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彼が最強と呼ばれる所以!!  作者: 犬ちゃん
第一章 森の民達
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エルフの里を散策

androidのような小さなネット介する媒体で書くと、なんか文がいきなり変な方向へと話題転換したりして、中々に四苦八苦しています。

本文は二日で書き終わるのですが、その後の手直しに更に時間をかけます。

パソコンで書きたいけど家族が使用していて使えませんぜ!!


高級住宅街は、雰囲気ががらりと変わった。


まず目に付いたのは建物の大きさである。

先程までも随分と大きいと思っていたが、やはりそれよりも随分と大きかった。

一般的な住宅街は平面的に広く平屋が多かったけれども、ここでは家屋は二階建てが基本になっており、それに加えて平面的な面積も劣らない凄く大きい家である。

しかも、壁や壁面には窓が着いていた。

ちゃんと、穴が空いていて木の蓋で開け閉めするようなものではない。

少しだけ濁っているが、十分な程透明なガラスの窓があった。


しかし、ある程度普及しているらしいのだが、高級住宅街にしかないのを見るとまだ世間一般の方々には手が出せない値段らしい。


そして次に目がいったのは道路である。


一般的な職業に就いているエルフの住宅街と、このエルフの里にとって重要な役職についているらしきエルフの住宅街ではやはり所得やその他のものが多いのだろうか。

まずは、『道』が違う。

市場や先ほど通った住宅街では、踏み鳴らされて出来た道路と言う感じでそこまで整備されてはいないが、この高級住宅街は石畳で整備されている。


アルジェントヴォルフはこの石畳は初めてなのだろうか。

思いの外、浮き足立っているように感じる。

しかし、裸足で土や石畳を歩いていて平気なのだろうか、という素朴な疑問が浮かんできた。

一見は普通の少女のような外見であり、肌は柔らかそうであり、いとも簡単に傷つきやすそうに感じる。

しかし、足が傷ついている様子も本人が痛がっている様子は見受けられない。


「アルジェントヴォルフって、足とか痛くないのか?」


と、聞いてみた。


「ふむ。我は気が付いた時から履物などせんでな。そもそも、歩いておるだけで傷ができるほどやわな体などしておらんわ」


と、少しだけ頬を膨らませて答えた。

馬鹿にされていると勘違いしたのだろうか。

しかし、僕は決して彼女を軽んじてはなく、心配しての一言なのだが違う意味で捉えられてしまって少しだけ残念な気持ちになる。


「しかし、先程までとは雰囲気がガラッと変わるの。これも階級による格差というものかの」


「さぁ――、どうなんだろうな。階級による格差って言っていても、ここは『高級住宅街』であって金を払えてエルフならば入ることができるんじゃないか?生活的や資金的に裕福ならば入れそうだしな。」


「ここの場合はそうだね。お金を積めば階級がどうであれここで暮らすことは可能だ。だけど、彼女が言っていることはあながち間違ってもいないんだな。階級による格差は年々問題化しているからね。昔から生きている私ぐらいの人物ならば階級なんて気にしないんだけど、その方々の子孫に当たる方々が中々に傲慢でね」


すると、いきなり話に入ってきたヒューゼさん。

ヒューゼさんが会話に介入してきたことによりまた、アルジェントヴォルフは口を噤んでしまったが、僕は場の空気を気まずくさせないために会話を続ける。


「傲慢というと‥‥‥?」


するとまるで恥ずかしげに告げた。


「最初に君達に暴言を吐いた青年が居ただろ?」


「チッ」


となりで舌打ちをしたアルジェントヴォルフの声を聞き逃しはしなかった。

彼女の方向を向いてみると、どうやら罵詈雑言を言い合っていたときのことでも思い出しているのか、ブツブツと嫌味なことを言っていた。


だが、その罵詈雑言をヒートアップさせたのは他ならぬアルジェントヴォルフであるということを完璧に忘却しているのだろうか?


