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聖龍戦隊リュウケンジャー  作者: 紫龍院 飛鳥


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第四話 煌めけ!アイドル一番星!

今日は晴美の所属しているアイドルグループ『ドラゴネス・トライブ』のライブの日

小規模のライブハウスでのライブにも関わらず会場には多くのファン達が押し寄せて超満員である

皆揃いの法被や鉢巻きを身に付け、手には団扇やペンライトを持ち開演の時を今か今かと待ちわびていた。

そんなファン達の中に混じって一矢、潤平、大樹、正子、辰美の姿もあった

「うわぁ、すっげぇ人多いな!なんかワクワクしてきたな!」

会場に入るや否や人の多さに驚く一矢

「すっげぇべ!オラの地元の祭りよりも賑やかだべ」

辺りを物珍しそうにキョロキョロ見渡す大樹

「晴美の奴、そんな人気のアイドルだったのか…オレあんましアイドルとか興味ねぇからわかんねぇな」

会場でもらったパンフレットをパラパラめくりながら呟く潤平

「ドラゴネス・トライブは5人組の現役女子高生達で結成されていて、まだまだメジャーとしてはデビューしてませんけどその圧倒的なパフォーマンスが話題を呼んで一部のファンから絶大な支持を受けているそうですよ」

皆に分かりやすく説明する辰美

「へぇそうなんや、てかやけにエライ詳しいなアンタ」

「私こう見えてけっこう好きなんですよドラゴネス・トライブ!」

「な、なんか意外やな…前から思うてたけど辰美ちゃんって巫女言う割には随分好みとか今時なんやな、服とかもやたらおしゃれやし」

「そりゃ当然私も巫女である前に普通の女の子なんですから!可愛い物だって大好きだし、おしゃれだってするよ」

「そういうもんかいな…」

「あっそろそろ始まりますよ!」

客席の照明が暗くなりステージ上にドラゴネス・トライブのメンバーが登場する

すると、客席のファン達は歓声を挙げて一気に湧き上がった

「さぁまずはメンバーの自己紹介から行きたいと思いま~す!」

「はい!セクシー&ビューティー、あなたのハートをがっちりとわしづかみゆゆ~!みゆゆで~す!」

「いつでもニコニコスマイル満開!にこるんで~す!」

「魅惑のエンジェルボイス!あーやで~す!」

「清く正しく元気よく!あかりんで~す!」

「あなたの心は今日も快晴!はるるで~す!」

一通り自己紹介を終えたところで再び熱狂するファン達

「それでは早速聞いて下さい!私達の新曲!『ぞっこんラビンニュー』!!」

曲が始まり一気に会場内の空気はヒートアップする

ファン達は曲に合わせて掛け声を掛けたり、ペンライトを振りながら声援を送る

ステージの晴美達もファン達に負けじと歌と激しいダンスパフォーマンスで魅了する

あまりの盛り上がりに一矢達も一緒になって声援を送る

しかしその時だった、辰美の持っていた龍水晶が突如光りだしたのだった。

「!?、この反応は!?邪龍一族!」

「えぇ!?よりによってこんな時に!」

「四の五の考えてる場合じゃねぇ!行こう!」

「うん!」

会場を後にして現場に向かう一矢達


