変人
登校するのは大変だ。
太陽の日差しが僕に攻撃する。
2137年5月25日 夏
今日はとてもいい天気で…良すぎる天気で、とてもとても暑い。
普通の…足が動く人はどうなのか分からないけど、松葉杖で歩くのは大変だ。
蝉がないている。
杖をつく音がして…。
こぼれ落ちる汗がアスファルトに点を描く。
学校が見える。
学校につくとまず、顔認証、指紋認証をし通行許可をもらう。
靴箱でもパスワードを使って開け、白色だった小さな靴を入れる。
「やりすぎだよなぁ」
どこもかしこも
顔認識 指紋認証 声紋認証 パスワード
確かにこれのおかげで窃盗とかの犯罪が防がれているのも確かだけど…。
なにか抵抗を感じる。
「僕の家が貧乏でセキュリティがゆるゆるだからかもしれないけど…」
教室の扉のロックを解除し、中にはいる。
教室は、建てたばかりなのではないかと疑うほどきれい。
放課後NBが掃除してくれているおかげで、この状態を保てているのだ。
本当にNB様々だよ。
僕の机は、窓際の後ろから二番目。
一番後ろの…僕の後ろの人は今、不登校で…学校を休んでいる。
名前は、讃岐 縁。
話したことはないけど、早く元気になってほしいな。
椅子に腰を下ろして時間の確認
7時50分
朝のホームルームまで少し時間がある。
少し寝よう…。
夜は、お父さんとお母さんが騒いでてあまり寝れなかったし…。
自分の腕を枕代わりに頭を乗せまぶたを閉じ…
「おい!変人だ!変人がいるぞ!」
「マジだ!変人だ!変人!」
声が聞こえた。
僕に向けて……
「ごめん…今少し眠いんだ。寝かせてもらえな…」
「おいおい、変人がなんか言ってんぞ!」
「あははは、なんてなんて?」
「んーーー……「僕はNBと結婚します。」だってよ!」
「「「「あはははははははははははははは」」」」
いつもの光景
僕の周りには、数人のクラスメートが腹を抱えて嘲笑っていた。
僕は、周りから見れば変わっているらしい。
右足が動かないというのもだけど。
それ以外にも……
なんて言えばいいのだろうか
僕にとってはこれは普通なことだから
どう言えばいいのか分からない
小学3年生になったばかりだし、大きくなればもっとうまく……こう…説明できるのかもしれないけど。
えっと…。
普通の人はNBをロボット……いや…道具だと思っているらしい。
命令すれば何でもやってくれる機会みたいなもの。
でも、僕はみんなと、人間と同じように話したりしてる。
それである日
学校で、掃除してくれているNBに話しかけたのを見られて、
周りから変な人だと思われるようになったんだ。
……やっぱりまだ眠い
でも
「あはははは」
つられて僕も笑ってた。
「はははははは」
なんで笑ってるのか
「はははは」
そんなの僕もわからないけど
「ははははははは」
これが僕の楽しい日常
「ははは…」
うまく笑えてたかな?
僕
枕が変わると寝れないとまでは言わないけど…
あんまり寝れない…。