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光のタクト  作者: セカンド
世界を変える大雨
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【 晴天気分 】

新年明けましておめでとうございます。

たくさん食べて、いっぱい寝て、みんな一緒に太りましょう!

みんなで太れば怖くない♩


では、本年も宜しくお願いしますm(_ _)m






一夜明けて、今日はついにセントクルス遠征当日だ。


前回のセントクルス遠征は中等部2年の春だったので、俺が故郷であるセントクルスに行くのは2年とちょっとぶりになる。


「おねえちゃん、タクトお兄ちゃん、気を付けてねぇー!お土産よろしくねー!」


週末という事もあり、すれ違う人達からは朝の憂鬱ではなく休日の愉悦が感じられる。


マキナも今日はデュランの妹と遊ぶらしく、俺達と駅まで一緒に来ていたが、元気よく手を振ったあと、反対のホームへと向かって行った。


マキナを見送った俺とイリアはそのままMSS専用車両に乗り、学園へと向かった。




「タクトこれ持っていって。もし怪我をしたら中に入ってる花びらに触れながら魔力を流してね。はい、マリアちゃんの分も」


駅を出て2人で並んで歩いていると、隣を歩くイリアが鞄の中からお守り袋を二つ取り出して俺に手渡してきた。


健康第一と書かれた袋の中にはダリアという花の花びらが一弁入っている。


これはただの花びらではなくイリアのアイデン《花吹雪》で作られた花で、高い治癒効果がある。


イリアはセルと違い、自分のアイデンをかなり使いこなせるようになっていて、昔に比べて治癒力も範囲も大きくなっているし、応用力も増している。


アイデンが発現した当初は小さな一重咲きのダリアしか作れず、治癒力も小さな切り傷の出血を止められる程度だった。


咲かせた花もすぐに消えてしまっていたので、目の前の人にしか効果はなかったが、今では花びらを舞わせる事で複数の人を同時に治癒できるうえに外傷ならほとんど治す事が可能だ。


それに一度作った花びらは、治癒に使うかイリアが消そうとしない限り消える事もない。


俺はイリアにお礼を言い、お守りを鞄にしまった。



「そういえばマキナのお土産はなにを頼まれたんだ?」


「プロマイド写真とタオルが欲しいって言ってたけど、すごいたくさん人が来るみたいだから買えるか不安なんだよね」


「たしかライブがあるんだったよな?誰のライブなんだ?」


イリアは中心街の巡回が担当で、今日は中心街でライブがあるとクローツ先輩が言っていた気がする。


「シオンちゃんのライブだよ!私もマキナも大好きで良く聴いてるの!生でシオンちゃんの歌が聴けるなんて夢みたい!レベル3で良かったぁ」


「う、うん。よかったな。俺も魔獣の討伐が終わったら中心街に行ってみるよ。俺の方が早かったらマキナのお土産先に買っておくよ」


イリアが珍しく興奮していて少し驚いたが、楽しそうに話すイリアを見ると安心する。


それに俺もシオンの歌は毎朝リピートで聴くほどお世話になっているので実物を見れるかもしれないと思うと、ちょっと楽しみだ。


俺が戦うわけではないが、さっさと魔獣討伐を終わらせてライブ会場に行かなければ。






すれ違う人達から溢れ出る休日の愉悦に当てられたかのように、良く晴れた晴天を目を細めて見上げる俺の気分も少し高揚としていた。

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