034
World View
魔物は地中の魔素から発生する生命体であり、生殖活動を必要としない。
また、街の中では基本的に魔物は発生しない。
書き溜めの方で第弐章を最後まで書き終わりました。
7/7に第弐章終了予定。
「なになに頼みごと?まさか、武器をくれ、とか?ごめーん、作った武器はほとんどダンジョンの方の宝箱に入れてるからさー、今ここには一つもないんだよー。だってさー、ここまで誰かが来るなんて思っても見なかったんだよー。だからさ、まあ、めんごー、的な?」
とりあえず、この人の扱いはわかってきた。
ただ単に、あまり相手の言うことを深く考えずに話せばいい。
「いいえ、そういうわけではないのですが。僕が今持っている素材から武器を作ってくれませんか」
「マジ、それだけ?それって高級な素材だったりする?すごい素材だったりする?」
「龍の素材です」
「よっしゃー、竜の素材だね!俺に任せちゃってー。大丈夫だよー、スキル見たでしょ、腕に自信はあるんだよー。最近暇だったからねー、いい仕事になるよ」
なんだか少し不安になって来たが、まあ、スキルもあるし問題ないだろう。
「では、お願いします」
そう言って、僕は異空間から龍の素材を取り出した。
「いやーさすがは、、ってこれって、、、君って何者?」
「ただの転生者で普通のBランク冒険者です、と言っても納得はしないでしょうね」
「上位種の方の龍の素材を持って来れるような奴を普通と呼ばないよー。まあいいや、転生者ってのは俺みたいな無能だけじゃないってことだねー」
「あなたを無能を称していたら世界中の大半が無能ということになります。とりあえず、あなたは生産系のスキルに関しては多分世界一といっても過言ではないです」
「そっかそっかー、ありがとー。あとさー、君の固有って何?ほんと興味あるんだけどー」
ダンジョンマスターに鑑定がないことは確認済み、ということは、あの時と同じようにすれば大丈夫だろう。
「[時間凍結]という時間停止のスキルです」
「うわー、何それー。まさにチートって奴?ってかそれって無敵じゃね」
「クールタイムが1ヶ月と長いからそこまで使い勝手は良くないんですけれどね」
「俺のなんてただ雲になるだけだよー、魔力消費も激しいからほとんど使えないしー」
「いえ、それでも十分強いと思いますよ」
「まあいっか、気ままに生きる俺にはそんな時間停止をもらっても宝の持ち腐れだっただろうしねー。それで、この素材で武器を作ればいいんだっけ?」
「はい、お願いしたいのですが」
「全然オーケーだよー。これほどの素材を扱ったことはないけれどねー。というか、これ全部を武器に加工する?」
「できればそれでお願いします、あと、素材の一部はあなたに代金として差し上げます」
「いやいやいや、そんな武器を持ってたって俺じゃ全く使えないかいらないよー」
「でも、きちんとお礼を支払いたいのですが」
「そっかー、じゃあ、何か今必要なものはー、そうだ、金属とかって持ってない?」
「はい、結構持っていますが」
「じゃあ、それでお願いするよー」
「どれぐらいの量ですか?」
「うーん、鉄を10キロ、いや、そんなに持ってるわけないか」
「鉄ならもっとありますけれど、、」
「マジで、もしかしなくてもアイテムボックス持ちー、めっちゃ羨ましいわー。じゃあ、どれぐらい持ってるの?」
「確か、11トンぐらいだったはずです」
「それさ、一体何に使う予定?もしかして、世界征服とかー」
「いいえ、特に何にも使う予定はないです」
「じゃあさー、他の金属も余ってる?」
「はい、結構な量余っています」
「じゃあじゃあー、それ全部俺が加工してもいい?」
「いえいえ、そんなことをさせてしまっては、大変だと、」
「いいっていいって、はい決定ー。じゃ、とりあえず、金属全部出してー」
その後、色々と押し問答はあったものの、結局金属を全部預けることになった。
ついでに、魔石などを始めとする使えそうな素材もいくつか渡しておいた。
少しだけ軽くなった異空間に少しだけ寂しさを感じながらも、そこには代わりに新しい武器への期待を詰め込んだ、ような気がした。
