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光のタクト  作者: セカンド
魂の軌跡
108/165

【 ジンとトニック 】


ーーーヒスバリー国城下町 大図書館街




ヒスバリー王城から見て正面である南側に大図書館街があり裏手になる北側には海に面した貿易港がある。


どちらもいつもは夜中であろうとも大勢の商人や観光客などで賑わっているのだが、今日は人が出歩いている気配はない。


既に深夜を回っているのも理由の1つではあるが、1番の理由は前日の夜に起きた行方不明事件。


大図書館内の人間が突然消えてしまった事件で、その理由も原因も未だ不明。

消えた人間は誰一人として見つかっておらず、街の中は異様な緊張感と静けさが支配していた。



だが、不気味な静けさが満ちた城下町の中心にある大図書館とヒスバリー王城の中間にそびえ立つ時計塔だけは、この暗い雰囲気とはかけ離れた存在感を放ち 場違いな程明るくライトアップされていた。



ーーーーー



「ふぁ〜ぁ・・・誰も来ない大図書館なんて警備する意味あんの?なぁトニック、暇だから俺もう帰っていいか?」


「ふざけるなよジン。昨日あんな事件があったのにどうしてお前は緊張感を持てないんだ?油断しているとお前も行方不明になるかも知れないぞ」



雨音だけが響く静かな城下町、大図書館街に気怠い声と少しの怒気を含んだ声が響く。


声の主は、同じ紋様の入った警備服を着た三十代後半ぐらいの男性2人。

大図書館に数多くある出入り口の1つ、第二北口警備を任された警備兵、ジンとトニックである。


2人の背後にはもちろん大図書館の入り口があり、入り口を背にして立つ2人の正面には歌姫シオンと相方ケントのムーブペイントが施されている大きな時計塔が見えており、その奥にはかすかにヒスバリー王城も見えるのだが、2人は観光客ではなく この国に住む人間である為、見慣れたその風景に関心を向ける事はなく 職務を全うしながら会話を続けていた。



「行方不明っつったてなぁ、どうせボイコットかなんかだろ?ビルの奴なんていつも『仕事中に酒が飲めないのはおかしい』とか頭のおかしい事を本気で嘆いてたじゃねぇか。ーーー2、3日すればしれっと出て来てデモ活動でもするんじゃねぇか?」


気怠そうにそう言うジンは、昨日の行方不明を事件だとは思っておらず 頭のおかしい同僚の頭のおかしい抗議活動だと思っているようであったが、隣に立っているトニックという名の男はそうは思っていなかった。


「ビルだけなら私もジンと同じ事を思ったと思うが、消えたのはビルだけじゃない。あの真面目なシャンディやガフまで一緒に消えて 私達になんの連絡もしないのは有り得ないだろ」


「78人が音もなく消える方があり得ないっつーの。何かが盗まれたわけでもなく争った形跡もなし。一緒の時間に勤務してて行方不明にならなかった奴等も異変はなかったって言ってんのに、どこに事件性があるんだよ?どうせ今頃みんなでセントクルス中心街にでも転移してベロンベロンに呑んだくれてやがんだよ……チッ、なんであいつらの穴埋めを俺がしなきゃなんねぇんだっつの。しかも館内じゃなくて北口警備ってーーー戻ってきたらぜってぇ酒奢らせてやる」


難しい顔をしながらボイコットの可能性を否定するトニックに対し、警備服のボタンを全部開けてだらし無く立っているジンは事件性を完全に否定し 不貞腐れていた。



ーーこの大図書館は五階フロアまであるが、三階フロアまでは24時間出入り出来るようになっており、館内には常時2000人もの職員や警備兵が在任している。


深夜であっても一般公開されている一階フロアに入るだけならば 危険物の所持をしていなければ誰でも自由に入れるが、二階フロアに上がる為には受付で身分証の提示が必要になり三階フロアになるとヒスバリー王城で発行される許可証が必要になる。


