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光のタクト  作者: セカンド
世界を変える大雨
32/165

クタクタなタクトはタクシーに乗って沢山の荷物を自宅に置きに行く



通路を進み、ケントに教えてもらった出口を出ると都合が良い事にグッズショップがすぐ近くにあったので、そのまま列に並んでお土産を先に買う事にした。


「俺の方の任務は終わったからお土産は任せろ。っと、これでよし」


2人で同じお土産を買ってしまわないように、列に並びながらイリアにメールを送っておいた。


歌姫のステージが作られている公園からは少し距離があるグッズショップなのが幸いして、あまり待つ事なく列が短くなっていった。


「おぉ、ケントがたくさん売られてる…」


ついさっきまで話していた相手がタオルやTシャツにプリントアウトされて沢山並んでいる事に感動を覚えながら俺はお土産を選んだ


「色々あるんだな。…よし、セルにはケントの抱き枕を買っていってやろう」


マキナのお土産を買うだけのつもりだったが、ついつい余計な物まで買ってしまった。


いや、別に俺は自分用に歌姫のタオルを買ったわけじゃないぞ?


でも何故か予定よりも多く買ってしまったから、余ったら仕方なく使うかもしれないけど、わざわざ自分用に買ったわけじゃないからな。


衝動買いって怖いね。


〜♩


「おっ、イリアも会場に着いたみたいだな」


大量の荷物を持ちながら衝動買いの怖さを痛感しているとイリアからメールが届いた。


歌姫のステージからはさらに離れる事になるが、イリアの待つ会場の入り口へと向かう事にした。


「お、重い…」


俺は大量の荷物を持ったまま、イリアの待つ会場の入り口へと向かったのであった…


ーーーーー


「タクトー!こっちこっちー!」


人混みを掻き分けながら入り口を目指していると、少し先でイリアが自分の存在をアピールするかのように手を振りながら俺を呼んでいた。


「はぁ、はぁ、やっと着いた。人多すぎだろ」


もう間もなく歌姫のライブが始まる時間帯なので、当たり前の事だが観客達は入り口から中に入ってくる。


しかし俺は中から入り口に向かって来たので、人混みの逆流に揉みくちゃにされながら歩いてくるハメになったのだ。


「人も凄いけど、タクトの荷物も凄い量…。一度戻って荷物置いてきた方がいいね。すぐそこに転移タクシー乗り場があるから行って来なよ。私はまだ一応任務中だからここを離れられないけど」


うーん…

確かにこのまま人が多いライブ会場に行くのは至難の技だな。


イリアの助言の通り、一度自宅に荷物を置いてきた方が良さそうだ。



転移タクシー、通称「転タク」は名前の通り好きな場所に転移してくれるタクシーで、セントクルス大陸と学園島なら一瞬で移動できる。


普段なら転タクなんて値段が高くて乗れないのだが、今日は任務で来ているので移動代と食事代は学園が全て負担してくれるので、使わない手はない。


任務でなくても俺の場合はMSSLV3割引が効くので普通の人達よりは安く乗れるのだが、それでも気軽に乗れる値段ではない。


「わかった。じゃあすぐ戻ってくるから待っててくれ。マキナのお土産とかも一度全部置いてくるから、帰りに俺の家に寄ってくれよ」


イリアが頷いたのを確認して、俺は転タク乗り場まで小走りで向かった。


ーーー数分後


「おまたせイリア、じゃあステージの方に行こうか」


転タクのおかげでかなり早く荷物を置いて戻ってこられた。


しかしステージが見える場所までは少し距離があるので俺は急ぎ足で入り口の中へ向かおうとしたが、イリアに呼び止められた。


「あっ、待って!はいこれ巡廻証。タクトの分も借りて来たから、ちゃんと付けておいてね」


「あぁ、忘れてた。ありがとう」


巡廻証を腕に付けていないと、チケットがない俺はステージ付近まで入って行けない。


今日の俺は王城任務で、巡廻証を持っていなかったのでイリアには感謝しなければ。


「これでよしっ!じゃあ今度こそ行こう」


「うんっ」


イリアから受け取った巡廻証を腕に付け、俺とイリアは人の流れに飲み込まれるようにライブ会場へと歩いていった。

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