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21××年2月。
地球温暖化が進み、冬は大阪府でも普通に雪が降っている。
僕、雨水 柊哉には苦痛で仕方ない。
なぜなら、寒いのが苦手だし、第一、外で本が読めない。
だから、冬は嫌いだ。
僕は少しイライラしながら、自分の席に向かった。
僕が席に荷物を置いて用意していると前の席に座っている、霧長 祐樹がこちらをニコニコしながら見ていた。
彼は僕の友達と言うか、腐れ縁すぎる幼馴染だ。
「おはよう。朝から何、ニコニコしてるんだ?」
「おはよう、柊哉。今日はね〜、転校生が来るんだって〜。楽しみじゃな〜い?」
なるほど。
だからこいつはニコニコしているのか。
よく周りを見ると、いつも以上に騒がしい。
楽しみか…
「…そうだな。」
「えっ⁈どうしたんだ?熱出たか?」
「はぁ⁈本以外に興味がないとでもおもっていたのか?」
「いやいや〜、久しぶりだね、こんなに柊哉が笑顔になるほど興味があるなんて。」
僕はビックリした。
いつも、ほとんど笑わない僕が、無意識に微笑んでいた。
何か、ある感じがして、僕の心はざわついていた。
きっと、それが原因だろう。
なんなんだろうか…。