上の階に行くほどフロアは狭くなるが貴重な歴史書や魔導書が保管されており、その分警備が厳しくなり三階フロアからは職員以外に兵士数十名とMSSレベル3が1名ずつ常に配置されているほどである。



現在北口警備を任されているジンとトニックも警備服を着用しているが、本来の肩書きは兵士。

ヒスバリー国の軍人であり、普段であれば大図書館三階フロアの警備を 消えた仲間のビルやシャンディやガフなどと一緒にローテーションでこなしていたのだが、前日の行方不明のせいで本日は北口警備に回されたのだ。


司書達により本の盗難が無かったのは確認済みだが前日の件はまだ何も解決しておらず、万が一事件であった場合を考えて 戦闘に特化した者と補助に特化した者でペアを組み、全部で10ある一階フロアの入り口にそれぞれ配置する事で警戒を強めつつ牽制しろと上官に命令され、ジンとトニックは北口警備に付いていた。



ーーー同じ職場で働くジンとトニックだが、今回の行方不明の件で考え方に食い違いがあるのは元々の性格もあるが、MSSレベル3がいる三階フロアの人間も消えたからという理由もある。


MSSレベル3と同じフロアにいたにも関わらず異常はなかったと伝えられている事で、ジンは事件性なしと判断し トニックはMSS感染者による犯行ではないかと疑っていた。



「トニックはいつも悪い方に考え過ぎなんだよ。事件性はなし!わざわざ世界最大の図書館にまで来て人だけ盗む意味なんかあるか?それにもし誘拐だったとして、犯人はMSS感染者で心声が聞こえないとしても三階に居たレベル3の奴が警備兵達の心声を聞き逃すと思うか?あり得ないだろ。それともなにか?誰一人声でも心でも助けを呼ぶ隙もなく拉致られたってか?もっとあり得ないだろ。どう考えてもボイコットだっつの。ーートニックも難しい顔してねぇで時計塔の歌姫ちゃんでも見て癒されてろよ。俺達の仕事は調査じゃなくて警備なんだから、気楽にぼけーっと突っ立っとこうぜ。俺はちょっくら酒…じゃなくてドリンクでも買ってくるからよ」


同僚でもあり友人でもある心配性のトニックの表情に、ため息を吐きながら持ち場を離れていくジン。


お気楽というよりは適当な態度をとるジンが持ち場を離れて買い出しに行くのを黙って見送ったトニックも ジンと同じ様にため息を吐いていたが、ジンの言う事にも一理あると思い 気分を変える為に時計塔を見上げた。



「はぁ…、事件にせよボイコットにせよ、考えるのは私の仕事ではないか……」


明るく光る時計塔で軽やかにステップを踏む歌姫のムーブペイントを見ても 気分が爽やかになる事はなく、トニックは5秒に1度のペースで溜め息を吐きながら 誰も訪れない入り口を警備していた。



ザァーーーーー・・・



「本当に今年の雨はよく降るなぁ。そろそろ止まないと貿易港の方に被害が出るかもしれないな。この街まで海水が来る事はないだろうが、王城に被害が出たら大変だ………いかんいかん。またこんな心配ばかりしているとジンにぶつぶつ文句を言われてしまうな」



ザァーーーーー・・・



「ーーーそれにしてもジンの奴遅いな。まさかあいつ本当に帰ったりしてないだろうな……いや、あいつは適当な奴だが無責任な奴ではないから それはないか。どうせまた濃厚コーヒーにしようか濃縮還元ジュースにしようかで迷ってるんだろうな」


大図書館自体に様々な災害対策結界が施されている為、トニックが警備しているこの場所も雨が降りつける事はないが、結界外の数メートル先では絶え間なく雨が降り続いている。


