第二話 超巨大!大いなる龍の巨人!
今日は、博士から呼び出されて全員地下の研究所に集合していた。
「すみませーん!遅れました!」
最後に遅れてやってきた一矢
「遅いで!一矢!」
「いや~、大学の提出課題の提出が今日までだったから急いで終わらせてきたんですよ」
「大学?へぇ、アンタ学生やったんか」
「えぇ、一応こう見えて美大生です!」
「美大生!?へぇ~、じゃあ将来は画家さんとか?」
晴美が話に食いついてきた
「いや違うよ、俺将来は絵本作家になりたいんだ」
「素敵だね~、私も将来はトップアイドルになるのが夢なんだ!あっそうだ今度ライブやるからよかったらみんなで見にきてよ!」
「あぁ、なんか楽しそうだな!」
すっかり意気投合する一矢と晴美
「あっ、そういえば博士は?」
「博士だったらオラが最初に来た時もいなかったっぺよ」
「俺もだ、ロードワーク中に博士から急にメールで呼び出されてきてみたら大樹しかいなかったぜ」
「まったく、自分で呼び出しといて本人がおれへんってどないやねんなもう!こっちはわざわざ勤務中抜け出してきたっちゅうのに」
「私もこの後レッスンがあるから早くして欲しいんだけどな~」
皆口々に博士に文句を言っている
「いや~すまんすまん!待たせたな君達!」
奥の部屋から博士が出てきた
「博士!遅いですよ!」
「すまんすまん、ちょっと調整に手間取ってしまってな…今日君達を呼び出したのは他でもない!実はな君達の新しい武器を作ったんだ!ちょっとこっちへ来て見てくれ」
博士に案内され奥の部屋へ入る五人
部屋へ入るとそこは開発室になっており機械やら工具などがずらりと並んでいた。
「これが君達の新しい武器だ」
博士が取り出したのは青龍刀のような形をした剣だった。
「こ、これはっ!」
「どうだすごいだろう!この剣は龍賢者達がかつて使用していた剣を参考に作った武器だ!その強度は正に岩をも一刀両断にするほどの業物!ちなみに言うとだ、お前達のスーツも龍賢者達が使っていた鎧を参考に私が作ったんだ」
と言って博士は棚からある一冊の古ぼけた書物を取り出す
「博士、それは?」
「これは私が過去の文献を元に研究して纏めた資料だ、私はもうかれこれ何十年もの間龍賢者のことを研究し続けてそして遂に半年前に当時の龍賢者達の力を再現することに成功した!」
「へぇ~、だからあの時変身したらなんか不思議と力が湧いてきたんですね」
「龍賢者達は五色の龍達の力をその身に宿して戦っていた、無論龍賢者の子孫である君達の中にも龍の力が当然備わっている、しかーし!!君達はまだまだ十分に龍の力を発揮できてなーい!」
「えっ!?ど、どういうことですか?実際前にもちゃんと敵を倒せてたじゃないですか!」
博士にズバリと言い切られて反論する一矢
「あの時はたまたま倒せただけで肝心の力のコントロールがまったくできてない、あんな戦い方をしていては体がとても持たんぞ」
「言われてみれば…雑魚はなんとか倒せたがあの赤いゴツい奴にはまるで歯が立たなかったしな…」
「要するにウチらはまだまだ未熟っちゅうことか…」
「でもさでもさ!逆に考えてみようよ!まだ力が使いこなせなくて未熟ってことはこれから使いこなせるように鍛えて強くなればいい!そうすればいつ強い敵が現れてもなんとかなるさ!」
ポジティブに考えを纏める一矢
「そ、そうだべ!オラも強くなるべ!」
「私も私も~!うんと頑張って一番強くなってやるんだから!」
一矢の意見に賛同する大樹と晴美
