日常業務とは、生き延びることである①
配属から一週間が経った。
驚くべきことに、まだ生きている。
死んでいないことが驚きに値する職場というのは、控えめに言って異常だが、この一週間で学んだのは、ここでは異常が日常だということだ。
俺の一日はこうだ。
07:00 起床。ラグナの朝の体操による振動で起こされる。目覚まし時計は不要。
07:30 朝食。栄養ブロックと水。味はない。
08:00 始業。端末で夜間の区画モニタリングログを確認。異常があれば報告。
08:30 変位個体の居住区を巡回。生存確認。
09:00 抽出業務開始。五人のローテーションは日によって変わる。
13:00 昼食。栄養ブロックと水。味はない。
13:30 午後の抽出業務。
18:00 日報作成。
19:00 退勤。自室へ。
19:30 夕食。栄養ブロックと水。味はない。
22:00 就寝。
判で押したような日程だ。変化があるとすれば、抽出中の事故の内容くらいだが、事故がない日はない。
この一週間の事故記録を振り返る。
四月四日:ノクスのチョコ要求が一個から二個にエスカレート。交渉の結果、一個半で妥協(半分に割って渡した)。ノクスは不満そうだったが、抽出には協力した。
四月五日:セラと会話中に、俺が不意に笑ったところ、セラも笑い、天井に亀裂が入った。「管理者は笑ってはならない」という暗黙のルールを学んだ。
四月六日:メルトのノートが残り三冊になっていることに気づき、緊急で補充申請を出した。申請の返答は「在庫確認中」。在庫を確認するのに三営業日かかるらしい。
四月七日:ラグナが運動スペースで転倒。転倒の衝撃で通路の壁が一枚剥がれた。ラグナ本人は無傷。
四月八日:カイムが「今日のお昼、いつもと違うものが出る」と予言。実際に、配給品に栄養ゼリーが追加されていた。予言の精度が上がっている。しかし重要な予言は相変わらず曖昧。
四月九日:定休日。しかし「変位個体には休日がない」ため、巡回とモニタリングは通常通り。管理者の休日とは何か。
そして今日は四月十日。カイムの予言が正しければ、臨界点まであと二日だ。