だが、やはりアルジェントヴォルフが挑発していたせいでヒートアップしたが、口が悪いという印象は否めない。


「あぁ、あの口の悪い」


率直な印象を言ってしまった。


「まぁ、そう言わないでおくれよ」


そう言って苦笑する。

しまったと思った。

ヒューゼさんと行動しているのならば、ヒューゼさんの部下である可能性が非常に高いのだ。

部下というのは少なくとも仲間であり、それを貶すことは許されたものではない。

僕は個人的経験を元にそう思っている。


印象を悪くしてしまったかもしれない。


しかし、その後の反応は予想外であった。


「まぁ、彼が口が悪いというのは真実だし、それに加えて何もできなくて態度が異様にでかいんだよね。任期があの子より長い人でも自分より地位の低い人だったならば、酷い態度で接しているんだ。全く。」


深い溜息で一息ついて


「まぁ、お偉いさんの息子だからね。文句を言ったら私が首を切られかねないからね」


口角を頑張ってあげたのだろうが目が笑っていなかった。

その後、深く溜息をつくヒューゼさん。

どうやら、思いの外僕が言った印象は的を得ているらしい。


だが、なんとなく気持ちが分かる気がする。

先程言ったお偉いさんの息子という立場を利用して入社する会社員と似ている気がする。


つまりは『コネ』なのだろう。


コネで入った社員って二極端に別れやすい。

コネで紹介してくれた人の面に泥を塗るような行為はしないと誓い、真面目に仕事をし何事にも前向きな姿勢で頑張る社員。

比較的に扱いやすくて、少々のサビ残ならば文句を言わない。


好印象を様々な人に与えるタイプだ。


しかし、これに対するのは最悪である。

大体は偉い役職からの息子さんであるのだが、何もできずに二言目にはいつも愚痴ばかり。

その癖に、態度だけは一人前で、平社員を見下す傾向にある。


それに加えて、こういうコネの社員は良い方を引く確実が異様に低いのだ。

その原因は、親が甘やかし過ぎ、又は仕事は出来るけれども家族に孝行出来ていないのがほとんどだからである。

大体は前者が多い。


「この間なんて私の命令を無視したり、女癖が悪くて隊の中の女の子に徹底的にアプローチを掛けているらしいし、っていけないいけない。さっきアオイ殿に注意したのに私が人のことを言えなくなってしまうじゃないか」


どうやら、相当な困り者であるらしいきとは明らかであった。


そして、部下を統率しきれないことに相当なストレスを感じていることもどことなく話している最中の雰囲気で察することができた。


しかし、とある歌詞を拝借するならば、言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、みたいなものだろう。

