トンビが鷹を産み、しかし鷹はトンビの夢を濡らす
皆さんにもこんな頃があったのではなかろうか・・・。
もしくは今、または今夏こういった経験をされる人もいるだろう。
1994年夏、昨春に入学した中学校生活にも慣れ、
部活動はバスケ部に所属し、女子バスケ部に所属する彼女(人生初)もでき、
まさに充実した毎日が送られている頃であった。
オマセさんな私は友人と画策し地域の夏祭りへ互いの彼女を連れ出して、
「初キッス」を成就させようとしていた。
それまでに重ねたデートの回数・一緒の下校・友人に対するライバル心とプライド、
全てが私を後押ししてくれていた。
誘い出しは完璧、彼女も最初から一緒に行きたかったらしく、計画はトントン拍子。
彼女同士も口裏を合わせているらしく、浴衣デートを持ちかけてくる始末。
「もう、もらったも同然。」
こう考えてしまう思春期真っ盛りの私であったことは言うまでもあるまい。
当日
なけなしの小遣いで買った浴衣(サティ製)を身にまとい、髪の毛はジェル(ウーノ)で固め、
全てのスキルを出し尽くして、夏祭りへ参加した。
鮫釣りでおもちゃをゲットしたり、たこ焼きを食べたり、
露店裏でたわいもない会話をしたり、
別の友人に出会って茶化されたり・・・。
すべてがうわのそらで時間だけが過ぎていった。
「そろそろ、いくか?!おれ、送ってくわー。」
そう言って、口裏を合わせてあった別々の帰路に着くよう促す。
にぎやかだったお祭り会場を抜け、自転車に乗って彼女の自宅方面へ。
時間はまだ21時前で、少し話しでもしようと、近所の駐車場に自転車を止めた。
辺りは真っ暗で街灯は殆どない。
艶やかだったピンクの浴衣の彼女も黒く見える程だ。
私は生ツバを何回のんだだろう、
緊張した様子は誰の目にも明らかであったに違いない。
「手・・・つなごう?」
と言って、彼女の細い手を握った。
暑い夏の夜だ・・・。
彼女の手も若干汗ばんで暖かい。
否、この汗は私のものだ。
緊張の余り、もう訳も判らない。
異常なこの汗はなんだ????
「ぁあ!!! おまっ・・・おまえっ!!」
そこで私が我に返って、目を覚ます。
ベッドが濡れている。
我が長男(2歳)が私のワキで眠ったまま、まさかの「おねしょ」。
どーりで、生暖かいわけだw
オムツはずしは計画的に。
すいません;;
ただの夢オチ話です。