コーヒーを買いに行くと言ったジンは、結界の外へと歩いて行ったきり中々帰って来なかった。




心配性だとよくジンに言われているトニックではあるが、中々戻らないジンの心配は全くしていなかった。

自分よりも魔力も判断力も腕力も優れているジンに対しては、心配よりも信頼の方が強いからだ。



ザァーーーーー・・・パシッ、パシャ



ジンが持ち場を離れてから40分程が過ぎると、雨音に混じって防雨結界が雨を弾く音と足音が聞こえてきた。


トニックは40分も仕事をサボったジンに多少苛立ってはいたが、それよりもちゃんと戻ってきた事に安心していた。



「遅いぞジン。飲み物を買うのにどれだけ時間を掛けてるんだ。もちろん私の分も……ん?ジンじゃない・・・?」



止まない大雨と行方不明事件が未解決なせいで 夕方以降の来館人数が過去最低記録を更新し、22時を回ってからは来館した一般人0人という1日であった為、まさかこんな深夜に人が来るとは思ってもいなかったトニックは見知らぬ人影に多少の驚きを感じた後すぐに警戒した表情で歩いて来る人影を見守った。



ザァーーーーー・・・パシッ、パシャパシャ



「・・・子供?こんな時間に1人で…?」


トニックが立つ大図書館の入り口に向かって歩いて来たのは、ドリンクを持ったジンではなくバスタオルをローブのように着用する小さな男の子であった。


迷子にしては周りをキョロキョロする仕草も見当たらず、トニックの方へと真っ直ぐに歩いて来る黒髪の少年。

姿が見えるまでは警戒をしていたトニックであったが、小さな子供だと判明すると警戒を解き その子供が目の前までやってくると、腰を落として少年に声を掛けた。



「こんばんわ。1人でこんな時間にどうしたのかな?図書館にお母さんでもいるのかい?」



「おかあさんは・ははおや。としょかんは・こたえ。ーーーおまえは・おかし?」



黒髪の少年は真っ直ぐにトニックの瞳を見つめ、よく分からない事を言い出した。


「う〜ん…とりあえず、中に入るか?」


トニックは会話が成り立たない子供を目の前に、どうしたものかと悩んだが、大雨の中さっさと帰れとは言えず とりあえず館内へ連れて行って他の誰かに任せようと考えた。


「さぁ、こっちにおいで」


トニックは立ち上がった後、少年に右手を差し出し 館内へと連れて行こうとした。


差し出した右手に黒髪の少年が左手を乗せたのを確認したトニックは図書館の入り口に向かって歩きだしたのだが、数歩進んだところで足を止めた。


「ーーーん?」


足を止めた理由は、手を繋いで一緒に歩いていたはずの少年が付いてきていない事に気が付いたからだ。


しかし、手を繋いでいるのに付いて来ないというのは あまりにも不自然。


手を放した記憶はない…という事は、手を繋いでいるはずの少年が 自分より数メートル後ろで立っている今の状況は有り得ない。


「いつの間に私の手から離れーーーなっ!?」


そしてトニックは、手を繋いでいた少年が離れた場所にいる事など、取るに足らない疑問である事を理解する。


音も痛みも違和感も無く消滅した自分の右手を見たトニックは驚愕し絶句した。


一体なにがーー?

そう思ったのは一瞬であった。


なぜなら、答えは目の前の少年が口で教えてくれたから。


口と言っても、言葉ではなくモグモグと口を動かす事でだが。


「き、貴様ーーー私の手を……喰った、のか?」


自分の腰よりも身長が低く、吹けば飛ぶような華奢な身体を ふざけたバスタオルで包み込んだ目の前の少年が自分の右手を喰らった。


ジンのように戦闘に特化しているわけではないにしろ、仮にも軍に所属している自分の利き手を子供が喰らったという非現実的な現実を、トニックは疑問など一切持たず すぐに理解していた。


