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深淵の神刻魔剣士(更新永久停止中)  作者: 易(カメレヲン)
第弐章 深淵と終焉と始まりと
19/86

019

僕は迷わずに『魔法剣士』を選択した。

魔法スキルも剣スキルも使える魅力的な職業。

出現条件は予想どおりであり、剣士と魔術師をマスターすることだった。


職業 魔法剣士lv0

職業履歴 見習い魔術師 見習い剣士 魔術師 剣士


魔法剣士lv0

魔法の威力が上昇(小)

剣の威力が上昇(小)

魔法系スキルの取得経験値が増加(微)

剣スキルの取得経験値が増加(微)

レベルアップ時の魔力上昇率が増加(微)

レベルアップ時の筋力上昇率が増加(微)

魔力回復速度が上昇(微)

詠唱短縮時の威力減少率が減少(微)



これだ、これが僕の求めていたものだ、そう思い、内心でガッツポーズする。

魔術師と剣士の複合職、魔法剣士、多分取るのは大変なのだろうが、そのぶん優秀な職業だ。

特に、スキルの取得経験値増加は嬉しい。

それ以外の要素は特に必要ないが、魔法剣士という名前だけでもこの職業に就く価値があると思う。

そして、今わかったことは職業レベルの合計は、メインのレベルと同じになるということだ。


15(見習い魔術師)+15(見習い剣士)+30(魔術師)+30(剣士)+0(魔法剣士)=90


あと、今までは最大レベルが15づつ上がっている。

魔法剣士の最大レベルは45なのだろうか、それとも、2倍づつで60なのだろうか。

どちらにせよ、今はこれで満足だ。


部屋を出ると、扉は勝手にしまった。

そして、扉が閉まると転職の部屋の中の明かりも消えるようだ。

本当に予算の無駄だと思う、と僕は最初と同じような感想を呈した。

扉が閉まりきると僕は鍵を外して、地下15階から上の階に向けて階段を登り始めた。


一階の受付で鍵を返し、次は何をするか考える。

現在時刻は15:51だ、午後6時まで時間はある程度残っている。

魔法剣士の性能を試す為に狩りに行きたい、というのもあるが、それは明日でもいい。

今日は、買い物をするのだ。


まず、僕が買いたいものは食料である。

今現在は食料は異空間内に十分にあるが、いずれ足りなくなる。

そして何より、いろいろな物が食べたい。


魔道具、僕には火属性魔法や水属性魔法が使えない。

なので水を確保する為に異空間に大量に水を収納しているが、これも無限ではない。

また、火属性魔法は加熱調理に必要である、僕は光属性の集光(レーザー)の出力を調節することで木に火をつけることで代用しているが。

そして、鍋など調理道具も必要である。


予備の剣、今「人前で」メインで使っている剣が壊れた時のための予備である。



僕が最初に向かったのは市場である。

理由は単純、そこで食料を買うためだ。

ついでに、何か良さそうな武器か魔道具があれば購入する予定だ。



「小麦を買ってくれる人はおらんかねー?」


「香辛料アルよ。買ってアルよ」


「新鮮な野菜だよー!買わなきゃ損だよー!」


市場は賑やかだ。

いろいろな出店がある。


「魔道具売ってる。あなたはきっと買ってくれる」


何故そこでクーデレ的セリフ?


「剣!剣が安いよー!」


鑑定してわかりました、安いけれど粗悪品でしょう?


「ニホンショクのらーめんとぱすたを食べて行きませんかー?」


ラーメンが日本食かどうかも怪しいとこだが、どう考えてもパスタは日本食じゃない。


「この壺は幸運の壺です。この壺さえあればあなたは一生不幸になることはないでしょう。そのお値段はなんと、金貨一枚、金貨一枚!たった金貨一枚で将来の幸運が約束されるなら、安いどころじゃない」


どうやらただのインチキ商法のようだ。鑑定したら「ただの壺」だった。


市場は賑やかだ、なんか変なのも結構いるが。

野菜、穀物や調味料などをある程度買った。

そして、いちばんの収穫は鍋が買えたことだ、土鍋が。

これが一個あるだけで自分で料理をする際に、焼く以外の調理方法が使える。


市場にはましな武器がなかったので、武器屋を目指そう。

G●o●●eマップはないが、僕には心強い味方がいる。

この街の武器屋はどこにある?