確かに、誰彼構わずに他人の愚痴を吐くのは愚かなことだが、だからと言って年中溜め込んでしまえば、ストレスが溜まってしまうのも確かなことだ。


まぁ、僕も偉そうに言っているが溜め込んでいたことには変わりない。

人に愚痴を言うことは何処か弱みを見せるようで恥ずかしいのだ。

自分の弱さを晒すのは、大人になってからは相当な勇気が必要になる。


その勇気がない僕は一歩踏み込むことに躊躇って何も話せずにいた臆病者である。

故に、ヒューゼさんのことを言うのは的外れもいいとこなのだろうけど。


そうこうしているうちに、どうやらヒューゼさんの邸宅に到着したらしい。


見上げる程の大きな正門らしき門が開いて――、


僕はヒューゼさんの邸宅の大きさに唖然とする。

立派な門構えを潜ると、見上げる程の大きな建物であったのは予想が出来たが、驚いた部分はそこではない。


歴史の資料で良く見るような瓦屋根。

白を基調といた壁面に、庭に接している縁側がちらりと見える。

玄関は、一般的な住宅街やここらの住宅街に見かけた洋風の普及した玄関ではなく、生前の世界でもまず京都などの歴史或る家屋が残る街にしかない和式玄関である。

その他にも前の世界で見たことの西洋の装飾も施されており、しっちゃかめっちゃかであるがその大半は日本の――


そう、『和風』の屋敷であったからだ。


ーーーーーー


「さぁ、入っておくれ」


玄関だけ洋風なドアを潜り抜け、催促をするヒューゼさん。

余程この家屋を気に入っているのだろうことだけは雰囲気で察することが出来た。

とりあえず、僕とアルジェントヴォルフは家屋の中に入った。


「あ、靴は脱いでおくれよ。あとそっちは足の汚れを拭ってね」


やはり、日本を含むアジアにお馴染みの家内では靴を脱ぐという感じまであるらしい。

もしかしたら、この世界の常識なのかもしれないのだが、いちいち忠告してくると言うことはたぶんそういうことなのだろう。


僕は、一回外に出て、『マアースクルプ』で固定していた土の靴を脱ぎ魔法の効果を切らして土に還した。

なんという、エコロジーな靴なのだろうか。

まぁ、欠点を言ってしまえば『マアースクルプ』はどうやら意識をしていないと土が崩れてしまう。

なぜならば、効果の対象としている土はただの土であり、魔力を保存し続ける土(この世の中にはそういう土があるらしい)がない。

一度通った魔力はその場で一定時間滞在し、その後は空気に溶け込んで魔力粒子に戻るらしい。

故に、魔法を使用し続け土に魔力を通し続けなければ、当然のごとく土は『唯の土』に戻り自然の理に導かれて崩れる。


まぁ、『マアースクルプ』自体は、そこまで魔力を消費しない魔法なのだが、だからと言って塵も積もれば山となるように、使い続ければ当然、それなりの魔力を消費する。

『魔法陣収集歴』には、『平均的な人間が一時間使用し続ければ、軽度の『魔力欠乏症』を発症する』と描かれているのを僕は記憶していた。

だが、僕の場合は既に一日以上使用し続けているのに、『魔力欠乏症』の症状が一切出ていない。

どれだけの魔力を保有しているのかと、自分でも驚くぐらいだ。


まぁ、エコロジーだが燃費が悪いなんとも矛盾している術である。


とりあえず、裸足になりそして、また玄関をくぐると、ヒューゼさんが立っており、その足元にはアルジェントヴォルフが正座のような格好をしながらタオルのようなもので足を拭いているのが見えた。

なぜ正座なのだろうと思ったのだが、そういえばフードの下は裸だと言うことを思い出し、それ以上は考えないようにした。


一分少々でアルジェントヴォルフは足を拭き終わったようなので、そのタオルのようなものを僕に渡した。


「早く拭け」


と言ってきた。

どうやら僕が足を汚れを払拭するまで待ってくれるようだ。


受け取ったタオルのようなもので足を拭く。

水で濡らしており、触り心地はタオルそのものと変わりはしない。


土の汚れが見当たらなくなったところで僕も家の中にあがることにした。


玄関から先は、廊下になっており昔懐かしの構造になっている。

何処か『○○○さん』を思い出す家屋であった。

昔、母さんの親戚が田舎でこんな家に住んでいた、という昔懐かしの記憶が甦ってくる。

歩く度にギシギシとなるこの廊下を歩くのは久しいかもしれない。


すると、突き当たりになんの装飾も無い木の扉があった。


そこを開けると、先ほどの和風な感じの世界観とまったく正反対な洋風のリビングルームが広がっていた。

中に入ると使用人らしき『人間の女性』が実用的なメイド服を着て、部屋の隅で待機していた。

首には、先ほど見た奴隷のように首に首輪を装着されている。


フード越しからメイドと視線があったが、僕は視線をずらす。

特に深い理由は無く、ただ、気まずかっただけである。


中央にはテーブルが配置されており、そこには僕たちが来ることを予想していたかのように、一つだけ座高の低い椅子と、普通の椅子の二つが用意されていた。

テーブルの上には、まだ湯気が立っている紅茶が三つあった。

紅茶を入れているカップには美しい彩色が施されており一目見ただけで高そうなのは分かった。

待機しているメイドさんが用意してくれたのだろうか。


「さ、どうぞ座ってくれ」


僕は言われるがままに座った。

しかし、一向にアルジェントヴォルフは座る気配が無い。


「そ、そのまえに」


珍しくアルジェントヴォルフが自ら声を上げた。



「そ、その着替えとかあるか‥‥‥のぅ?」



と、唇を噛み締めながら頬を赤らめながら尋ねた。


あぁ、そういうことか。

羞恥心がプライドを上回ったか。


というか、良く先程まで取り乱さなかったな、なんて心の内で賞賛する。

その原因を作ったのは僕の方なのだが、先程にお許しを頂けたので気にしない気にしない。


「あぁ、ちゃんと着替えは用意させているよ」


どうやらヒューゼさんは予め着替えの用意をしてくれていたらしい。

しかし、何故用意してくれていたのにここについた時点で着替えを渡さなかったのだろうか。


‥‥‥深くは考えないようにしよう。


そして、先程までじっとしていたメイドさんが動きアルジェントヴォルフの方へと近づく。


「お着替えはこちらに御座います。お嬢様」


そのまま、アルジェントヴォルフを先導し歩いていった。

無論そのままアルジェントヴォルフもそのメイドさんの後に無言で後に着いていく。


しかし、扉を閉める寸前に捨てゼリフのように、


「覗いたら喰い殺すぞ」


と、その鋭い目の残像を残したまま扉はパタンとしまった。




まだまだゆっくりと連載していくつもりなので、日常パートが続きます。



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