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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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詩集:女性シンガーの3

詠みびと知らず

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/08/23

 どこの会社?

 天命まで待ち(ぼう)けの人事部長が

 あたしに何を尽くしてくれたかで

 今後の身の振りかたが決まるというのに

 一向に要領を得ない給与明細こそが

 誰よりも雄弁に語るのです


 御局(おつぼね)たちの舌打ちの回数は

 査定に響かないと(いえど)

 高卒新人の心を(くじ)くには あまりにも充分過ぎた


 首を()る前にと したためた一文へ

 腑抜けとの責めがあろうとも甘んじて受けましょう

 腹を()く前にと 吐き出した辞世(じせい)の句

 きみの目に触れる朝には()みびと知らず



 密命をあけっぴろげの情報開示

 奴らに全部リイクしてやったのに

 帳簿の記載事項は変わるわけもなし

 ご都合に融通の効いた無病息災だけど

 誰よりも優秀と()め千切るよ


 堅物(かたぶつ)どものお手つきが度を越して

 (おもむき) ()がれなくばいいけど

 大型新人は背中で育つとの触れ込みは残念でした


 首をすげ替えるじゃ 収まらぬ一大事

 ここからの攻め手 あるのかと軽んじて見られるも

 腹を据えかねては ()み込めぬ遺憾の意

 きみの気が触れてしまうの つゆとも知らず

 内定いらない(笑)


挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

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