第24話-Crow-
「先輩、今日こそは一緒に帰ってくれるんですよね?」
帰り、夕子に呼び止められた。
「…分かってる」
「信士~帰ろうぜ~」
浩太と詩織がいつものように来た。
「ごめん、今日ちょっと用事あるんだ」
「そっか…分かった、じゃあな~」
(………)
「先輩、行きましょっ♪」
「あぁ」
「………」
帰り道、夕子は楽しそうにずっと喋っている。
この笑顔を見ていると、彼女だったというのも本当だったんじゃないかと思えてくる。
「‥‥で~♪」
「あ、んじゃ家こっちだから」
「はい、じゃあまた明日♪」
「おう」
「………」
信士はドアに手をかけた。
が、突然振り向き、
「…バレてるよ」
「あ、やっぱり?」
ものの陰から、詩織と浩太が出てきた。
「や、詩織がさ~信士の様子がなんかおかしいって言ってたもんだから」
「付いてきちゃった」
「なるほど…」
信士は思い切って聞いてみることにした。
「ぼくにさ、彼女っていた?」
「どうゆう意味?」
「いや、だからさ…」
信士は今までのことを話した。
「…へぇ、そんな事があったの」
「んで、どっちなの?」
「信士にはね…」
詩織が言いかけた瞬間、
「ガチャッ」
ドアが開き、久美子が出てきた。
「あっ、信士早く入んなさい」
信士を引っ張る、久美子。
「え、あっ、ちょっ、ごめんっ!また、今度!!」
詩織と浩太は呆然と見送った。
「すいませーん、今帰りました」
母さんが、話した相手は永井さんだった。
「ど、どーも」
「早速だけど信士君、ブラックバード…いや、『Crow』について新しい情報が入った」
(……Crow?)
「新しい情報によると、Crowは学生が集ってできた組織らしい」
「が、学生!?」
「あぁ、これから先、何があってもおかしくない」
「そこで、君を預かりに来た」
「何言ってんですか…?」
「安全の為だ」
「…嫌です!!」
(………!)
「君は、奴らに命を狙われるかもしれない……」