その後、お互いのヘレナスでの生活などについて色々話をしたが、結構長くなったので、というかいらない話が多いので、要点だけをまとめるとこうなる。
ダンジョンマスター槙村は、思った通り2000年の間ずっと生産系のスキルを鍛えていた。
その理由は、転移した直後で調子に乗っていた頃にダンジョンに来た冒険者と戦って死にかけ、戦闘恐怖症になったからだ。
ひたすら負けないために武器を、防具を、ポーションを作り続け、ダンジョンの魔力を節約するために自分で料理をし、とひたすら繰り返していたらいつのまにか生産系スキルが充実していたらしい。
また、ダンジョンの性質はダンジョンマスターの最初の性質によって決まるらしい。
槙村圭介の適性が風属性で、固有スキルが[変化:雲]だったため、このダンジョンの性質は風属性と雲らしい。
そして、ダンジョンの性質からかけ離れたものを出すにはかなりダンジョンの魔力を消費するらしい。
そのため、鍛治をするのには冒険者の落としていった装備品をとかして使っていたらしい。
とはいえ、装備品から取れる素材といっても粗悪なものばかりである。
それだけでスキルを10まで上げる方が凄いのか、はたまた馬鹿なのかはわからないが、とりあえずは尊敬に値する。
「そうだそうだ、装備とかは1ヶ月後ぐらいには出来上がるはずなので、忘れずに取りに来てねー」
「わかりました。どうぞよろしくお願いします」
「あっ、そうだ、1ヶ月後に君が来るときはダンジョンの難易度を下げといた方がいい?」
「いいえ、ここまで転移してこれるので大丈夫です」
「りょーかい。じゃ、また1ヶ月後」
「はい、色々とありがとうございました」
「いやー、こちらこそありがとー」
こうして、僕は転移して地上まで戻ろうと、
「あーっ、ちょっと待ったちょっと待った」
「何でしょうか?」
「一応さー、ダンジョンマスターとしてねー、最下層までたどり着いた者には報酬を与えることができるんだよー」
「そうなんですか」
多分、[報酬贈与lv--]というスキルがそうなのだろう。
「でねー、このスキルは色々と制限があるんだけれどねー。一度使った相手にはもう一度使えないとかさー、最下層まで本人の実力で到達した相手ではないと発動しないとかさー。まあ、使うのは初めてだけど結構めんどくさいんだよー」
「使うのは初めてなのに効果がわかるというのは少し矛盾しませんか?」
「いやー、それはアレだよ、アレ、種族の本能的な?元から知っている的な?人間が呼吸の仕方を知っている的な?とりあえず、一回使ってみるよー」
「はい、お願いします」
その次の瞬間、自分の中に何かが流れ込んで来るような感覚があり、軽い頭痛に見舞われた。
頭痛が収まる頃には、僕は何が起きたのかおぼろげに理解していた。
「なんか大丈夫ー?って俺がいうのも何だけどさー」
「大丈夫です、ちょっと頭痛がしただけですので」
「そっかー、なら良かった。じゃー、これで改めて、また1ヶ月後ってことでー」
「はい、改めてありがとうございました」
こうして、僕は今度はきっちりと転移して地上まで戻った。
最下層には地上への転移陣もあったらしいが、上級ダンジョンを攻略したと知られると正直困るので、時空属性魔法でダンジョンの外まで転移することを選んだ。
魔力は常に十分に余っているので、転移する
数日ぶりに吸う地上の空気は、案外美味しかった。
とはいえ、地上に帰って来たが、今後無限回廊にアタックするとなると、かなり長い間地上には戻れないだろう、毎日転移しなけば。
今のうちに地上の空気を吸っておこう、と少し思った。
無限回廊に挑戦するにあたって、まずはステータスをチェックする。
「無限回廊」は世界五大迷宮最難関という地位に居座っているダンジョンであり、他のダンジョンとは一線を画す。
分かりきっていることだが、挑むにあたって自分の戦力というものを十分に把握しておく必要がある。
名前 ハクヤ=アイザワ
年齢 8
種族 普人族
レベル 127
職業 魔法剣士lv37
職業履歴 見習い魔術師 見習い剣士 魔術師 剣士
適正 【光】【闇】【時空】【神聖】【深淵】
魔力 error
体力 14123
筋力 13024
俊敏 14973