目の前の少年が醸し出す圧倒的な負の雰囲気が、それを理解させたのだ。



「(なんなんだこいつは…利き手がやられた以上、私1人では荷が重い。くそっ、ジンは何をしているんだ。とにかく館内の仲間に救援をーーー)」


自分の利き手が喰われている中、辛うじて冷静さを保つ事が出来たのは警備兵としての責任感か、軍人としての誇りか、生真面目な性格のせいか…


気休めにしかならない治癒魔法を右手に掛けながら、目の前の子供の力量が不明である以上単騎で挑むのは愚策と判断し、館内にいる仲間達に救援を要請しようとしたがーーー



「あっしゅく。あっしゅく。あっしゅく」


「・・・は?ふざ、けるな……ふざけるなよこのクソガキがぁっ」



黒髪の少年が胸の前で両手を重ねながら魔力を圧縮させる姿を見たトニックは、目を見開き肩を震わせ、完全に冷静さを無くしてしまい念話を送るのも忘れて少年に飛び掛かってしまった。



「貴様ぁぁぁっ殺してやるぅぅぅっーーー」


ただの攻撃魔法ならトニックは冷静さを保つ事が出来ただろう。

見たことが無い力であれば、少年のアイデンだと判断したはず。


しかし、目の前で展開された力はトニックが良く知っている能力であった為、冷静さを保つ事が出来なくなってしまったのだ。


「それはジンのアイデンだっ!貴様が使っていい力ではないっっっ、死ねぇぇぇーーーー」


トニックは左手に持った剣に火の魔力を付加させ、少年の頭上から勢い良く振り下ろした。


燃え盛る剣はトニックの怒りがそのまま具現化されたように力強く燃え上がり、その切っ先が少年の身体を頭から真っ二つにしようとした刹那ーー


「かんげん」


黒髪の少年がジンのアイデンを解放した。





================



ーーこれは、いつの事だったかな。



「おいトニックっ、これ飲んでみろよ。最っ高に美味い俺の特製オレンジジュースだ!」



あぁそうだ。

これはたしか5年前…大図書館勤務になってから1年が経った頃くらいの記憶だ。



「オレンジジュース?ジンの特製というのが気になるが、折角だから頂こうーーーーぶはっ、ゴホッゴホッ、なんだこれは!?味が濃過ぎるっ」



同時刻に勤務を終えたジンがニコニコしながら渡してくれたオレンジジュースは、途轍もなく味が濃くて驚いたな。



「はははっ!どうだ、美味いだろっ?コップ一杯にオレンジ2000個入ってるんだぞ!いやぁ〜やっぱ濃い味は最高だよな!」



後で聞いた事だが、ジンの母親が大量に送ってくれたオレンジを前日の夜にジン1人で黙々と圧縮していたらしい……

仕事の時は大雑把なくせに、自分のやりたい事にはマメな男なのだと、この時初めて知ったんだっけ。



「ゴホッゴホッ・・まさかジン、お前のアイデン《圧縮還元》って味が濃いのが好きで身に付いた力…なのか?」


「おうっ!これ以上ない最高の能力だろ?でも本当は圧縮還元じゃなくて濃縮還元なんだけどな。俺が戦闘でアイデンを使ってるのを見た他の奴らが勝手に改名しやがったんだよ。本来はこうやって飲み物や食い物を濃縮して味の濃い物を作って食べるのが一番正しい使い道なんだ。シャンディとビルもよく俺にアルコールの濃縮を頼んでくるんだぜ!あいつらホント酒バカだよな」



私とジンは元々セントクルス王国の軍人として働いていた。

その時は面識はなかったが、私はジンの功績を知っていた。


魔力であろうが物質であろうが自在に圧縮し 自由に元に戻す事が出来るアイデンは、多数の戦闘で多大な貢献をしていたからだ。


中でも魔力の圧縮は、敵からすれば脅威だったはずだ。


目に見えないほど圧縮された魔法は、大きさと威力が全く比例しない為 防ぐのが困難な上、目視による感知がほぼ不可能になり 相手はかなり神経をすり減らされた事だろう。



「・・戦闘ではあれだけの猛威を奮っていた力の正体が、味が濃いのが好きだからとは…お前にはいつも驚かされるよ、本当に」


「戦闘なんてしたくてしてる訳じゃないっつの……まぁでも戦争も終わってMSS騒動も落ち着いてきたしな。こっからは適当に働いて、沢山酒飲んで、お前達と一緒に楽しさを濃縮還元した人生を送るとするかな」



