表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社磨き  作者: 京極
7/8

茶屋

楽しんでいってくださいな(´ω`)

 /昼時

 鬼灯が玄関付近で一人うー、うー、と神種の社に行くか否かで悩んでいました。


 そろそろお昼ですね。

 お社に出向いた方が良いのでしょうか?。

 それとも家で待っていた方が良いでしょうか?。

 確認すれば良かったです………。


【コンッ、コンッ、コンッ】

「ミッ!?」

「こんにちは、千誉居るかい?、千夏だよ」

「はい、只今参ります、少々お待ち下さい」


 びっくりしました……。

 考え事に夢中に成るものでは、無いですね。

 あ、速やかに出なければ待たせて仕舞います。


「お待たせして仕舞いすみません」

「此方こそ突然すまないね」

「いえ、其では、家の中に入られますか?。それとも何処かに行かれますか?」


 おや、今日は、いつもの狩衣でなく紺色の羽織と深緑色の着流しですか。

 着流しは、暑くないのでしょうか?


「里に新しく茶屋が出来たらしくてね。一緒にどうかな?」

「はい、是非御一緒させて下さい」


 /一時間後

 鬼灯達は、茶屋で注文した品が届くまでゆったりと喋っていました。


「そう言えば御兄弟は、居られるのですか?」

「いや、一人っ子だよ、千誉は?」

「私は、三つ子の妹様方がお二人居ります」

「なら千誉は、長女なんだね」

「はい」


 ここからどう話を脹らませましょう。

 困りました……。


「妹君とは、良く会うのかい?」

「いえ、仕事柄上二~三ヶ月に一度くらいです」


 良かった話を続けて下さいました。

 随分とお会いしてませんが妹様方は、お元気でしょうか?。


「寂しくは、無いのかい?」

「定期的に文通してますので寂しくないですよ」

「仲が良いんだね」

「はい、失いたくない大切な方々です」


 妹様方は、私にとって唯一の家族ですから

 とても大切なのですよ


「そういう人が居るのは、とても大事な事だね」

「千夏さんもそういった方が居られるのですか?」

「んー、焦がれて居る人は、居るよ」

「どんな方なんですか?」 


 とても素敵な方なのでしょうね

 ……何やらモヤモヤします、何故でしょう?


「そうだなぁ、人が困って居ると放って置けず自身の事を疎かにしてまで相手を気遣うお人好しで何処か抜けている子だね」

「その方は、頑張りやさんなのですね」


 ですが頑張りやさんゆえに体調を崩されないか心配ですね。


「それに何時もお面を着けていて種族特有の暖色の眼をして居るんだよ」

「種族特有なのでしたら神殺しですか?」

「うん、当たりだよ」


 おぉ、会ってみたいです


「その子は、思ったよりも鈍感な様だよ」

「その方は、のんびりさんなのですね」


 殺気や気配に敏感でなければ危ないのですがその方は、反射神経が良いのでしょうね。


「あとは、私を千夏さんと呼ぶんだよ」

「そうなのですか、お会いしてみたいですね」

「本当に鈍感だね」


 /茶屋の店員がやって来ました


〔お待たせ致しました。果物混ぜ団子のお客様〕

「あ、私です、有難う御座います」


 わぁ~、美味しそうです。

 こういった時ってとてもワクワクします。


〔夏の練り切り詰めのお客様は?〕

「私だよ、有難う」

〔内容は、流泉、渓流、清泉、鈴蘭、清流、鬼灯

 でお間違え無いですか?〕

「は…」

「あぁ、間違いなよ、有難う」


 とても丁寧な店員さんですね。

 鬼灯で返事を仕掛けたのは、内緒です……。


〔では、ごゆっくりとお寛ぎ下さいませ〕

「有難う御座います」

「有難う」


 /店員が下がって行きました。


 千夏さんの練り切りもキラキラとして綺麗ですね。


「さ、食べようか」

「はい」

 《頂きます》


 おぉ、この果物混ぜのお団子ざくざくな歯応えともちもちな舌触りでもって果物のさっぱりとした味が凄く美味しいです。


「そうだ、先程の続きを話そうか」

「はい」


 千夏さんの大切なお人のお話ですね。


「私の隣で美味しそうに団子を頬張ってる子だよ」

「?」


 千夏さんのお隣ですか?。

 何方か居られたでしょうか……。


「此でも解らないかい?」

「すみません」


 /千夏が微笑みながら鬼灯を指差しました。


 私を指差されてますがどうされたのでしょう?。

 お面に何か着いてるのでしょうか?。


「君だよ」

「へぁ?」


 き、聞き間違えでしょうか。

 今、私と仰りませんでしたか。


「ふふ、私の想い人は、千誉だよ」

「わた、わたわ、わわっ」

「面を着けてるのに頬が赤いのが解りやすいね」 


 うぁ、あうー

 し、思考よ、動くのです。

 今どういう状況なのです。

 私のは、解りませぬぅ。


「可愛い」

「た、畳み掛けないで下さい」


 ひぇ、お願いですから切れ長おめめの格好いいお顔で微笑まないで下さい。


「千誉、返事をしてくれないかな?」

「ひぁ」


 私の頬を撫でながらお聞きにならないで下さい。


「千誉?」

「わ、私なんぞで宜しいのですか?」

「私は、君が良いんだよ」


 この方の側にずっと居て良いと思ってもいいのでしょうか……。


「えっとあ、あのよ、宜しくお願い致します」

「ふふ、此方こそ宜しくお願いするよ」


/一時間後

鬼灯は、甘味を食べ終えたあと、何処かふわふわとした雰囲気と共に帰路に付きました。


「ふふ、後は、契りだけだね」

あと少しだけ

お付き合い願えますと有り難いです



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