第38話-眠たい帰宅-
「お疲れさまでしたぁ!!」
3日間の合宿が終わり、誰もが疲れきってバスに乗り込んだ。
なんか、いろんなことがあったなぁ。
信士は席に座った途端、眠りについた。
……………………………………………………「……士、信…信士!!」
バシッ!!
「……いったぁ!」
「信士、着いたよ~~」
目を開けると、そこには詩織の姿があった。
「う、うんー」
叩かれた頭をさすりながら信士は、やっと学校に着いたことを確認した。
「ほら、浩太も」
バシィッ!!
(うっわ~、痛そう)
「いってぇ、なにすんだよ!!」
「ぐっすり寝てるからでしょ、起こしてあげたんだから感謝する!ほら、行くよ」
「く、くぅぅ~」
信士と浩太は痛む頭をさすりながら、バスを降りた。
「陸上部集合!!」
「合宿3日間お疲れさん、夏休みの後3日部活ないから休み明けのテストに備えて勉強しておくように」
「解散!!」
「「あ、あの先生」」
九条先生に話しかけたとき、誰かと声がかぶった。
「あ」
市原 哲だ。
「先、いいよ」
「あ、うん、ありがとう」
「先生、駅伝に出させて下さい!」
「駅伝?」
「駅伝か、て言ってもなぁ、駅伝は6人でするもんなんだよ長距離で出るんじゃ1人足らないだろ」
確かに。
そこまで考えずに言ってしまった。
どうしようかと考えていると、
「じゃあ、オレ、走りましょうか?」
隣の市原が言った。
「オレなら、400ですし、まぁ体力はみんなに劣るかもしれませんが、他が下手に走るよりはいいと思います」
「そうか、お前がいいならありがたい」
「ありがとう、市原君」
「なんか、信士に『市原君』って言われんのって気持ち悪いな」
「哲でいいよ、哲で前はそう言われてたし」
「うん」
「そういえば、市原もなんか、用があったんじゃないのか?」
「あぁ、オレは別にいいんです、大した用じゃなかったんで」
「そうか」
「それじゃ、お前らも帰れ、お疲れ~」
そうして、眠たい目をこすりながら、待ってくれていた、浩太と一緒に帰った。
「にしても、詩織のやつ、強く叩きすぎだよな~」
「うん……」