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短編・季節もの

ハルカゼノあこがれ

作者: 鵠っち

「くしゅん!」

 ……ああ、昨日の夜は暖かいからって油断したかな。

「ねーちゃん、大丈夫か?」

「あー、ちょっと喉痛いかも。風邪薬あったっけ?」

「だから言わんこっちゃない。はやく着替えろっつーのに、風呂上がりに裸でうろうろしやがって」

 ごめん弟よ。ねーちゃん昨日は大丈夫だと思っちゃったんだ。

「ほらあったよ」

「ありがとう。……これ食後じゃん」

「あーもう! ご飯はお釜に残ってるから、あとは自分でどーにかしてって、母さん言ってたから。じゃあ、学校行くからな」

「うん、わかった。いってっらっしゃい」

 ――――バタン

 あぁ、行っちゃった。頑張って起きてご飯食べてお薬飲まなきゃ……。


「んん~~……ん?」

 あれ、弟よ、なぜ私の部屋にいる?

「ん? 目、覚めた?」

「あれ、どしたの?」

「心配で部活さぼった」

「そう……」

 なんだか、風邪で休んだのが心配で家まで来てくれる彼氏みたい。……そんなのいたことないけど、そんなシチュエーションは憧れちゃう。

「変なこと言うなよ。……それよりお昼は食べたの?」

「ずっと寝てたから食べてない」

「そんなことだろうと思ったよ」

 変なことってなんだろう? もしかして私、口に出てた?

「なんだろう、いつもこのくらいしおらしければ、かわいいと思うよ。うん」

 なによ。いつもの私だってしおらしく……ないか……。

「っていうか、ねーちゃんに向かってかわいいとは生意気」

「看病してやってんのに口答えするとは生意気」

 確かに、って、いやいや。別にねーちゃんが頼んだわけじゃないもん。

「あー、拗ねんなって。かわいくないよりはいいだろ?」

「そういう問題じゃないんだけど、まあ、……アリガト」

 かわいいって言われて嬉しくないわけじゃないんだよ。ただ、ね? 弟だよ?

「あ、ねーちゃんが弱ってるところに付け込もうったって、そうはいかないんだからね?」

「一瞬思わなかったわけじゃないけど、大丈夫だから安心して」

「こら、一瞬でも思うんじゃない」

 結局、夕飯におかゆを持ってきてくれたり、またお薬を持ってきてくれたりして、この弟は意外と優しくて気が利くんだなぁ……なんて思ったら、なんだか急に顔が火照って、余計に心配されたりした。

 もうだめ、こんなの絶対に熱のせいなんだから!

 いつだかはくしゃみで始まって花粉症(?)だったんですけど、今回は風邪になりました。まだまだ寒い地域もあるかもですが、暖かくなってきたからと油断しなさらないようお気を付けください。

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