<冒険者ギルドの地下にギルドショップがあります。

それ以外には、街の西側に『聖剣のレプリカ』『ゲイボルグ』『使い捨て用武器量販店キンド』『漆黒の鎌』の四軒があります>


これは、、一部店名がふざけすぎている。

まず、ギルドショップはどうせ安物だけだし却下。

そして、西の三軒だが、『使い捨て用武器量販店キンド』は、予想だが多分転生者が創ったものだろう。

名前からしてパクリだし、そしていい武器を売っているとは思えない。

残った『聖剣のレプリカ』と『ゲイボルグ』と『漆黒の鎌』だが、『聖剣のレプリカ』はなんか胡散臭い、店名的に。

結局、名前がかっこいい『漆黒の鎌』にまず行ってみることにした。


『漆黒の鎌』は、街の西といっても中心に近い場所にあった。

その店は、店の外装まで真っ黒に塗ってある。

一瞬入るのをためらいそうになったが、店の扉を開けた。

外と同じく真っ黒に塗られた店の中には、多種多様な武器があった。


大鎌、小鎌、鎖鎌、鎖、糸、縄、鉄線、クナイ、手錠、ヌンチャク、釘バット、パイルバンカー、ハサミ、ハリセン、鉄扇、手裏剣、ブーメラン、パチンコ、鉄球、モーニングスター、フレイル、ノコギリ、ドリル、薙刀、矛、トンファー、十手、鉄布、仕込み傘、毒針、吹き矢、etc


でも、僕が探している剣はどこにもない。

仕方がないので、店員さんに聞いてみることにした。


「すみません、剣ってどこにありますか?」


「お客様、当店は冒険者ギルドのショップにない武器の専門店でして、メジャーな武器は扱っていないんですよー」


確かに、剣、槍、弓、盾などの普通にイメージする武器がどこにもない。

仕方がない、ここでは何か買って退散しよう。


「すみません、これとこれをください」


「はい、その二点で銀貨2枚になります」


買い物を済ませた僕は、真っ黒な店内からそそくさと退散した。



こうして、僕は武器屋『ゲイボルグ』前に来ていた。

そして、後ろには『聖剣のレプリカ』が店を構えている。

どうやら、この二店はライバルらしい。


店に入ると、不機嫌そうな中年ぐらいの人が店番をしていた。

店内をひとしきり見て回ったが店内にあるのはひたすら槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍、槍。

剣の面影などどこにもない。


「すみません、剣はどこにありま」


「おい、今剣って言ったな?」


質問しようとしたら、いきなり店番をしていた男が怒鳴って来た。


「はい、そうですが、」


「なら帰れ、この店は槍専門店だ。剣なんて甘っちょろいすぐ壊れるダメダメな武器を使っているやつはお断りだ。はい、行った行った」


こうして、僕は店から追い出された。

こうなったら仕方がない、向かい側の『聖剣のレプリカ』に行くことにした。


『聖剣のレプリカ』の店内には、剣、剣、剣、剣、剣、剣、、、、まるでさっきの店の剣版だ。

『聖剣のレプリカ』の店内に入ると、金髪のホスト風の店員がやって来て、ナルシスト風の口調でこう言った。


「キミはさっき『ゲイボルグ』から出て来た、そうだね?」


「はい、そうですが、」


「そうかそうか。なら帰ってもらおう」


「へっ」


「キミはこの店より先に『ゲイボルグ』を選んだ、つまり、キミはこの店を侮辱したんだ。この世界一美しい僕が働くこの店を。そんなキミは美しくない。だから帰ってもらおう」


「はあ」


だめだ、こいつが何を言っているのかわからない。


「そうかそうか、この僕の美しさに感慨を受けて何も言えなんだね。でも残念、キミは間違いを犯した。本当に残念だよ、キミは帰らなければならない。さあ、これ以上止まるようならキミは営業の邪魔だから衛兵を呼ぶよ、帰ってもらおうか」


