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深淵の神刻魔剣士(更新永久停止中)  作者: 易(カメレヲン)
第参章 歪んだ勇者達へ、
60/86

060 化け物達

World view

Sランク最強と謳われる『魔剣王(マギソードマスター)』ソウタ=キリヤマは、転移者である。

また、個人戦闘で彼に敵う()()はいない。

 俺がギルドで登録してから一週間程が経った。


 あいつが去った後、俺は無事にガラの悪い冒険者に絡まれ、Fランクへの昇格を果たすことができた。

 もう少し詳らかに説明すると、まず、今すぐにでも盗賊落ちしそうなレベルの、二人の冒険者に絡まれた。

 次に、カマセ、そして、イヌーと名乗った二人組は、俺のようなガキには冒険者なんて務まらないから武器をよこせと言って来た。

 もの凄い破壊力のネーミングセンスに吹き出しそうになるのを堪えつつ、半分おちょくりつつきっぱりと断ると、その流れで決闘を申し込まれた。

 何となく二人を鑑定してみると、さらに心の中の笑いが止まらなくなった。

 ちなみに、二人のステータスはこれだ。


名前 ザルド

年齢 42

種族 普人族

レベル 24

職業 槍兵lv9

職業履歴 見習い槍兵

適正 【火】

魔力 315/315

体力 214

筋力 291

俊敏 313

精神 132

気力 132/132

スキル

[槍技lv6]

武技(アーツ)

槍:ランジ

固有(ユニーク)スキル

称号

[噛ませ犬]


名前 ジオルダ

年齢 39

種族 普人族

レベル 21

職業 弓兵lv6

職業履歴 見習い弓兵

適正 【風】

魔力 241/241

体力 133

筋力 264

俊敏 401

精神 118

気力 118/118

スキル

[弓技lv5]

武技(アーツ)

弓:

固有(ユニーク)スキル

称号

[噛ませ犬]


 笑いそうになった理由の一つは、カマセとイヌーという名前が偽名であるとわかったことだ。

 偽名を名乗るにしても、もう少しマシな名前を名乗るべきだと思う。

 もう一つの理由は、称号だ。

 噛ませ犬なんて称号を持っているなんて、笑ってくれと言っているようなものだろう。


 当然のごとく、[噛ませ犬]という称号の通り、期待に応えて地下の決闘場で二人を瞬殺した。

 すると、ギルドマスターを名乗る大男がやって来て、実力を認めるだの何だのかんだのを言いEランクまで上げてくれた。

 ついでに、決闘の勝利の報酬として金貨3枚を獲得することができた。

 

