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深淵の神刻魔剣士(更新永久停止中)  作者: 易(カメレヲン)
第弐章 深淵と終焉と始まりと
18/86

018

報酬の金貨一枚を受け取ると、地下一階を目指した。

ギルドの地下一階は今まで行ったことはなかった。

地下一階には、黒い扉があるだけだ、関係者以外立ち入り禁止と書かれた扉が。

扉の前で少し躊躇するも、扉を開けて中に入った。

そこは、酷い臭いで満ちていた。

とりあえず、自分の顔の周りだけ浄化をかけて匂いを消す。

その匂いの中、数人の男達がひたすら解体していた。

魔物の皮を滑るように剥ぎ取り、素材を性質ごとに分類し、魔石は大きさごとに分類し、と熟練どころではない腕前だ。

その中の一人が作業を中断し、こっちに向かってきた。


「なんだ、魔物素材の買取か?そんななりだけど、どんだけの獲物を狩ってきたんだ?」


「ゴブリンを千匹ほどです」


「そうか、ゴブリンが千匹か。じゃあ、そこに出してくれ」


どうやらそんなに驚かないらしい。


「はい、お願いします。そういえばあんまり驚かないんですね」


素材をひたすら出しながら答える。


「受付嬢だろ。下の階まで聞こえてたぞって言ってやれ」


「そうです。ヒールリーフを千本ほど採ってきた時に全く驚かなかったので、そのギャップに驚きましたね」


「ヒールリーフはお貴族様の上等手段だからな。貴族の子供は親の権力を使って採取依頼を達成してランクを上げるんだよ。あんたは自分で集めたみたいだがな」


「そうなんですか」


「そうだ。後、素材をたくさん持たせて子供を強いように見させるのも常套手段だ。それにしてもあんたたくさん狩ったなあ。ゴブリンだけでも数えるのが大変な、ちょっと待った。それはなんだ」


「ゴブリンキングです」


「もう一度言ってみろ。俺は今夢を見ているんじゃないかと思っているんだ」


「ゴブリンキングです」


「そうか、ゴブリンキングか、ってなんでB級討伐対象がここにいるんだよ!」


「ゴブリンを狩っていたら偶然出くわしたのでつい」


「つい、で狩れる魔物じゃねえよ!出くわしたら普通死ぬか逃げ帰ってくるよ!」


「まあ、気にしないでください」


「まあいいや。でも、素材としてはあまり使い道が少ないから、買取金額は安いよ?」


あっ、この人も諦めたような顔になった。


「構いません。それでお願いします」


「じゃあ数えるから、ちょっと待っていろ」


そういうや否や、彼はものすごいスピードでゴブリンをメインとした魔物を数え始めた。


結局、魔物の数は銅貨1枚のゴブリンが1392体、銅貨4枚のゴブリンアーチャーが71体、同じく銅貨4枚のフォレストワームが1体、銅貨5枚のゴブリンメイジ54体、銅貨5枚のゴブリンリーダーが14体、銅貨7枚のサイレントビーが1体、銀貨1枚のゴブリンキングが1体で、合計金貨2枚、銀貨1枚、大銅貨2枚、銅貨7枚だった。