「オラオラぁ!どけどけ人間どもぉ!」

邪龍三兄弟 長男の爆龍がバイクに乗って金棒を振り回しながら街を破壊して回っていた

よく見るとそれはただのバイクではなくバイク型のモノノケ『邪龍バイク』だった

「おいおいなんだありゃ?生き物以外も何でもありか!?」

「おうおう!誰かと思えばリュウケンジャーじゃねぇか!待ってたぜ!お?なんか一人足りねぇな?怖じ気づいたか?」

「ドアホ!晴美はそないな奴やない!ちょっと今は訳あってこれへんのや!」

「まぁオレとしちゃ別に五人でも四人でも構わねぇよ、お前らを叩きのめせればな!」

「その台詞、そっくりそのまま返してやるよ!皆!チェンジだ!」

「おう!」


「『ドラゴン・チェンジ』!!」


「オラオラ行くぜ邪龍バイク!」

「ブルルルン!!バリバリだぜぇ!!」

アクセル全開で突っ込んでくる邪龍バイク

「うわっ!」

ぶつかりそうになったところをすんでのところで避けるリュウケンジャー

「ブルルルン!!まだまだ行くぜぇ!」

Uターンして再び突っ込んでくる、それを再びかわすリュウケンジャー

「ちぃっ!あのスピードはかなり厄介だぞ!」

「あのスピードをどうにかするしかないな…よし、オレに任せろ!」

名案が浮かんだ様子のレッド、三人に考えた作戦を伝える

「何をしようと無駄だ!突っ込め邪龍バイク!」

「ブルルルン!!」

猛スピードで突進してくる邪龍バイク

「よし今だ!」

「ほいきた!うぉぉぉ!!」

レッドの合図でブラックが邪龍バイクに真っ正面から突っ込んでいく

「バカめそのまま返り討ちだ!」

両者激しく激突する、ブラックは持ち前のパワーで邪龍バイクの前輪をしっかり掴み突進を食い止める

「ふぎぎぎ…」

「こ、こいつ!離れやがれ!」

爆龍はブラックを振り払おうと金棒を構える

「正子さん!今だ!」

「任せとき!どりゃあ!」

イエローがドラゴンマグナムを構えて狙いを定め、邪龍バイクの後輪のタイヤを撃ち抜いた

「うおっ!?」

後輪がパンクしたことによって上手く走れなくなる邪龍バイク

「くそっ!一旦退くぞ!」

パンクした邪龍バイクを肩に担ぎ上げ金棒で地面を叩き、その衝撃に紛れて退散する

「くそっ!逃げられた!」

「でもさっきのでけっこうダメージは与えたはずや、しばらくは出てこれへんやろ」

「そうだといいけど…」


…一方その頃、アジトに戻ってきた爆龍は

「くそっ!腹立つぜあいつら!次こそはメタメタにしてやる!」

「な~んだ、大きな口叩いた割には随分早く帰ってきたのね!」

おめおめと帰ってきた爆龍を茶化す龍々

「あぁ!?テメェバカにしてんのか!」

「まぁまぁ、それよりもあの子アタシが直してあげよっか?アタシならもっと強くしてあげられるけど?」

「へんっ!テメェの手なんざ借りねぇ!オイ親父ぃ!ありったけの妖気カプセルをくれ!今度は上手くやってやるからよ!」

「フン、いいだろう…好きなだけ使うといい」

「ありがてぇ、よっしゃ!見てろよ、今度は負けねぇぞリュウケンジャーども!」


…ライブ会場へ戻った一矢達はライブ終わりで楽屋にいた晴美と合流してさっきのことを話した。

「そっか、そんなことが起こってたんだ…言ってくれたら私も一緒に行って戦ったのに」