 と、こんな感じで、俺は予想外の幸運に恵まれたわけだ。

 絡まれたのに幸運と表現するのは少し変な感じだが、それで間違っていないと思う。

 実際に、戦闘以外を問題なくこなす自信がなかったため、俺としてはとてもラッキーな事態である。

 ちなみに、外での依頼を受けられるのはFランクからだ。


 なお、


ギルドマスター「お前をそんな低いランクにおいておける訳がない。Sランクに決定だ」


 的な展開を期待していなかった訳ではない。

 まあ、別にFから成り上がるのでも十分だと思っただけだ。

 そう、当時は十分だと思っていた。


 こんな感じで俺は冒険者になった。

 だが、問題がありすぎた。


「受けられる依頼がない!」


 そう、低ランク向けの討伐依頼がほとんどないのである。

 帝国の首都だから、とにかく冒険者の人数が多い。

 その上、俺が勇者だった頃とは大して変わらず、帝都周辺にあまり魔物は生息していない。

 討伐依頼が少なくなるのも自明の理だった。

 一週間の間、毎日依頼の更新の時間帯まで待機し、それで依頼状を獲得できたのがたったの2回。

 それ以外の日は、俺と同じように待機していた冒険者の手によって全てむしり取られた。


 実際、街中での依頼はある。

 ただ、今更そんなことをやりたくはない。

 高ランク向けの討伐依頼はある。

 地方では高ランクが不足しているのだろうか、どの依頼も帝都から結構離れた場所だ。

 どれもこれも、ランク制限さえなければ俺が喜んで受けただろうと推測できる。


 本当に、恨めしい。



 まず、俺はランクを上げないといけない。

 ランクを上げるには、依頼を達成しなくてはならない。

 依頼を達成するには、依頼を受けなければならない。

 依頼を受けるのは、ランクを上げなければならない。


 言わずともがな、俺の状況は結構詰んでいる。

 詰んでいる現状を打開する手段は何か、それは、街を出ることである。

 ただ、路銀が十分にある訳ではないので、一人旅をせざるを得ない。


 勇者時代は一人旅などしたこともなかったし、すると言い出したところで許されるような立場ではなかった。

 あの頃は、クラスメイトのうちの最も優秀な5人と一緒に旅をしていた。

 だが、ハーレムパーティーなどでは決してなかった。

 編成としては、女子2人に男子4人。

 その中にカップルは2組いて、俺は負け組だった。


 こんな最悪な感じだったので、今回の究極の目標はハーレムだが、何が何でも非リア同士で愚痴を吐くようなパーティーだけは嫌だ。

 ちなみにこれも、俺が城に残らなかった理由の一つだったりする。

 精鋭による勇者パーティーが結成されるとしたら、まず俺。

 次に高室、その親友枠として日暮、幼馴染枠として名塩。

 この時点で、男子3人に女子1人というアンバランスな構成になる。

 前回とよく似た構成になる可能性が高く、下手をしたら男子5人になってしまう。

 なんとしてでもそれを回避しなければならなかった。

 一言で纏めると、俺はたった1人で旅をしたことがない、ということだ。


 だから、1人で旅をするというのはちょっと新鮮な気持ちだ。

 どうせすぐに飽きるのだろうが、最初の頃ぐらいは楽しませてもらってもいいだろう。

 内心では一人旅が長続きするのは好ましくないのだが。


 実際は、奴隷の女の子とかを買いたい。

 獣人は奴隷にすることが許されているので、奴隷商店で金を払えば買えるはずだ。

 ケモミミをモフモフしたい。

 非リアを見下したい。

 ちやほやされたい。

 「流石ですご主人様!!」とか言われてみたい。

 アンナコトやソンナコトもしたい。


 ただ、金が破壊的に足りないので、しばらくの間はお預けだ。

 しばらくどころか当分の間かもしれない。

 ただし、俺にはあきらめるつもりは全然ない。

 待っていろよ、ケモミミィ!


