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第1章-2話

 エルフ、それは日が昇ると共に活動し日が沈むとともに眠る森の民。つまりエルフであるレオノティスの朝は早い……と言いたいがそんな事はなかった。レオノティスは母が朝ごはんを作って起こしに来ると共に目覚め夜は眠気が来るとともに眠るエルフであった。

 寝惚けながら朝ごはんを食べ、仕事へ向かう父を見送り、教会の鐘が鳴るのを聞き、家の前のベンチへ座り日向ぼっこをしていた。母は家の中で暇潰し兼内職の刺繍中である。

 朝ごはんの後でぽやぽやしていたレオノティスは気付いた。何だか膝の上が重いなと。昨日と同じ位の重さだなと。

「レオちゃんおはようなの!」

「預かるのお昼って話だった気がするんだけどな……?」

 まぁいいかとレオノティスは日向ぼっこを続ける。のほほんとした所は母譲りである。膝の上にある頭を撫でながらぽやぽやとしている。

 そんなこんなで教会の鐘が1回鳴った頃、ようやくレオノティスの頭は正常に働き始めた。

「うわ何で居るの……えっと、ランだっけ?」

「ランね、ちゃんとレオちゃんのとこいくって言ってきたの!」

 膝の上の幼女を抱き抱えて家に入る。

「お母さ〜ん!気付いたら何か居た!」

「あらまぁ?」

 サッとおやつのクッキーと牛乳を準備して出されている。わーいとランは無邪気に喜んで食べている。

「じゃあわたしは日向ぼっこに戻ります」

「ランも!ランも!レオちゃんといっしょがいい!ぽかぽかなの!」

 預かると言っていたのは母なので世話を任せようと思っていたが一緒に日向ぼっこをしたいらしい。仕方ないのでクッションを抱えてベンチに戻る。木のベンチだから長時間座っているとお尻が痛くなってしまうかもしれない。それは可哀想だ。クッションを敷いて座らせてあげる。レオノティスが隣に座ると待っていたとばかりに膝枕で寝始めた。いっそ気持ちいいくらいに躊躇がない。レオノティスも再びぽやぽやとし始める。再び頭が正常に動き始めたのはお昼ごはんで呼ばれた時だった。

 さて、レオノティスはエルフである。エルフらしいところは少ないがエルフである。お昼ごはんを食べた後、ようやく本日2回目の頭が覚醒したレオノティスは思った。水浴びがしたい、と。レオノティスの数少ないエルフらしい所である。

 レオノティスが引っ越してきた町はまぁなんというか都会ではない。どちらかというと田舎だ。その為公衆浴場もあまり普及しておらず水で湿らせた布で体を拭くのが一般的だ。川もあまり綺麗とは言い難いしそもそも人目がある。レオノティスは露出狂ではないのだ。

「うーん、とりあえず小屋でも建てて水を溜められるようにしようかな」

 レオノティスは庭の一角の草を眺めて貴重な薬草が混ざっていないことを確認すると着いてきたランの手をしっかり握った。

「ファイヤー」

 庭の一角の雑草を燃やしてよし、と頷く。ランの方を見ると尻尾がブワッと広がっていた。びっくりしちゃったみたいだ、先に説明すればよかったかなごめん。

 ランの手を引いて家に戻る。

「お母さん、小屋建てたい手伝って。場所の確保はした」

「あらぁ、手伝うのは良いけど何で小屋を建てたいのかから教えて?設計と素材選びは大事よ」

 水浴びしたいから水を溜められる場所を作りたいという話をする。

「そもそもレオちゃんは水浴びよりお風呂とサウナが好きかもしれないのよねぇ。村にはなかったから今まで使わせられなかったのだけれど」

 お風呂とサウナ、本で知識としては知っているけど実際に体験したことはない。

「お父さんが帰ってきたら皆で大衆浴場に行ってみましょうか。だからまず下地と外側を作って内側は明日作りましょう?」

「はい、楽しみです!」

 ランはうつらうつらしていたのでソファーに寝かせるとまたポンッという音とともに子猫になってそのまま寝た。今の間に下地作っちゃおう。

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