「無理もないよライブの最中だった訳だし…気にしないで」

「でも、私だってリュウケンジャーの一人だもん!皆だけ戦わせる訳にはいかないよ…次からは私も戦う!」

「晴美ちゃん…」

「皆大変!またモノノケが現れたわ!」

「よし、皆行くよ!」

「うん!」

晴美も一緒に現場へ向かおうとしたその時

「あぁいたいた!こんなところにいたのね」

「し、島崎マネージャー!」

突如マネージャーに止められてしまった

「次はこの後雑誌の取材と来週のイベントの打ち合わせがあるからすぐに移動するわよ!もう他のメンバーは車に乗ったわ!」

「でも、私これから急いで行かないと…」

「でもじゃないの!今は大事な時期なの!分かるわよね!」

「でも…」

「口答えしないの!わかったら返事!」

「………はい」

有無を言わされぬままマネージャーに連れて行かれてしまう晴美

「晴美ちゃん…」

「一矢!早く行くぞ!」

「うん…」


…現場に到着すると再び爆龍と邪龍バイクが暴れ回っていた。


「そこまでだ!爆龍!」

「来たなリュウケンジャーども!今度こそ返り討ちにしてやんよ!出でよ邪龍兵ども!」

「ジャリュー!」

「皆行くよ!」


「『ドラゴン・チェンジ』!!」


…四人が戦っている時を同じくして晴美は事務所で雑誌の取材を受けていた


「なるほど~、皆さん大変苦労してこられたんですねぇ~」

「いえいえ、ここまで来れたのもファンの方々やスタッフさんなど色々な人達の支えがあったからこそです」

「それに何よりも仲間の存在が一番大きいと思います、辛い時も悲しい時もいつだって支え合ってやってきました」

「ん~素晴らしいですね~、心の底から信頼し合える仲間と共に夢に向かってひたすら支え合う!いいですねぇ~、はるるちゃんはどう思いますか?」

話を振られた晴美はずっと一矢達のことを考えていた

「あれ?はるるちゃ~ん?」

「はるるちゃん!聞かれてるよ!」

「えっ?あ、はい!えと…何でしたっけ?」

「今仲間同士で支え合って一つの目標に向かおうって話してたんだけど…」

「仲間同士で、支え合う…」

晴美の頭の中でリュウケンジャーの四人が必死に戦っている姿がよぎった

「私は…やっぱりこんなことしてる場合じゃない!」

「えっ?」

いても立ってもいられなくなった晴美はすっと立ち上がり、一矢達の元へ向かおうとした

「待ちなさい!どこへ行くつもり?」

「離して下さい!私、どうしても行かないと!」

「何を言ってるの!ここで仕事放棄したらこの先メジャーデビューなんて夢のまた夢よ!アイドルとして日本一になりたいんじゃなかったの!?」

「…たしかに私はアイドルとして日本一になりたくて今まで努力してきました、けど今は!私の大事な四人の仲間が必死になって戦っているんです!私はそんな彼らを見捨てるのは嫌なんです!」

「な、何をバカなことを言ってるの!今ここで投げ出したら今までの苦労も水の泡になるのよ!それでもいいの?」

「構いません!今の私はアイドルである前に、聖龍戦隊リュウケンジャーの一員、ドラゴンホワイトです!」

そう言い捨てるとマネージャーの腕を振り払い、一矢達の元へ向かった

(待ってて皆!今すぐに行くから!)