精神 29812
気力 29812/29812
スキル
[上級剣術lv1][光属性魔法lv10][闇属性魔法lv10][時空属性魔法lv9][看破lv1][改竄lv1][隠密lv3][再生lv5][神聖属性魔法lv8][深淵属性魔法lv8]
武技
剣:
固有スキル
[無限の心臓][全知の理][時間凍結][絶対魔力圏][龍装顕現:風龍剣ヴィント][超越思考]
称号
[神域に辿りつきし者][深淵に辿りつきし者][龍殺し][下克上][無謀なる挑戦者][大物喰らい][反逆の使徒][ゴブリンキラー][ゴブリンスレイヤー][コボルトキラー][スライムキラー][スライムスレイヤー][プラントキラー][ロックキラー][メタルキラー][クラストキラー][アンデッドキラー][アンデッドスレイヤー][オーガキラー][竜殺し]
前回から変わったところがいくつかある。
[看破lv1]HyperRare
対象のステータスを見ることができる。
また、鑑定して表示されたものを一回だけ重複して鑑定できる。
また、非生物を鑑定した時の情報量が増える。
対象とのレベル差がかけ離れていると、ステータスの一部または全部が見えない。
[看破]は、[鑑定]の上位スキルだ。
[鑑定]から変わったところは、まず、二重で鑑定ができること。
つまり、鑑定している画面に表示されているスキルなどをもう一度鑑定できる、というわけだ。
そして、非生物に対する鑑定時の情報量が増えたということだ。
[改竄lv1] HyperRare
他人から見える自分のステータス画面の全てを書き換える。
ただし、実際の数値は変わらない。
ただし、改竄のスキルlvより相手の看破のスキルlvの方が高いと見破られる。
[改竄]は、[偽装]と[隠蔽]の上位スキルだ。
[偽装]では数値は実際の数値の下方にしか弄れなかったものが、[改竄]になると上方にまで書き換えられる。
もちろん、実際のステータスが変わるわけではないし、今から上方に改竄する必要はない。
また、[隠蔽]ではスキルや称号を隠すだけだったのが、[改竄]だと持っていないスキルを持っているかのように見せかけることができる。
これについてはかなり使える。
自分の持っているスキルを下位スキルへと書き換えることで、不自然に思われない程度に自分の実力を隠すことができる。
[上級剣術lv1]SuperRare
剣をうまく扱うことのできるスキル。
剣を扱う時、動きに補正。
[上級剣術]、これは説明する必要はないだろう。
[超越思考]
同時に複数のことを考えることができる。
同時に考えられる最大の数は、使用者が制御できる限り無制限。
また、使用者の思考回路同士をリンクさせて能力を上げることもできる。
ダンジョンマスターによる、報酬贈与によって昇華した[多重思考]である。
色々突っ込みたいところはあるが、さすがは固有スキルというべきか、破格の性能である。
これさえあれば、一気に大量の魔法を展開したりと色々戦略の幅が広がる。
名前 ハクヤ=アイザワ
年齢 8
種族 普人族
レベル 127
職業 魔法剣士lv37
職業履歴 見習い魔術師 見習い剣士 魔術師 剣士
適正 【光】【闇】【時空】【神聖】【深淵】
魔力 error
体力 14123
筋力 13024
俊敏 14973
精神 29812
気力 29812/29812
スキル
[上級剣術lv1][光属性魔法lv10][闇属性魔法lv10][時空属性魔法lv9][看破lv1][改竄lv1][隠密lv3][再生lv5][神聖属性魔法lv8][深淵属性魔法lv8]
武技
剣:
固有スキル
[無限の心臓][全知の理][時間凍結][絶対魔力圏][龍装顕現:風龍剣ヴィント][超越思考]
称号
[神域に辿りつきし者][深淵に辿りつきし者][龍殺し][下克上][無謀なる挑戦者][大物喰らい][反逆の使徒][ゴブリンキラー][ゴブリンスレイヤー][コボルトキラー][スライムキラー][スライムスレイヤー][プラントキラー][ロックキラー][メタルキラー][クラストキラー][アンデッドキラー][アンデッドスレイヤー][オーガキラー][竜殺し]