プロローグ
「唐突だが、お前さんには異世界に行ってもらう」
「はっ?」
目が覚めたら目の前には神々しいおっさんがいた。
何を言ってるかはサッパリだとは思うが本当の事だ。
そもそも前の記憶が思い出せない。というか、俺は誰なんだ?名前も思い出せない。
「色々と混乱しているだろうがまずは落ち着きなさい、質問はその後で聞いてやる」
とりあえずはおっさんの言う通りにして落ち着こう。そう、深呼吸でもしながら。すーはー、すーはー。よし、大丈夫だ。
「落ち着いたかな」
「あぁ、とりあえずはな」
「よろしい、ではまず何が聞きたい」
聞きたい事・・・そうだな、まずは
「あんたは、何者だ」
そうまずはこの神々しいおっさんだ。字面からしてなんとなく想像してしまうが。
「そうだな、まぁ、お前さんの分かりやすい言葉で言えば、神様というものだ」
「信じられん」
「だろうな、前世のお前さんは、徹底した無心論者だからな、予想はしていたよ」
そりゃ、そうだろう。周りは奥行きもない完全真っ白な空間にいる有り得ない場所だが、普通は信じねぇよ。
あれ?というか前世って何だ?まるで俺の過去の人生みたいに『それはお前さんが一度、死んでいるからだ』
!? 何だ今のは!?頭の中に声が響いて、まさか。
「人には出来ない芸当だろう、少しは信じてもらえたかな?」
「あ、あぁ・・・いや、待て、それ以前に死んだってどういうことだ!?」
「そのまんまだ、お前さんの前世は殺し屋で一対多の戦いで、壮絶な死を遂げたのだ」
俺は、・・・死んだ?そして、殺し屋だと?