…場所は変わって爆龍と邪龍バイク率いる邪龍兵軍団と戦うリュウケンジャーの四人

あまりの数の多さに少々苦戦気味のリュウケンジャー

「ケッケッケッ…さてそろそろ締めるか、邪龍バイク!見せてやれオメェの真の姿を!」

「ブルルルン!!了解だぜ!」

そう言うと邪龍バイクは突然自らの体をバラバラに分解し邪龍兵の一人の体にまとわりついた

「ジャ、ジャリュー!?」

そのままどんどん邪龍兵の体を乗っ取って行く

「見よ!これぞ邪龍バイク・完全態だ!」

「じ、邪龍兵と合体した!?」

「さぁ見せてやれ!オメェの真の力を!」

「ブルルルン!!」

アクセル全開で走り出した邪龍バイクは邪龍兵もろともリュウケンジャーを蹴散らした

「ぐわぁ!!」

たちまち吹っ飛ばされるリュウケンジャー

「くそ…さっきまでとパワーが桁違いだべ」

「ケッケッケッ…無様極まりねぇな、じゃあ後は任せたぜ!こいつらに目にもの見せてやれ!」

「ブルルルン!!」

そう言い残して立ち去る爆龍

「く、そ…」

最早立ち上がる気力も残っていないリュウケンジャー

「ブルルルン!!ブルルルン!!ブルルルン!!」

アクセルを捻り攻撃体制に入る

「終わりだ!死ねィ!!ブルルルン!!」

リュウケンジャー目掛けてアクセル全開で突っ込んできた

今度こそ終わりかと思ったその時だった。

「待ちなさい!」

どこからともなく猛烈な風が吹き、後ろへと引き戻された邪龍バイク

「だ、誰だ!?」

「『疾風の龍賢者!ドラゴンホワイト』!!」

颯爽と登場するホワイト

「は、晴美ちゃん!?何で?仕事は?」

「皆が歯食いしばって戦ってる時に、呑気に取材なんてしてられますかって!」

「…ヘッ、美味しいとこ持っていきやがって」

「けど、ナイスタイミングやで晴美!」

「オ、オラ達は絶対来てくれるって信じてただよ!」

「みんな、ありがとう…ここは私に任せて!」

「ブルルルン!!今さら一人のこのこと出てきたところでもう遅いんだよ!お前もまとめて踏み潰してやる!ブルルルン!!」

再びアクセル全開で突っ込んできた邪龍バイク

「篤と見なさい、龍の力!ハァ!」

ホワイトも龍の波動で応戦する、互いに一歩も譲らない激しいぶつかり合いになっている

「小娘が、オレをナメるなぁぁぁ!!」

「アンタこそ、私をナメないでよね!ハァァァァァァァ!!」

ありったけの力を込めて邪龍バイクを押し返す

「な、何ぃ!?」

「トドメよ!ドラゴンバトン!」

ドラゴンバトンの一点に気を集中させる

「『ドラゴン・ハリケーンクラッシュ』!!」

すさまじい一撃を食らわせる

「ぐぁぁぁぁ!!」

断末魔と共に爆発する邪龍バイク

「やったね!」

勝利の決めポーズを決めるホワイト、しかしその後ろで砕け散った肉片が集まり巨大化して復活してしまった。

「もう許さんぞ!お前らぁ!!」

「あちゃー、大きくなっちゃった…」

「晴美ちゃんよく頑張った、ここからは皆で倒そう!」

「うん!」


「『聖龍召喚』!!」


聖なる五色の龍達を呼び出し、龍達はその身を合わせることで大いなる龍の巨人が完成した


「『完成!ダイリュウジン』!!」


「もう手加減なんてなしだ!オレの全身全霊の攻撃を受けて見やがれ!」

アクセルを捻り攻撃体制に入る

「こっちも全身全霊ありったけで行くよ!みんな!」

「おう!」

「ブルルルン!!」

「必殺『ドラゴネス・インパクト』!!」

多少粘るもあっさり押し負けて攻撃を食らってしまう邪龍バイク

「くそぉぉぉ!ウイニングラン決めたかったぜぇぇぇぇ!!」

豪快に爆発する


数日後、研究所にて晴美はリュウケンジャーと辰美と博士を呼び出し

「えー、おほんっ!今日は皆さんに大事な報告があります!」

「ん?どうしたの改まって?」

「あ、もしかして勝手に仕事抜け出してアイドルクビになったんとちゃうか?」

「そんなんじゃありません!」

「ほいたら、何だべ一体?」

「実は、私 沢田 晴美は…邪龍一族を倒すまでアイドル活動を休止してリュウケンジャーの活動に専念することに決定しました!」

「え?えぇぇぇぇぇ!!」

驚きの衝撃的宣言に一同びっくり騒然とする

「え?うそでしょ?何でまた!?」

「うそじゃないよ、マネージャーとメンバーとも真剣に話し合って決めたの!やるからには徹底的にやらないと!」

「でもホントにいいのかよ?あんだけアイドルで日本一になるって言ってたのによ」

「大丈夫、休むのは邪龍一族を倒すまでの間だけだから闘いが終わったら必ず戻るって約束しちゃったし」

「まぁいいじゃないか!晴美ちゃんもこれから本気になって戦ってくれる訳だし!今回の件でオレらの絆も一層深まった訳だし!よしとしよう!」

「また始まったで、一矢のスーパーポジティブ思考」

「とゆーことで皆さん、これからもどうぞよろしくお願いします!」


続く




次回、第五話『夜露死苦!青春のラウンドワン!』


お楽しみに!

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