1話 私の通うこの学園
1話私の通うこの学園
私の通うここは、国内でも有数の大規模な学園。
学園全体の生徒数は、三千人を軽く超えてしまう。この学園には、通学と言う概念はなく、一人ひとりに部屋が用意されそこで暮らしている。
親や親戚、中学の友達からは、「あの学園に行くなんて、将来有望じゃん」と言われる。それほどの学園なのだ。
「ルミ~!。次移動教室だってさ」
三時間目の授業が終わり片付けをしていると、同じクラスで仲の良い女の子『カメ』が来た。なんでカメなのかと言われると難しいが、いっつもカメラを持っているから、みんながそう呼び出した。本名は、『近藤咲』。
「四時間目って物理じゃなかった?」
「なんか物理の小林先生が出張でいないから、佑子さんが映画見せてくれるってさ~」
カメの言った佑子さんとは、私たち一年十六組の担任である。親しみやすく、面白いので先生と呼ばず佑子さんと呼んでいる。
カメと二人で視聴覚室に移動すると、意外なことにもクラスのほとんどがまだ来ていなかった。
「どの席がいいかな~」
「どこでも一緒でしょ」
カメは、ドアの前で教室全体を見渡しながらどこにしようか悩んでいた。私としては、授業なしで映画が見れるのならどこでもよかった。
そんな時、私の肩に衝撃が走り体が倒れた。
「ルミ!。大丈夫?!」
びっくりして前を見ると、大柄の男子生徒が立っていた。
「邪魔だ」
その人は、私のことを横目で見ながら、それだけ言って端っこの席に座って窓の外を眺めていた。私は、何が起きたのか理解が追い付いていなかったが、カメがなんか怒っていたのだけはわかった。
それから、たくさん人が来たから急いでカメが決めた映画が観やすいけど寝るのにもいい席に座った。
「あ、血が出てる」
少しズキズキすると思って右膝を見ると、さっきの出来事で擦りむいたようだった。
カメが「洗ってきなよ。私が席は守っとくからさ」と言ってくれたので、近くのトイレと思ったが、工事中だったので、少し歩くが外の方にある水道で膝の血を洗っていた。
「どうしたんだい?」
後ろからいきなり話しかけられて、ビックっとして振り向くと、メガネで高身長の優しそうな人がいた。驚きはしたがその人の声は、優しくてゆっくりとしていた。
「血が出ていたのか。絆創膏を持っているから、貼ってあげよう。ここに座って」
その人は、ポケットから絆創膏を取り出して、近くの段差に指差してそう言った。
私は最初遠慮して「だ、大丈夫です」と言っていたが、その人は「人は助け合いが必要だよ」と引き下がりそうになかったので段差に座った。
「ありがとうございます」
その人は、私に絆創膏を貼ってくれて、「お大事に」とだけ言ってすぐにどこかに行ってしまった。
私もハッと時計をを見るとチャイムが鳴る二分前を切っていたので、急いで視聴覚室に戻った。
「お帰りー、遅かったね。絆創膏って言おうとしたけど持ってたんだ」
席に戻ると、カメが絆創膏を持って私を待っていたが、私の膝を見て少し不思議そうな顔をしていた。私って、そんなに絆創膏を持っていないぐらいの人間だと思われているのだろうかと思ったが、間違ってはいないので悔しい。
「いや、ちょっとね」
私がちょっと変な返しをすると、ニヤニヤしながら「なになに~」とカメが言ってきたので、さっき会った男の人のことを話すと、「青春かよ!」と机に拳を叩きつけて、佑子さんに「咲ちゃん、ちょっと静かに(笑)」と言われていた。
映画が始まって数分後となりのカメは、速攻で眠りについていた。周りにも寝ている人が何人かいたが、さっきぶつかった男子生徒は、意外に真剣に映画を鑑賞していた。
映画の内容は、ミステリー系で校内で殺人事件が起きてしまい、その犯人を捜すというものだった。序盤の時点で一人が殺されて、話が進むにつれて一人また一人と被害者が増えていくものだ。容疑者は、複数人出てきたが、調べていくと誰も犯人ではなく、最後の最後に意外な人物が犯人だった。
「まさか犯人があの人だったなんてね~」
「いや、カメは寝てたから、内容ちゃんとわかってないでしょうが」
「私ぐらいになれば、最後の十分弱をみれば何となくわかっちゃうのよ」
「調子いいこと言っちゃってさ(笑)」
教室に戻りながらカメとそんな話をしていると、カメがいきなり窓の外の中庭にカメラを向けだした。
「何を撮ってるの?」
「あそこに生徒会長が座って本読んでるんだけど、日光がいい感じに照らしてるから」
そう言われて私も外を見ると、確かにこの学園の生徒会長がベンチに座って本を読んでいた。学園一のイケメン男子と言われているのもわかるぐらいのイケメンだが、私の好みではない。カメの好みではあるようだけど…。
「やっぱり生徒会長って、かっこいいよね~」
アニメや漫画のように、目がハートになりかけているカメには申し訳ないが、「そ、そうだねぇー」としか言いようがなかった。
「棒読みひどーい。あっ、タカとエイならわかってくれるよね?」
カメが近寄っていったのは、さっきまで視聴覚室での映画の授業でカメと同じく眠りこけていた『富田隆志』と『松崎瑛太』。たかしだから、タカとえいただから、エイらしい。
「あ?、あー。俺には、わかんねえや。まあかっこいいんじゃね?」
「俺もタカに同じく」
「私もかっこいいとは思うけど、カメほどじゃないんだよね」
「三人とも見る目なさすぎ~」
今いる私を含めた四人が、私が普段行動をするメンバーだ。それぞれが個性ある性格だけど、今になって不思議に思ったことがある。
「なんで私だけあだ名とかじゃないの?」
私の質問に答えたのは、カメだった。その答えは、「ルミはルミだから」と答えになっていない答えだった。
その後は、普通のたわいもない会話しかなかった。
読んでいただきありがとうございます。他の方のより劣る作品ですが、温かい目で付き合ってもらえると嬉しいです。1話目は、主人公とその親友的存在中心とした普通の日常の中で起きたちょっとした出来事のお話でした。ここから先のストーリーは、主人公が事件解決に巻き込まれていく感じです。投稿がまちまちになるかもしれませんが主に22時に投稿します。




