表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/82

第22話-スタート-



ドキッ


心の中がうずく。


あれが本当のことなら、ぼくは夕子にとても悪いことをしてしまった。


ふと、時計を見てみる。

午前3時、なぜか眠れなくてしょうがなかった。




「今日から、再び部活に伊達が参加することになった、しかし、前にも言ったように記憶がないからそこら辺は気ぃ使ってやれよ」


九条先生が部員を集め、言った。


「よろしくお願いします」


続けて、ぼくも頭を下げた。


「あと、伊達は長距離として、加わることになったから、そこんとこよろしく」


「じゃあ、後は市原、いつものように頼む」


「はい、よしジョックいくぞ!」


「はい!!」


「ほら、いくぞ」


信士のもとに、詩織と浩太が来てくれた。


「うん」



「次、ブロック!!」


(?)


「信士、こっちだ」


浩太が呼んでくれた。


「先生~信士連れてっていいっすよね?」


「ああっちょっと待て」


九条先生も来た。


「今日の練習は外周だ、伊達はついてけるとこまでついてってみろ」


「はい」


「よーい、スタート」


浩太の合図と共に、長距離5人は一斉にスタートした―。


「ハァ…ハァ…」


5周目を過ぎ、信士の呼吸が乱れてきた。


それに比べ、他の4人には疲れている気配がない。


そんな状態に気づいたのか、


「大丈夫か?」


と、浩太は心配してくれている。


ぼくは、声が出せず頷くのが精一杯だった。


「信士、少し上げるぞ」


7周目に入ったところで浩太はスピードを上げた。


「ハァ、ハァ、ハァ」


わき腹は痛み、喉が切れそうなほど、呼吸は苦しい。


「OK終わり」


10周を走り終え、信士は地面にへたり込んだ。


「大丈夫か~、信士?」


浩太はまだ余裕があるようだ。


「先生、終わりました~」


「そうか、お疲れさん、信士はついてこれたのか?」


「はい、今ここで死んでますけど」


それほど、信士にはきつかった。


「…分かった、お前らはクールダウン行ってこい」


「伊達はあと、休んどけ」


「はい…」


でも、5分後


「回復しました」


「いや、まだ休んどけって」


「大丈夫です」


しかし、信士の顔つきは、完全に回復していた。


(‥‥‥)


「お前んちに水着あるか?」


「え?あぁ、あったと思いますけど…」


「じゃあ、明日から泳げ」


「は?」


「だから、明日からお前の練習は水泳だ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