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社磨き  作者: 京極
3/8

月明かりのもとで妖狩り

……

このページには、暴力表現がございます


速やかにお立ち去り下さい

 

 ~ 次 の 日 夜 ~


 里の者に様々な情報を聞き出した結果、やはり越してきた娘達は、妖だと判明したため捧げ物に見せ掛けた罠を仕掛け木の上で待つ事に


 掛かって下さると良いのですが……


{あぁ、アッタアッタ。社の前じゃなくて良かったよ。彼処には、妖は、入れないからネェ}


{マッタク。何時もは、里の前なのに何で今日に限って鳥居の前ナンダイ}


{あのバカな人間共のこだ何も考えちゃいないサ。ネェさん}


 しばらく待っていると供物の乗せられた荷車に血にまみれた狸が三匹、人の言語を話しながらやって来た


 あの方々ですね。

 もう少し様子を観ていましょう。


{ヒヒ、ヒヒヒヒ、人も作物も私達に喰われてるとも知らずに馬鹿なニンゲンドモだね}


{カミなんて居るわけ無いのに、ヒヒヒヒ}


{ただ今回は、人は、なしかシケッテルナ}


{そう言えばサイショノヤツは、どうした}


 森の中(あやかし)が集まって

 ペラペラ、ペラペラと阿呆なのでしょうか?

 まぁ此方にとって好都合なのですがね


{アイツは、私が喰ってヤッタ。まず足の間接毎に一本づつ次に指の間接って具合に痛みでモダエクルシム様に足や胴体に包丁を射し込みながらね}


{彼奴のナキサケブ姿は、ケッサクだったよ}


{涙、鼻水、涎に尿便、体液全部、ブザマに撒き散らしてあぁ、今思い出してもバクショウモノだ}


{それは、見逃した事がクヤマレルな}


 ……


「其処の妖殿、速やかに黙れませんか?」


{なっ、誰だアンタ!!}


{誰だ高貴な我らの食事を邪魔する奴は!?}


「鬼灯千誉。烈火の如く切り付けます故、鬼火と呼ばれて居ます」


{お、鬼、鬼火……なん、何で}


 狸共の話が余りに聞くに絶えず木から飛び降り刀抜き狸共を見据えると狸共は、随分と驚いたように此方を見ている


 其れでは……


「覚悟は、宜しいですね?」


{なん、ダッ……}

{ヤバイ!! にゲァ}

{やめろ、ヤメテクレ、タス…… ケッ……}


「本来私は、神狩り専門なのですがね」


 ~ 数 分 後 ~


 狸の尻尾を切り取り里長に届け帰路の道中に何者かが後ろから此方に少し早歩きで近付いてきているのに気がついた


 ……背後に居られるのは、何方でしょうか?

 気配からして人では、無さそうですし殺気もないですね


「こんな夜更けに年頃の女子(おなご)が出歩くなんて感心しないよ。何かあったのかな?」


「……そう仰る貴方様は、何故此方に?」


 相手が丁度私の後ろに来た辺りでパッと後ろを振り返ると蛍火の提灯を持った草薙殿が居られた


 あぁ、草薙殿でしたか

 そういえば、先日のお掃除の時も思いましたが若草色の狩衣を着て居られますがこの時期は、暑くないのでしょうか?


「質問を質問で返すのは、頂けないな」


「おや失礼。私は、お仕事帰りで御座います」


「仕事………。昨日言っていた狸狩りかな?」


「はい」


「お疲れ様」


「有難う御座います」


 蛍火を持ってどちらに行かれるのでしょう?


「あの、何故此方に?」


「あぁ、私がここに居る理由だったね」


「はい」


「灯籠に蛍火を配って廻ってるんだよ」


 草薙殿は、ほら、彼方にもあるよと灯籠に指を指して教えてくれ提灯から蛍火が一部指さされた灯籠に宿った


 ……灯籠

 そう言えば至る所に有りましたね


「左様で御座いましたか」


「良ければ君も一緒に来ないかい?」


「え、宜しいのですか?」


「風が心地が良いからね。良い気分転換に成るんじゃないかな」


 気を使われて仕舞いましたか……

 折角の御誘いです、御供させて頂きましょう


「お供させて頂きます」


「うん、後で家まで送らせて頂くよ。女性の一人歩きは、危ないからね」


「有難う御座います」


 草薙殿は、心配性ですね

 私は、小さな御子様方では無いのですが


「さて行こうか」


「はい」


「所で君は、送り狼を知って居るかい?」


「狼殿が縄張りの端まで送ってくださり

 道中転ぶと食べられて仕舞うのでしたか?」


「そうだね……。此処にも居るから気を付けなさい」


 山を散策してると時折見掛け幾つかの狼の群れを見掛ける。人ならば例えどんなに腕に自信があろうとも大きな群れに襲われては、ひとたまりも無いだろうと考えているとふとあることが頭に浮かんだ


様々な事を心配して下さるこの方は、何やら…


「父上様の様ですね」


「私がかい?」


「え?」


 私がかいと言われ何の事だろうと一瞬なったが直ぐに考えていた事を口に出してしまったのだと気がついた


 口に出してましたか。遣ってしまいました


「君の父君には、成れないよ。すまないね」


「いえ、父上の様に心配性と思っただけでして」


 「心配性…」


「こ、此でも神々の御相手をする猟人ですからご心配には、及びません」


私が言い終わるや否や整ったお顔の眉間にくっきりとシワがよった


 ひぇ、綺麗なお顔の眉間に皺が……


「確かに鬼火さんは、腕が立つだろうけど女子だという事を忘れず用心しなさい」


「………はい、すみません」


「おや、頬が赤いよ。暑いかい?」


「エッ、大丈夫ですのでお気に為さらず」


 蛍火の灯りがあるとは、言えこんな暗い中しかも狸の面と首から目元辺りまで追おう覆面を着けているのに何故顔が赤くなったことが解るのだろうか。とても不思議である


な、何やら女性扱いされてる様で慣れません。


「体調が優れないなら直ぐに言うんだよ」


「はい、有難う御座います 草薙殿」


「千夏で良いよ。鬼火さん」


「では、千夏さんと呼ばせて頂きます」


「うん、それじゃ、行こう」


 灯籠に蛍火を灯すのを手伝いながら家まで送ってもらった


「男慣れして居ないんだね。これからが楽しみだよ」

……気分は、以下がですか?

無理を為さらないで下さいね


其れでは、また何処かでお会いできる事を願っております

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