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聖龍戦隊リュウケンジャー  作者: 紫龍院 飛鳥


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第五話 夜露死苦!青春のラウンド1!

ある日の早朝、いつものようにロードワークに励む潤平

プロボクサーでもある潤平は毎日トレーニングを欠かさずに行い、日々自分を鍛えることが日課なのである。

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……」

黙々とひたすら朝の人気のない広場を走っている

…っと、そこへやってきたのは一矢と晴美

二人もジャージを着てジョギングをしている

「ん?おぉ、潤平君おはよう!いい朝だね~」

「おぉ、なんだお前らもトレーニングか?」

「そう!私もリュウケンジャー一本で行くって決めたからにはとことんやらないとね!まずは体を鍛えることから始めようかなって思って…」

「それで無難なところでランニングでもしようかって話になったんだ」

「なるほどな、まぁでも体を鍛えるってことはいいことだ、よし!ならお前らオレと一緒に行くか?」

「うん!もちろん!」

「私も行くよ!」

「よし、じゃあついてこい!」

こうして三人仲良く走ることになった

…しばらく走った三人は近くの公園のベンチで休憩をとる

「…ハァ~!いい汗かいたぜ~!」

「えぇ、すごくいい運動になりましたね…」

「ハァ、ハァ…つっかれた~!」

三人とも思いきり走りすぎてバテバテの様子

「ハァ…潤平君って毎朝こうやって鍛えてるんだ?」

「あぁ、少しでも沢山練習して強くなっていつか絶対チャンピオンになるのがオレの夢っつーか、そうだな…目標だな」

首にかけたタオルで汗を拭いながら側の自販機で飲み物を買って一矢と晴美にも買って手渡した

「実はオレはよ、高校ん頃はとんでもねぇほどの悪ガキでよ…学校サボっては他の学校の連中としょっちゅう喧嘩ばっかしていてな…」

「へぇ、そうだったんですか…」

「そんなもんだから先公なんかみんなオレをクズ呼ばわりしてオレのことを見向きもしなかったんだ…だけどあの人だけは違ったんだ…」

「あの人?」

「オレの人生の恩人、村野先生だ…」


…時を遡ること五年前、 潤平がまだ高校生だった頃の話。

潤平は他校の生徒と喧嘩して、警察に補導されていた

当時潤平の担任だった村野先生は潤平が問題行動を起こす度に頭を下げていた

「この度はウチの生徒がご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした!」

深々と頭を下げて謝る村野先生

「このバカもん!なんでお前はいつもいつも問題ばかり起こすんだ!?」

「…チッ、うっせーな!ウチの学校の奴があいつらに因縁つけられたから仕返ししただけだっての!」

「…なぁ秋本、お前そんなに毎日喧嘩ばかりしててそれでいいのか?」

「あ?」

「なぁ、どうせ喧嘩するんならそのパワーを他のことに使ってみないか?」

「どういうことだよ?」

「ついてきな、お前に喧嘩よりも面白いモン教えてやる!」

そう言って潤平が連れて来られたのは学校のボクシング部の部室だった

「あんた、ボクシング部の顧問だったのか…」

「そうさ、こう見えてオレも学生時代コイツで全国制覇したもんだ」

「全国制覇?」

「お前もやってみないか?全国制覇」

そう言われた潤平は足下に転がっていたグローブを拾い上げ

「…こんなオレでも、全国制覇できんのかよ?」

「あぁ、オレがみっちり鍛えてやるからな!覚悟しろよ!」

「…フッ、上等だコラ」

それからと言うものの、潤平は村野先生とともに猛練習に励み全国制覇を目指した

最初の内を大会に出ても負け続きだったがそれでも挫けずに猛練習を重ねて、ついに三年生の最後の大会で全国優勝を成し遂げたのだった。

「先生ありがとう!ここまで来れたのも先生のおかげだ!」

