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第32話-名将沢村-



「なんか、山登りってまさに合宿だよな」


競技場の隣にある山を登りながら、浩太が言う。


……そうかなぁ?


まぁ、「とりあえず」山を登り続けるぼく達。


「にしても、あっち~」


真夏の暑さもぼく達の敵だった。




「沢村先生、こんな平凡なとこと一緒に練習していただきありがとうございます」


「いえいえ、とんでもないです」


沢村先生は定年が近い、60過ぎの人。


名将と言われ、今まで見てきた中学では、いづれも結果を残してきた。


「ところで、伊達君というのは、どの子ですかね?」


「だ、伊達ですか?伊達は今、長距離であの山を登ってます」


「伊達をご存知なんですか?」


「いえ、水時が多少気にしているようだったので」


(水時が……?)


「まぁ、楽しみにしてますよ」


そう言い残し、沢村先生は歩いていってしまった。


にしても、


やはり、凄い人数だ。


軽く50人はいるだろうか?

この人数をまとめるのは、半端なことではない。


九条は改めて、沢村と水時の力を思い知らされた。




「水時、長距離は山登りに行ってこい」


「山ですか、はい」


「行くぞ」


「はい!!」


長距離のメンバーがついていく。


「なんか今日、水時さん気合い入ってない?」


後ろのメンバーがコソコソ喋っている。


「あぁ、駅伝が近いからじゃないか?」

・・

「あの事か……」


「おい!私語すんな!!」


「は、はい」


『ちっ』


水時は心の中で舌打ちをした。


負けない。


誰にも。もう、絶対に―。


心に決めた言葉をもう一度、自分に呟いた。



「伊達、か…」


「山でのはちあわせ、果たしてどうなるかな…?」


沢村が薄い笑みを浮かべ、呟いた。



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