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「パタパタの柊哉?」
僕の前で首をかしげ、聞いてくる。
「それ以外、誰にいるんだ、ラナ。」
「柊哉〜。」
ラナは僕の横から抱きついてきた。
みんなの視線は僕に痛いほど刺さる。
「柊哉さんですか⁈ここにいたんですね!今日から“ここでも”よろしくお願いします。」
転校生の男子は僕にお辞儀した。
僕はラナに抱きつかれたまま、顔だけ転校生の男子の方へ向ける。
「頭をあげろ、庵。そして2人とも、自己紹介をしてこい!」
僕はあきれながら庵に言う。
そして、重要だから叫んで言う。
「「あっ。」」
2人は忘れていたらしい。
朝の心のざわめきはこういうことか…。
2人は自己紹介をして、僕の隣にラナ、僕の後ろに庵が座った。
しかし、どうしてこの2人が…?