第9話:禁断の聖域でストレスが神器の試練に耐えた件
「魔導帝国の禁断の聖域!? 神器!? ミリア、ふざけんな! また帝国のヤバい遺産かよ!」
ギルドのカウンターで、俺、佐藤健太は依頼書を睨みつけながら叫んだ。封印された塔の戦神機戦で全身筋肉痛なのに、今度は「神器」とかいう神々しい響きのアイテム。ストレスポイントは朝から60/100だ。
ミリアはメガネをクイッと上げ、ニヤニヤが悪魔的に輝く。
「健太、戦神機倒した伝説の冒険者でしょ? 聖域の神器をゲットできれば、ギルドの宝庫が埋まるわ! 報酬は金貨60枚と、神器の複製品!」
「複製品って…本物は危険すぎるのかよ! 勘弁してくれ!」
ストレスポイントが65/100。こいつの無茶振り、前世のデッドライン越えの緊急プロジェクト並みだ。
リリアがいつものキラキラ笑顔で飛びついてきた。
「健太、神器って超ロマンだよ! エルフの伝承だと、帝国の神器は世界を変える力を持ってるんだって! ワクワクしちゃう!」
「お前のワクワクが俺のメンタルを削るんだよ!」
ストレスポイントが70/100。リリアの冒険心、感染力高すぎてマジでヤバい。
翌日、俺とリリアは禁断の聖域へ。場所は山脈のさらに奥、霧に包まれた谷底。飛行船で降り立ち、魔力感知ゴーグルで道を進む。装備はワイバーンの盾、幽霊戦のペンダント、結晶の指輪、ゴーレム戦のブレスレット、戦神機戦のマント。リリアは光の矢と新支給の魔力抑制のポーション。
「健太、この霧、魔力が濃いよ。ゴーグルがオーバーロードしそう!」
「オーバーロードって…俺のストレスゲージみたいだな」
谷底の先は巨大な神殿。入り口に光るバリアが張られ、触れるとジリジリ焼ける。リリアが伝承を思い出す。
「『神器を求める者は、試練に耐えよ』…って、なんか入るための条件があるみたい!」
「試練!? またストレス溜まるやつだろ!」
ストレスポイントが75/100。
バリアに近づくと、頭に声が響く。
「汝、力に値するか…心の闇を晒せ…」
突然、視界が歪み、幻覚が襲ってきた。前世の会社、上司の怒鳴り声、家族の結婚圧、友人のマウント…全部がリアルに蘇る。
「くそっ、なにこれ!? メンタル攻撃!?」
ストレスポイントが90/100に急上昇。リリアも苦しそう。
「健太、私の村の記憶が…! みんな、守れなくて…!」
リリアの過去? 初めて聞くけど、今は耐えるしかない!
『ピロリン! ストレスゲージ90%到達! 新技『ストレスレジリエンス』解放!』
例の声が響く。ストレスレジリエンスは、精神攻撃をストレスオーラで防ぎ、逆利用してパワーアップする技。消費ポイントは50。
「よし、これだ! ストレスレジリエンス!!」
赤いオーラが体を包み、幻覚が薄れる。リリアに手を差し伸べる。
「リリア、俺のオーラに触れろ! 一緒に耐えるぞ!」
リリアが手を握り、オーラが共有。彼女の表情が和らぐ。
「健太…ありがとう! これでいける!」
バリアが消え、神殿内部へ。中央に浮かぶ黄金の神器――剣みたいな形状で、光る宝石が埋まってる。だが、周囲に黒い影の軍団が現れた。帝国の亡霊兵士たちだ。
「試練の続きかよ! ストレスバースト!!」
赤いオーラが炸裂し、亡霊を吹き飛ばす。だが、すぐに復活。リリアが矢を放つ。
「光の矢、浄化射撃!」
矢が亡霊を貫き、数体を消滅させる。ストレスポイントが80/100。
「健太、神器が影を生んでる! あれを制御しないと!」
亡霊軍団が一斉に襲いかかる。俺は神器に突進。
「前世のストレス、全部ぶつける! ストレスシンギュラリティ!!」
高密度のエネルギー弾が亡霊を薙ぎ払う。神器に近づき、触れると頭に声が。
「汝の闇を…受け入れよ…」
また幻覚。リリアの村が焼かれる光景、彼女の涙。
「リリアの過去…! くそっ、こんなの耐えられるか!」
ストレスポイントが95/100。リリアが叫ぶ。
「健太、私のせいで…ごめん! でも、一緒に戦おう!」
「よし、ならこれだ! ストレスカタストロフィ!!」
巨大なオーラの拳が神器を叩き、神器が光を放つ。亡霊が一気に消滅し、神器が静まる。
「はぁ…はぁ…ゲット…か?」
ストレスポイントが10/100。神器の剣が俺の手に収まる。リリアが駆け寄り、抱きついてくる。
「健太、ありがとう…私の過去、話すね。村は魔物に襲われて…でも、健太のおかげで前向けるよ!」
「お、お前、急に重い話…でも、ストレス発散できたぜ」
ストレスポイントが15/100。リリアの過去、なんか絆深まったな。
ギルドに戻り、神器をミリアに渡す。
「健太、リリア、神器を!? これ、帝国の『運命の剣』よ! すごすぎる!」
「剣って…使えんの? 報酬よこせ!」
報酬は金貨60枚と、神器の複製ネックレス。精神耐性を上げる効果らしい。
「次はもっとすごい依頼、用意するね!」
「マジで休みを…」
ストレスポイントが20/100。
夜、酒場でリリアと話す。
「健太、神器の声、聞こえた? 帝国の滅び、なんか関係ありそう…」
「神に滅ぼされたって話か。次は神絡みかよ…ストレス発散のチャンスだな」
リリアが笑う。
「健太のストレスなら、神にも勝てるよ! これからも、ね?」
ストレスポイントが25/100。リリアの言葉、心に染みる。
翌朝、ミリアがまた依頼書を持ってきた。
「健太、リリア、超究極の仕事! 『魔導帝国の神の間』! 噂じゃ、帝国の神が封印されてるんだって!」
「神!? ストレスMAXだぞ!」
ストレスポイントが45/100。
この世界、ストレス発散の冒険がマジで頂点へ! 次は何をぶち壊してやろうか!
(続く)