「ホントによく頑張ったな!おめでとう!」

「…先生、オレまだまだ強くなりたい!次はプロになって、世界制覇したい!」

「そうか!新しい目標ができたんだな!よし、男同士の約束だ!必ず世界チャンピオンになれよ!」

「はいっ!!」


…話は戻り現在、潤平の話を真剣に聴く一矢と晴美

「いい話ですね…」

「潤平さんも色々苦労してたんですね…」

「あぁ…おっとそうだ!そろそろ行かねぇと!」

「?、どこ行くの?」

「実は今日その村野先生に今のボクシング部員にトレーニングつけてくれって頼まれてたんだわ!」

「そうなんですか、もし良かったら僕も一緒に行っていいですか?」

「おう、かまわねぇぜ!よしじゃあ行くか!」

「あっでも私は学校あるからいけないや…」

「そっか、じゃあ一矢だけ行くか」

「はい!」

潤平に連れられ学校へ向かう一矢


…一方その頃、邪龍一族のアジトでは

「お呼びでしょうか?獄龍斎様…」

獄龍斎に呼び出された龍牙

「うむ、体の調子はどうだ?龍牙よ…」

「すこぶる快調でございます…」

「そうか、なら良い…今回はお前に行ってきてもらおうか?」

「御意…」

「ちょっと待てよ親父ぃ!オレ様にも行かせてくれよ!」

「いえいえ、ここはどうかこの私に行かせていただきましょうか?」

「あんだと?テメェ龍明りゅうめい!すっこんでやがれ!」

「おやおや兄上、前回リュウケンジャーどもにこてんぱんにやられたばかりだと言うことをもうお忘れですか?」

「何ぃ!?もういっぺん言ってみろコラぁ!!」

メンチを切り合う爆龍と龍明

「もう!爆龍兄様も龍明兄様もズルいー!アタシも行きたいー!」

龍々(ロンロン)まで加わりヒートアップする兄弟喧嘩

「止めんか見苦しい!」

喧嘩を見かねた獄龍斎が一喝し、兄弟喧嘩がピタリと止まる

「ならば今回は龍牙と龍明!お前達に任せる!」

「ありがとうございます…」

「チッ!面白くねぇ!」

「な~んだ、残念…」

「では、参りましょうか…龍牙」

「…御意」


…学校に到着した一矢と潤平

と、そこへやってきたのは

「おう、一矢に潤平やんか!何してんねんこんなところで」

「正子さんこそ、どうして学校に?」

「これも仕事や、なんや青少年非行防止キャンペーンやなんやで各学校に指導に回っとんねん、今回少年係だけやと人手足りひんからゆうからウチと大樹も手伝うてんねん」

「大樹君も?」

「せや、暇や言うから荷物運びの手伝いしてくれてんねん、そんでアンタらはここに何しにきてん?」

「ここはオレの母校で恩師に頼まれて後輩の練習に付き合ってくれって頼まれたんだよ」

「そうやったんか、ほなもうウチ行くから頑張りや!」

「はい、正子さんもお仕事頑張ってください」

正子と別れた後、ボクシング部の部室へ向かう

今正に朝練の真っ最中でサンドバッグを打つ音やミット打ちの音が聞こえてくる

「おぉ来たか潤平!待ってたぞ!」

「お久し振りッス!先生!」

「しばらくだな!ん?そいつは誰だ?」

「はじめまして、潤平君の友人で桐島一矢と申します!今日は無理言って潤平君に見学させてもらいにきました」

「そうかそうか、いいぞぉ大歓迎だ!おーい!潤平先輩が来たぞー!」

中の部員達を呼ぶ村野先生

「押忍!おはようございます!先輩!」

「おーおー、ずいぶん人数が多いな!こりゃ鍛え甲斐がありそうだぜ!よしお前ら!オレについてこい!」

「押忍!!」

後輩の指導に入る潤平、ボクシングしている時の潤平の目は少年のような輝きに満ちていた。

「なんかホントに楽しそうだな潤平君…」

「そりゃそうだな、あいつは純粋にボクシングを楽しんでやがる…あいつにとっちゃボクシングは青春そのものだからな」

「なんかカッコいいですね、そう言うの…」

「あんたにはなんか目標はあるのかい?」

「僕は、子供の頃からずっと絵本作家に憧れてて色々描いては出版社に見せに行ってるんですけど…中々上手くいかなくて…でも諦めさえしなければ絶対に叶うって信じてるんです」