解体の人は、ここではお金を払うことができないと言って、すぐにその概要を紙に書いてくれた。


「これを受付で出せば、支払ってくれるよ。まあ、また驚いて叫ぶだろうけどね」


そういうと、すぐにゴブリンキングの解体に移って行った。

目が輝いていた気がするが、これはきっと気のせいではないだろう。


一階の受付に戻って、受付で魔物の素材の買取金額の紙を見せると、またもや受付嬢さんは絶叫した。


「なんですか!これは、なんでB級討伐対象の名前があるんですか!そうだ、これはきっと夢よ。そう、私は夢を見ているのよ!」


この人はブレない、錯乱するところが。


「はっ、すみません。ちょっと驚いてしまいました。ええーっと、金貨2枚と銀貨1枚と大銅貨2枚と銅貨7枚ですね。これで全部あるか確認してください」


驚いた後も仕事をきちんとこなすところもブレないな、と思った。

そして、一気に懐が潤った、これは腕がある冒険者が採取依頼をしないのも頷ける。


依頼を受け終わったところで、今日この後何をしようか考える。

軍資金が十分にあるので、何か買いに行ってもいい。

食べ物でもいいし、魔道具でもいいし、予備の武器でもいい。

なぜなら、今の僕にはまともな剣がエドヴァルドからもらった剣しかないからだ。

いざとなった時は風龍剣ヴィントや魔力剣を使えばいいが、人前で使うのは危険すぎる。

武器屋にでも行って適当な片手剣を買うのも悪くない。

そう思っていた時、僕はステータスを見て気がついた。


僕はギルドに登録したのにまだ職業についていない。

僕は職業についていない、その理由は転職できる場所がなかったからだ。

アカレコ先生によると、転職できる場所は大きく分けて四種類あるらしい。

まず、冒険者ギルドで戦闘系職業、剣士、魔術師などに。

そして、教会でその他ほとんどの職業と神聖系の職業、鍛冶屋、商人、神官などに。

そして、特定の場所で特定の職業に就くことができる。

例えばギルド本部で受付嬢やギルドマスターに。

最後の一つは魔道具「解放の石盤」で固有(ユニーク)職に。


僕は戦闘系職業を取りたい。

固有ユニーク職は魅力的だが、解放の石盤はごく稀にダンジョン内で発見され、発見者以外は使うことができない。

そのため、僕は冒険者ギルドで転職しようと考えているのだ。


「すみません、転職をしたいんですけれど、どうすればいいですか?」


受付嬢さんに聞く。


「転職の部屋を使う場合は銀貨一枚が必要です」


銀貨を渡すと、黒色の鍵を渡された。

黒光りするそれはずっしりと重たかった。


「地下十五階に行ってください。転職の部屋があります。もし室内で破壊行為をした場合は、弁償をしてもらいます。最悪ギルドからの除名もあり得ますので、注意してください」


「わかりました。ありがとうございます」


こうして僕は内心スキップしながら地下十五階へ向かった。


地下十五階には、扉が一つだけあった。

やけに頑丈そうな扉である。

その中心にある物々しい鍵穴に鍵を差し込む、するとカチリ、という音がした。

鍵を回す必要がないのか?そう思って扉を押すと、重い扉はゆっくりと開いた。

扉が全開になると、部屋がいきなり明るくなった。

どうやら部屋自体が魔道具らしく、部屋の全体に魔術式のようなものの存在を感じる。

部屋の全てが透明な水晶と様々な色に輝く魔石だけで作られていて、地下にあるとは思えないほど綺麗だった。

一体どれほどのコストをかけたのだろう、想像したくもない。

そして、この部屋は周囲の地中のマナを集めて動く自立型魔道具のようだ。

本当にこれは何なんだろうか、こんなに豪華な設備が転職のためだけにあるなんて信じられないほどだ。

そして、部屋の中心には一つの巨大な水晶玉があった。


僕はその水晶玉に近寄り、手を乗せる。

その瞬間、脳内に転職可能な職業の一覧が、ステータス画面を表示するのと同じように流れ込んできた。


転職可能職業

『見習い剣士』『見習い魔術師』


どちらも、見習い系の下位職業である。

どっちでもいいが、とりあえず『見習い魔術師』を選択してみる。

確認画面が現れた、とりあえずオーケーする。

すると、ステータス画面が表示される。


名前 ハクヤ=アイザワ

年齢 7

種族 普人族

レベル 90

職業 見習い魔術師lv15(max)

職業履歴

適正 【光】【闇】【時空】【神聖】【深淵】

魔力 error

体力 11023

筋力 9651

俊敏 10853

精神 21344

気力 21344/21344

スキル

[剣術lv6][多重思考lv2][光属性魔法lv10][闇属性魔法lv10][時空属性魔法lv8][鑑定lv6][偽装lv6][隠蔽lv6][隠密lv2][再生lv3][神聖属性魔法lv5][深淵属性魔法lv5]

固有(ユニーク)スキル

[無限の心臓(オーバーエナジー)][全知の理(アカシックレコード)][時間凍結(フローズンタイム)][絶対魔力圏(マギ・ドミネイション)][龍装顕現(ドラッヘ・コール):風龍剣ヴィント]

称号

[神域に辿りつきし者][深淵に辿りつきし者][龍殺し][下克上][無謀なる挑戦者][大物喰らい][反逆の使徒][ゴブリンキラー][ゴブリンスレイヤー]


これは、、最初から職業レベルがmaxになっている。

もしかして、余剰経験値が入ってたとかかな?