こうして、僕はよくわからないまま追い出された。

でも、少なくともわかったことは、『ゲイボルグ』と『聖剣のレプリカ』はライバル関係にあるということだ。

こうして、僕は目指した店がことごとく外れ、『使い捨て用武器量販店キンド』に行くことになった、あまり期待はしていないが。


僕は『使い捨て用武器量販店キンド』に行った。

まず結論から言おう、買えたもんじゃなかった。


キンドは薄利多売の商売で成り立っている店だ。

つまり、安い武器を大量に売って儲けを出している。

キンドは全品大銅貨一枚で販売しているのである。

剣も、槍も、ガントレットも、盾も、槍も、杖も、斧も、槌も、全部同じ価格である。

普通、武器を買うには最低でも銀貨一枚は必要だと言われており、破格の安さである。

しかし、全部の武器が粗悪品であり、一日持ったらいい方だ。

中古品、失敗作、ダンジョン出土のハズレ武器、などなど。

安いは安いが、これでは買う気は起きやしない。


時間はもうそろそろ午後6時になろうとしていた。

今日こそは『赤コボルト亭』に泊まりたいので、遅れないように行こう、と思った。


『赤コボルト亭』についたのは、午後6時を少し過ぎた頃だった。

宿の前には行列ができていたので、それに並んだ。


「何名様ですか?」


「一人です」


「料金は払えますか?」


「はい、大丈夫です」


そう言って、銀貨を指に挟んでちらりと見せる。


「わかりましたー。部屋は二階の6号室です。どうぞごゆっくりおくつろぎください」


そう言って鍵を渡された。


部屋に入ると、部屋はそこまで広くはなかったが、ギルド地下の宿屋よりははるかに広かった。

机があり、ベッドが一個あり、収納スペースがあり、空いているスペースがある。

時計もあり、明かりの魔道具もあり、

そして、ベッドの上には布団がちゃんとあった。

宿に布団がないという不幸を経験している身からすると、布団があるだけで満足だ。

机の上には宿の説明が書かれた板があった。

夕食の時間は18:00から22:00、その間に一階の食堂に来ればいい、追加メニューは別料金。

体を洗うためのお湯はフロントに行けば貰えて、桶一杯まで無料、その後は一杯ごとに銅貨一枚。

朝食は5:00から9:00、それより前を希望する場合は夕食の時に言えばいい。

なかなか充実している、そう思い、一眠りしようと布団に飛び込んだ。


目が覚めて、時計を見ると21:47だった。

よかった、これなら夕食に間に合う、と胸をなでおろした。


一階の食堂はいい匂いであふれていた。

期待に少し胸を膨らませながら、僕は席に着いた。


夕食のメニューは柔らかいパン、トマトスープとオーク肉のステーキだった。

オーク肉は豚肉と同じような食感で、高級食材とまでは言わないまでも、そこそこの値段で取引される。

旅立ってから一番美味しいメニューだった。


部屋に戻って、また布団に飛び込む。

明日は満月だから、、そんなことを考えながら眠りについた。

名前 ハクヤ=アイザワ

年齢 7

種族 普人族

レベル 90

職業 魔法剣士lv0

職業履歴 見習い魔術師 見習い剣士 魔術師 剣士

適正 【光】【闇】【時空】【神聖】【深淵】

魔力 error

体力 11023

筋力 9810

俊敏 10853

精神 21344

気力 21344/21344

スキル

[剣術lv6][多重思考lv2][光属性魔法lv10][闇属性魔法lv10][時空属性魔法lv8][鑑定lv6][偽装lv6][隠蔽lv6][隠密lv2][再生lv3][神聖属性魔法lv5][深淵属性魔法lv5]

武技(アーツ)

剣:

固有(ユニーク)スキル

[無限の心臓(オーバーエナジー)][全知の理(アカシックレコード)][時間凍結(フローズンタイム)][絶対魔力圏(マギ・ドミネイション)][龍装顕現(ドラッヘ・コール):風龍剣ヴィント]

称号

[神域に辿りつきし者][深淵に辿りつきし者][龍殺し][下克上][無謀なる挑戦者][大物喰らい][反逆の使徒][ゴブリンキラー][ゴブリンスレイヤー]


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