「そうか…叶うといいな、あんたの夢も」

「はい!」

次の瞬間、いきなり部室に大樹が慌てて入ってきた

「た、大変だべ!邪龍一族が現れたべ!」

「えっ!?」

「何だと?場所は!?」

「この学校だべ!校舎の方で暴れ回ってるべ!しかもあの龍牙とか言うとんでもなく強い奴も一緒だべ!」

「龍牙までいるのか!?分かった!すぐに行こう!」

「悪ぃ先生!ちょっと行ってくる!」

「あぁ、なんか知らんが絶対負けんじゃねぇぞ!」

「おぅ!」

現場へと急ぐ一矢達


「カニカニカニ!早う出てこいやリュウケンジャー!さもないとわいのハサミで校舎真っ二つにしたるでぇ!カニカニカニ!」

校庭で暴れ回るカニのモノノケ、『邪龍ガニ』

正子は生徒達を安全な場所に避難させていた。

「こっちはみんな避難完了や!」

「ありがとう正子さん!後は晴美ちゃんさえ来れば…」

そう言うや否や辰美が晴美をバイクに乗せて連れて来た

「間に合った!ありがとう辰美ちゃん!」

「みんな!後はお願い!」

「任せてください!みんなチェンジだ!」

「おう!」


「『ドラゴン・チェンジ!!』」


「『業火の龍賢者、ドラゴンレッド!!』」

「『流水の龍賢者、ドラゴンブルー!!』」

「『雷鳴の龍賢者、ドラゴンイエロー!!』」

「『大地の龍賢者、ドラゴンブラック!!』」

「『疾風の龍賢者、ドラゴンホワイト!!』」

「『聖龍戦隊!リュウケンジャー!!』」


「やっと来たか、リュウケンジャーよ…」

「カニカニ!ホンマ待ちくたびれたでぇ!」

「くっ…大阪のシンボルのカニをモノノケにするやなんて、許さへん!『ドラゴンマグナム!』ハァッ!」

レーザーを放つイエロー、しかし邪龍ガニの硬い甲羅に弾かれてしまう

「何やて!?」

「カニカニカニ!わいの甲羅はちょっとやそっとじゃキズつきまへんでぇ!」

「こうなったらあのカニ野郎はオレが仕留める!みんなあの鉄仮面野郎を頼む!」

「OK!」

「しゃあない、任せたで!」

「分かったべ!」

「行くよ!」

龍牙に向かっていく四人、対してブルーvs邪龍ガニ

「くらえカニ野郎!『ドラゴンナックル!!』」

渾身の力を込めてパンチをくらわす、しかしまたしても甲羅はびくともしない

「カニカニカニ!ムダムダ!」

「くっそ!オラオラオラァ!!」

ありったけのラッシュを浴びせる、しかしキズ一つつかない

「ハァ、ハァ…くっ…」

力尽きて攻撃の手を止めるブルー

「もう終わりカニ?そんなら今度はこっちから行くでぇ!くらえカニ挟み!」

邪龍ガニの大きなハサミがブルーを捕らえ挟み込む

「ぐぁぁぁぁぁ!!」

「このまま真っ二つに引き裂いてやるでぇ!カニカニカニ!」

絶体絶命のピンチかと思ったその時…

「潤平!しっかりしやがれ!!」

村野先生が遠くから声援を送る

「せ、先生…」

「お前世界チャンピオンになるんだろ!?だったらそんな奴なんかに負けてんじゃねぇぞ!!もっと根性見せやがれ!!」

「先生、そうだ…こんなところで負けてたまるか!オレは…世界チャンピオンになるんだぁ!!うぉぉぉぉぉ!!」

「カニ!?」

力ずくで邪龍ガニのハサミから脱出するブルー、そこから猛烈なラッシュを浴びせる

「うぉぉぉぉ!!」

「な、そんなバカニ!?わいの自慢の甲羅が!」

「こいつで、トドメだ!篤と見やがれ!龍の力ァ!!『ドラゴン・ビッグウェーブ・アッパー!!』」

ブルーの必殺技がクリティカルヒット邪龍ガニの甲羅が粉々に砕ける

「ガニぃぃぃぃぃぃ!?」

「邪龍ガニ…やられたか…フンッ」

「さぁ、後はお前だけだ!龍牙!」

「フッ、それはどうかな?」

龍牙は余裕そうな笑みを浮かべて懐から妖気カプセルを取り出す

「獄龍斎様からの施しだ…受け取れ!」

倒れている邪龍ガニの体にカプセルをねじ込む、すると邪龍ガニが巨大化して復活した。

「ったく、毎度毎度めんどくせぇな…」

「みんな行くよ!」

「『聖龍召喚!』」

五色の龍達が現れ、体を一つに合わせることで大いなる龍の巨人が誕生した

「『完成!ダイリュウジン!』」

「こうなったら、わいの底力見せてやるカニ!カニ泡光線!」

いきなり大量の泡を吹きダイリュウジンの顔目掛けて飛ばしてきた

「うわっ!何も見えねぇべ!」

「アカン!どないすりゃええねん!?」

「オレに任せろ!『ウォーター・キャノン!!』」

と、突如右腕を上に上げて水の弾を発射する

「何してんの!?前狙わないと!」

「まぁ見てな!」

すると落ちてきた水がダイリュウジンの顔に当たり泡が洗い流された

「カニ!?」

「よし!これでよく見える!トドメだ!」

「必殺!『ドラゴネス・インパクト!!』」

「カニぃぃぃぃぃ!!タ、タラバ…いやさらばガニ…ガニぃぃぃぃぃぃ!!」

爆発して消滅する


「…先生、ありがとうございました!」

「何、礼には及ばねぇよ!しかし、最後のアッパーは最高に決まってたぜ!」

「はい!ありがとうございます!」

「これからもどんどん強くなって、絶対に世界チャンピオンになるんだぜ!」

「はい!!」

「じゃあまたな!また空いた時でいいからたまに練習見にきてやってくれ、あいつらもきっと喜ぶ」

「はい、必ずきます!それじゃ…」

別れ際に堅く握手を交わす潤平と先生

「…いいよねぇ、なんか正に青春ってカンジ!」

「よせよ、照れくせぇ…」

「にして、オラ腹減ったべ…」

「よし!じゃあ折角だからみんなでごはんでも食べに行きますか!」

「おっええやないか」

「さんせー!潤平さんは?」

「オレは後でいいわ、もうちょっとトレーニングしてから行くから先行きな!」

そう言って潤平は走って行ってしまった

「はぁ…ホンマストイックなやっちゃな…まぁええわ行こ」

潤平をおいてさっさと行ってしまった四人

(…オレはまだまだ強くなる、世界チャンピオンにオレはなる!)


続く

次回、第六話『ナメたらアカン!浪花の刑事デカ魂!』


お楽しみに!!

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