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光のタクト  作者: セカンド
世界を変える大雨
12/165

【 チカラ 】

____________


今のこの世界で、個の能力を表す物はたくさんある。


知力であったり腕力であったり魔力であったり。


その中でも色々な場面で重要になったり、基準になったりする物がある。


まずは《MSS》

これはレベルもそうだし、感染しているかどうかもそうだ。

機密を扱う立場の人はMSSが必須であり、現在の重役はほとんどが20代から30代前半のMSS感染者が請け負っている。

会社などでトップの人は他にいたとしても、他社との会議などはMSS持ちでないと対等に渡り合えないからだ。



次に《魔力》

魔力のない人間はいないが、得意属性や魔力の大きさで出来ることの幅や役割も変わってくるので、これも大事。

街灯やイルミネーションなどを手掛けるのは雷属性が得意な人がやる方が他属性の人がやるより効率もいいし負担も少ない。

家を作ったり開拓作業などでは地属性が役に立つ、などなど。

ほとんどの人は1人につき得意属性は二つあり、産まれてすぐに病院の検査で知る事が出来る。

種類は《地水火風雷光闇》の7つで、出身地や血筋などで生まれた時に決まっている。

得意属性が三つあると多才だと言われ、四つ以上あれば天才と言われる。

滅多にいないらしいが、得意属性が一つしかない場合は魔力が人並なら劣等、大きければ最優と言われる。



そして最後が《アイデン》と《ジース》

アイデンはアイデンティティスキルの略で大体10歳くらいまでに誰もが身に付けるオリジナルスキルだ。

これは環境や趣味、教育や興味などで決まっていく個性の延長みたいな能力で、人を見る上で一番重要な能力になる。

アイデンにはその人の性格や趣向が色濃く影響を受けるので、アイデンを知ればその人がどんな人なのかが多少は分かったりするからだ。


ジースはジーニアススキルの略で生まれ持った天性の才能。

アイデンは誰もが発現するが、ジースを発現できる人は極めて少ない。

その代わりジースはアイデンとは比べのものにならないほど強力な能力がほとんどらしいので、ジースを発現出来た人はそれなりに有名にもなるし権力なども得る事ができたりする。

まぁ能力次第だけど。


ジースはアイデンと違い、性格や趣味などの影響を受ける事がないらしく、生まれつき性能が決まっているとの事。

その為か、ジースを持っていても気づく事なく一生を終える人もいるとかいないとか…。


もちろん俺はジースなどという大それたものは発現していないし、俺にそんなものがあるとも思わないから、授業で習う以上の事は知らない。



俺にあるのは劣等と言われる魔力と《共存》というアイデンとMSSだけ。


俺のアイデン《共存》は名前の通り、他人の意識に入り込み勝手に共存する力だ。


そして入り込んだ相手の身体を俺が動かす事もできる。

対象は人間一人だけなので、多数が相手であったり魔獣が相手になると役に立つ事ができない。


その他にもリスクや制限はあるが、少数相手に不意打ちをするのには丁度いい力で、人質を捕らえているのが一人でしかも油断しているこの状況は俺にとってベストである。


____________



「ああ、人質は俺が解放する。セルは彼氏の方の2人組を頼む。イリアは解放したカップルの怪我の治療な」


「オッケー」


「うん、2人とも気をつけてね」


時間が経てば経つほど殴られている彼氏さんの傷が増えるだけなので、役割を決めてすぐに行動に移す



===


「へっへっへ〜、あいつから金を巻き上げたらお前もたっぷり可愛がっ・・・っ!?」


「お、おい!何やってんだよ!っうが」


俺は人質を捕まえていたモヒカンの男に乗り移り、彼氏を殴っていた2人組に突っ込んでいき、少し太った男の顔面を殴った後、近くの川に飛び込んで〝共存〟の能力を解除して自分の身体に意識を戻した。


「ビリルーサ!」

「お兄さん、お姉さん、早くこちらへ!」


俺が自分の意識をモヒカン男から自分自身に戻し、急いでセルの援護に向かうと、既にセルの雷属性の魔法によって気を失った暴漢2人がロープで縛り上げられていた。

川に飛び込んでから意識を返還したモヒカン男も、溺れそうになっていたのを引き上げて縛り上げた。


「タクトおつかれ!相変わらず便利なアイデンだな。ずりぃ。」


暴漢3人を縛り上げ警察に連絡を取り終えて、とりあえずは無事に解決だ。


捕まっていた彼女に怪我はなく、彼氏の方もイリアが傷の手当てをしているので、少し服が破れてしまってはいるが他は完全に完治するだろう。


不意をつけた事で、思ったよりも早く解決できてよかった。

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