短い人生に楽しさをギュッと詰め込んで笑いながら死ぬのが俺の夢だ…と、人生を語るにはまだ若過ぎる年齢のくせに、ジンはよくそんな事を言っていた。


そんなジンと大図書館勤務を共にするようになってから、それまでは堅物だと言われていた私も少しは砕けた性格に変わった気がするのは、おそらく気のせいではないだろう。


ジンに言わせればまだまだ堅物らしいのだが、そんな自分も嫌いではなかった。


そう思えるようになったのも、ジンのおかげだな。


他の仲間達も、おそらく私と同じようにジンと出会い変わっていったはずだ。


自分の血はアルコールで出来ていると本気で思っていたビル。

大酒飲みのビルよりも大酒飲みなのに、一度も酔っぱらったところを見た事がないシャンディ。

シャンディの弟であり、ジンに憧れをいだく小心者ガフ。

そこに私とジン、それと上官のスピリタス中将。


ヒスバリー国に来てからの縁ではあるが、ジンを中心に良く纏まったチーム。

家族のいない私にとってはまさに家族のような存在達だったな。



「ジン、ありがとう」


この時、自分でも不思議なくらい自然にありがとうと言ったのを覚えている。


今考えると少し恥ずかしいし、言われたジンからすれば意味が分からなかっただろうな。


案の定その後ジンは


「はぁ?何気持ち悪い事言ってんだよ。まさかアルコール0%の俺の濃縮オレンジジュースで酔っ払ったのか?ーーーおっ、ビル達も来たみたいだな。よっしゃトニック、んじゃ今から本当に酔っ払いに行くぞ!明日は俺もお前も深夜勤務だから、今日は朝まで呑みまくるぞっ」


と言っていたしな。



「程々にしてくれよ。勤務が終わったからといって、いつどこで何が起きるか分からないのだからな。常にーー」

「あーうるせぇうるせぇ!そんな事気にしてたら酒が不味くなるだろうが堅物!いいから早く行くぞ」



人の言う事を何も聞いてくれないジンやビルに毎日イライラしてはいたが、楽しかったな。


シャンディはこの頃からジンに惚れていたんだっけ…結局まだ告白すらしてないみたいだけど、2人とももういい歳なんだし 早く結ばれるといいな。


姉が憧れのジンと結婚なんて事になったら、ガフはどんな顔するんだろうな…喜ぶのかな、いや、泣くだろうな。


スピリタス中将は怖かったなぁ。

英雄サラより怖い女だってジンがよくぼやいてたが、英雄サラをよく知らない私もそれには同感だったな。


あぁ、また、みんなでーーーー




================





ボンッーー


クチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃクチャくちゃ




小さな破裂音と共にトニックの首から下が木っ端微塵に砕け散り、胴体から分離された顔だけが空高く飛び上がった。


クルクルと回りながら空を舞うトニックの首の下の方では、不快音を発しながら飛び散った身体を貪る小さな悪魔がおり、遥か上空にはーーー真っ黒な雲が浮遊していた。








※ ※ ※ ※ ※ ※


こんばんわ、セカンドです。


更新遅くなって申し訳ありません。


それと1話1話が長くなってしまい読みにくいと思われている方、ごめんなさい。


次の話でひとまずデブディモ編が終わり、また主人公タクト君の話へ戻ります。


今後も気長にお付き合い下さいますよう

どうぞよろしくお願いします。





セルス

「ーーーチラッ」


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