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勇気がないから

作者: 朝焼 悠

いつかマトモになるんだって

いつかここから抜け出して見せるんだって

もうよく思い出せないくらい前から

ずっときたのだけれど

今 この段階でもまだ

いつか いつかって事はつまり

あの日から

一向に状況は変わっていないって訳で

それはつまり

変わっていない分だけ

悪くなっている訳で


いい加減 虚しくなるな

みんなに陰で笑われている気がする

今更になって

やり直しはきかないし

残された選択肢は

生きるか死ぬかだけ

なんて気分に襲われる


そんな命を粗末に扱うなんてって

追いかけられるものがあっただけでも

幸せな事なんだって

どっかの高い場所から降ってくる

お叱りの言葉も多数受けてきたけれど

ごめんなさい

正直言ってうるせえです


これまで何度も もう駄目だって膝を折って

何度死にたいと思ったと思ってんだ

一度はマトモに身動きすらとれなくなって

そんなどん底でさえ

死ぬのはどうしても恐くて

あと一歩が踏み出せなくて

そんな毎日に溺れながら

それでもどうにか

今もここにいて

まだ

いつかって のたまっている


一体これのどこが

命を粗末に扱って 投げやりに生きているって?


もうずっと恐くて仕方ないよ

まったく光なんて見えないから

死ぬまでこのまま独りで

きっと いつかって 呟いてる

そんな予感しかしない

でも

それも仕方のない事なんだよ

だってそれ以上に僕は

恐くて死ねなかったんだから


だから 今もいつかって叫んでる

だから 今もいつかってあがいてる

そんないつかはなんて もうお前にはないって

笑われながらも


最初からあきらめて 何もしないで

大人しく最後の日を待ち続ける

そうやって自分の過ちと運命を受け入れるのが

正しいのかもしれないけど


恐くて自分さえ保てなくなった

でもそれ以上に恐くて死ねなかった

生きるのに あがくのに

本気になるのに

理由がどうしてもいるなら

僕にはそれで十分だ

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