八割方を食べ終わったところでステータスが上昇した。

 ただ、スキルの方には特に何も変化はなかった。



 その次に出遭ったのは、素早く動く黒い犬だった。

 まるで滑っている様に動く姿は、かなりの強敵に見えた。


 しかし、予想は外れ、物凄く早く決着した。

 開始直後に左手の蛇の毒牙を使ったのだが、少し掠らせただけで勝負が終わった。

 すぐに犬の動きが鈍り、フラフラと頼りなく歩くと、そのまま死んでしまった。

 毒の効果には若干期待はしていたものの、まさかこれほどとは思いもしなかった。

 蛇に対しては何故か全く効かなかったので、そこまで強い毒だとは思っていなかった。


 今後、使用する際にはかなり注意する必要があるだろう。

 もし自分がこの毒を喰らったとしたら、どうなるものか想像したくもない。

 それどころか、最初に蛇と戦った、というよりただ単に弄ばれた時、すぐにエリクサーを飲んでいなければ、死んでいた可能性がとても高い。

 今思い出すと、本当に怖くなってきた。


 なお、この毒を使用した犬の死体については、かなり迷ったが食べることにした。

 まず第一の理由は、毒を持っている蛇を食べても大丈夫だったこと。

 そして、今後毒を使用するとして、ステータスを上げる為に捕食したい対象に使ってもいいのか。

 そんなわけで、若干怯えながらも、万が一のためにエリクサーを傍らに置きながら、犬の死体を最後まで食べ尽くした。


 結局のところ、そんな心配は杞憂で、気分が悪くなることなど全くなかった。

 最初に蛇を食べた時点で毒に耐性がついたのだろうか、ただ、それは不明である。


 ちなみに、犬から獲得したスキルはこれだ。


[滑犬脚lv1]

脚を滑犬の足に変化させる。


 あの犬の名前は滑犬というのか。

 あまりにもそのままで、ある意味予想とは違う名前だ。

 また、ステータスは俊敏が一番上がっていた。


 スキル発動には、例に漏れず初回だけはかなり時間がかかった。

 滑犬の脚の能力としては、地面との抵抗をゼロにする能力があるとわかった。


 期待しながら使用したら、発動した瞬間にバランスが取れなくなって転ぶ羽目になった。

 このスキルを使いこなすには、ある程度の練習が必要な様だ。

 



 肉体侵食度……3%

 

優秀ななろう読者なら、この後の展開も知っているよね(丸投げ)。

これぞ、あえてあらかさまなパクリ展開を使用することで読者に補完してもらい、執筆量を減らすという新時代の技法である(言い訳)。

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