とりあえず職業の欄に注目して詳細を見てみる。


見習い魔術師lv15 転職可能

魔法の威力が上昇(微)

魔法系スキルの取得経験値が増加(微)

レベルアップ時の魔力上昇率が増加(微)


そこまで恩恵は大きくはないようだ。

魔法の威力は単純に込める魔力を増やせばいい。

そして、魔力は増えすぎて困るほどだ、実際に困っているわけではないが。

けれど、スキルに溜まる経験値が増加するのはありがたい。


転職可能、となっているのでもう一回転職することにする。


転職可能職業

『見習い剣士』『魔術師』


『見習い剣士』を選択する。


職業 見習い剣士lv15(max)

職業履歴 見習い魔術師


余剰経験値は未だ健在らしい。


見習い剣士lv15 転職可能

剣の威力が上昇(微)

剣スキルの取得経験値が増加(微)

レベルアップ時の筋力上昇率が増加(微)


こっちは、剣だけで戦うときには有用だ。

僕の魔法はあまり人目につくところで使いたくないので、使い勝手がいい。

けれど、転職だ。


転職可能職業

『剣士』『魔術師』


思った通り、剣士も「見習い」が取れて現れた。

次は『魔術師』を選択する。


職業 魔術師lv30(max)

職業履歴 見習い魔術師 見習い剣士


これは何回転職すればいいのだろうか、またレベルマックスになってしまっている。


魔術師lv30 転職可能

魔法の威力が上昇(小)

魔法系スキルの取得経験値が増加(微)

レベルアップ時の魔力上昇率が増加(微)

魔力回復速度が上昇(微)

詠唱短縮時の威力減少率が減少(微)


今回はほとんど意味のない上方修整だ。

魔力回復速度、何それおいしいの?

詠唱、そんなもん必要なし。

とりあえず、本日3度目の転職をすることにする。


転職可能職業

『剣士』『魔導師』『光属性魔術師』『闇属性魔術師』


次はとっくに決めてある、剣士だ。

魔導師も少し惹かれるが、それを選ぶ必要がどこにある?


職業 剣士lv30(max)

職業履歴 見習い魔術師 見習い剣士 魔術師


剣士lv30 転職可能

剣の威力が上昇(小)

剣スキルの取得経験値が増加(微)

レベルアップ時の筋力上昇率が増加(微)

剣の武技(アーツ)が使用可能になる


今回も転職可能になっている。

そして、武技(アーツ)とかいう新しい要素が出てきた。

これについては要検証である。

そして、ステータス画面には、武技(アーツ)とかいう新しい項目が追加されていた。


せっかくこの部屋にいるのだから、もう一回転職することにする。

僕の予想が正しければ、おそらく、あの職業があるはずだ。


転職可能職業

『剣豪』『魔導師』『光属性魔術師』『闇属性魔術師』『魔法剣士』『魔剣使い』

名前 ハクヤ=アイザワ

年齢 7

種族 普人族

レベル 90

職業 剣士lv30(max)

職業履歴 見習い魔術師 見習い剣士 魔術師

適正 【光】【闇】【時空】【神聖】【深淵】

魔力 error

体力 11023

筋力 9810

俊敏 10853

精神 21344

気力 21344/21344

スキル

[剣術lv6][多重思考lv2][光属性魔法lv10][闇属性魔法lv10][時空属性魔法lv8][鑑定lv6][偽装lv6][隠蔽lv6][隠密lv2][再生lv3][神聖属性魔法lv5][深淵属性魔法lv5]

武技(アーツ)

剣:

固有(ユニーク)スキル

[無限の心臓(オーバーエナジー)][全知の理(アカシックレコード)][時間凍結(フローズンタイム)][絶対魔力圏(マギ・ドミネイション)][龍装顕現(ドラッヘ・コール):風龍剣ヴィント]

称号

[神域に辿りつきし者][深淵に辿りつきし者][龍殺し][下克上][無謀なる挑戦者][大物喰らい][反逆の使徒][ゴブリンキラー][ゴブリンスレイヤー]


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