 ちなみに、奴隷商店にはこの一週間の間に帝都中の全てを制覇した。

 合法で奴隷を扱っている店から、違法の真っ只中を突っ走るような店まで。

 なぜか最近奴隷を買い占めた人がいるらしく、獣人の奴隷はほとんどいなかった。

 黒い服に身を包んだ、割と珍しい黒目に黒髪の男が、店の中にいるある程度の戦闘に耐えうる奴隷を全て買い占めていったらしい。

 残っているのは、犯罪奴隷と、戦うこともできなさそうな弱々しい子供や老人だけだった。

 値段としては、最も安い部類に入るだろう。

 けれども、白金貨1枚など、今の俺には出せそうにない。

 頑張れば出費できるかもしれない。

 だが、奴隷を買って財布がスッカラカンになるような事態に陥るなど、愚の骨頂でしかない。

 奴隷の子の前で金欠を嘆くなど、かっこ悪すぎる。

 絶対に、一瞬で見限られるだろう。

 毎日毒舌を吐かれるようにでもなったら、もう俺は立ち直れない。

 生憎、俺はMの性癖は持ち合わせていないのだ。


 ちなみにだが、犯罪奴隷はきちんとした資格を持っていないと買えないらしい。

 もし買えるとしても、絶世の美少女であっても、犯罪奴隷を買うつもりはないが。


 今すぐの時点では奴隷を諦める。

 というか、諦めざるを得ない状況にある。

 今は、襲われるお姫様を助けて惚れられるといった感じの、よっぽど現実味のある選択肢に期待した方がいいだろう。

 そう、よくあるはずだ。

 よくあるに違いない。

 なかったら悲しい。


 と、そんな訳で、俺は旅に出ることにした。

 頼りになるのは前世で鍛え上げたステータス、スキル、そして戦闘経験。

 逆に余り頼りにならないものはなけなしの金銭と、聖剣より遥かに劣る大剣。

 こうして俺は、帝都の西門から外に出た。


 人に溢れてごった返していた帝都の中とは対照的に、外は結構閑散としていた。

 冒険者だったり商人だったりがまばらにいるだけで、他にはほとんどいない。

 その中に、見過ごせないものを見つけてしまった。



 金髪の少年を中心として、5人ぐらいの女の子が集まっている。

 少年の方は、当然美形。

 女の子たちの方は、それと比べたら勿体ないほどの美形だ。


 許せない、ハーレム。

 直前の妄想すらもどこかに放り捨て、全身の血液がトマトジュースに変わるような怒りを覚えた。

 主に、嫉妬で。

 粉微塵に切り刻んでしまいたいが、そんなことをしたら指名手配になるかもしれない。

 猛る気持ちを必死に抑えながら、俺はとりあえず[絶対鑑定]を使用した。

 勿論、無許可で。


名前 ライ=クレアーレ

年齢 19

種族 普人族

レベル 312

職業 魔創師lv27

職業履歴 見習い魔術師 魔術師 魔導師 火属性魔術師 水属性魔術師 風属性魔術師 土属性魔術師

適正 【火】【水】【風】【土】【灼】【泥】【溶】【嵐】【雷】

魔力 85132/191312

体力 4001

筋力 3231

俊敏 2913

精神 7005

気力 7005/7005

スキル

[魔力掌握lv3][火属性魔法lv8][水属性魔法lv8][風属性魔法lv10][土属性魔法lv8][杖術lv4][灼属性魔法lv1][泥属性魔法lv1][溶属性魔法lv1][嵐属性魔法lv1]

固有(ユニーク)スキル

[創魔(マギ・クレアーレ)]

称号

[転生者][学園主席][灼の到達者][泥の到達者][溶の到達者][嵐の到達者][竜殺し][風の解放者][Sランク]


 ……強い(確信)。


 てか、強すぎる。

 もし戦闘になった場合、近接戦闘ならば勝てるだろう。

 けれど、遠距離から魔法を連発されたらかなり苦戦させられるだろう。

 その上、一対一でも微妙なのに、相手には仲間がいる。

 下手に手を出したら、こっちが痛い目を見る羽目になる。

 転生者がいると思わなかった訳ではないが、ここまで強いとは思わなかった。

 ハーレムを形成していて正直気にくわないが、これでは仕方がない。


 ギルドで登録した日に見た化け物とは違う。

 けれど、こいつは違う意味で手を出してはいけない相手だ、そう思う。

 俺が最強だと思っていたのに、短い間に二人も化け物を見てしまい、何だか興が醒めたような気分だ。

 魔王を倒すのに、勇者を召喚する必要があったのか甚だ疑問に思う。

 実際は、俺を巻き込んでくれたからとても感謝している。

 だが、もうすでに魔王は冒険者の手によって討伐されていたとかいうオチだったら報われない、主に勇者が。


 色々問題はあるけれど、俺は気にしないことにした。

 そんなに強い奴が沢山いる訳でもあるまいし、わざわざ、勝ち目の薄い強者に挑む必要もない。

 そんなことを考えつつ、俺は西に向かって道を進んだ。


 目指すは、迷宮都市。

 欲望と宝物と死が集約した、魔法の街。


 頭の中に叩き込んだ地図を頼りに、俺は目的地を目指す。



名前 セイジ=キリオ

年齢 16

種族 普人族

レベル 243

職業 勇者(固定)

適正 【光】【風】【雷】

魔力 33021/33021

体力 42591

筋力 29912

俊敏 58235

精神 38123

気力 38123/38123

スキル

[上級剣術lv6][聖剣適正lv--][絶対鑑定lv--][限界突破lv--][アイテムボックスlv10][魔力制御lv4][光属性魔法lv7][風属性魔法lv10][気配察知lv8][魔力回復上昇lv10][雷属性魔法lv4][魔力隠蔽lv3][改竄lv5][危険感知lv10][料理lv2][隠密lv7][毒耐性lv4][精神耐性lv4][記憶力lv1]

武技(アーツ)

聖剣:セイントクロス スラッシュレイ ブレイブアップ

固有(ユニーク)スキル

[技能取得(スキルゲッター)]

称号

[勇者][異世界人][雷の到達者]

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