「…そうだな、よっしゃ!俺もやるぜ!」
「ウチもや!強ぉなってあの赤い奴ぶちのめしたるねん!」
五人の意見が一つになり、ようやくまとまった
「よし!じゃあ早速特訓開始だ…っと言いたいところだけど、どうすりゃいいんだろ?」
「そう言うと思ってな、既に辰美にはお前達の特訓を見てもらうように言ってある、この建物の裏に大きな山があったろう?その山の中に神社があって辰美はそこで待っている」
「よし、みんな行くぞぉ!」
裏山に移動する一行。
一方、そのころ邪龍一族のアジトにて…
ここは獄龍斎の妖術で作った異空間の修練場、そこに佇むは謎の鉄仮面の男
手には刀を持っており周りには鉄仮面の男を囲うように邪龍兵達がずらりと百人ほど並んでいる。
「…来い」
鉄仮面の男の合図で一斉に攻撃を仕掛ける邪龍兵達
、すると鉄仮面の男は瞬時に刀を抜きバッタバッタと邪龍兵達を斬り伏せていく、その様子を少し離れたスペースで見ている獄龍斎と邪龍三兄弟。
「ほほぅ、中々の腕前だな」
鉄仮面の男の剣捌きを見て関心する獄龍斎
「いかがでしょうかお父上!邪龍兵百人を相手にこの見事な剣捌き!」
「ケッ!たった百人ぽっちなんでぃ、俺様なら三百はまぁ余裕だな!」
得意気に話す龍明に対し強がりを見せる爆龍
「キャハハハ!でもあの子実際爆龍兄様よりも強いと思うわよ、だって私が鍛えたんだもん!」
「あぁ!?てめぇ龍々!バカにしてんのか!」
龍々に茶化されてカッとなる爆龍
「兄上、少し落ち着いて下さい!」
「やめんか見苦しい!」
獄龍斎の圧のある一言で三人の言い合いがピタリと止まる
「龍明よ、コイツを使って新たなモノノケを作り再び龍賢者共をひねり潰して来い!」
そう言って取り出したの獄龍斎の妖気を中に詰め込んだカプセル状の透明な筒だった
「仰せのままに…」
筒を受け取った龍明はアジトを出て街へ向かった。
一方そのころリュウケンジャーは辰美の下で修行を受けていた
その修行内容はまず最初に座禅を組んで座り、精神を集中させ己の内に眠る龍と対話して自分自身を認めさせることから始まる
辰美曰く、これが不十分だと龍の力を完璧に引き出すことはできないと言う。
既に一矢以外の四人は自分達の龍との対話を終えて次の段階に移ろうとしていた
一方一人取り残された一矢は、必死に自身の内に眠る龍に呼び掛けてみるもののちっとも対話できないでいた。
「一矢の奴まだ対話できてないのか?」
「リーダーが聞いて呆れるわ…どんだけ時間かかっとんねん…」
一矢があまりに時間がかかりすぎるている為悪態をつく潤平と正子
一矢は必死に龍と対話しようと集中している、額にはうっすらと汗が滲んでいる
その傍らで様子を見守っている辰美。
(一矢さん…やっぱり手間取っているみたいね…無理もないわね、一矢さんの龍『炎龍』は五色の龍達の中心的存在にして気位が高くて気難しい性格…前任者の紅之介さんも相当手を焼いたって文献にも書いてあったし…ホントに大丈夫かしら?)
と、心の中でそう考えていた。
『…おーい!俺の中の龍ー!いたら返事ぐらいしてくれよー!』
一矢は自分の心の中の世界で自分の中に眠る龍を探していた
『…フゥ、まったくなんで何も応えてくれないんだよ…』
しばらく龍を探して歩き回っていると、目の前に龍の彫刻が刻まれた大きな立派な門があった。
『ひょっとしてこの中か?ふんっ!』
門は押しても引いてもビクともしなかった
『おーい!誰かいないのかー!開けてくれー!』
ドンドンと門を叩く、すると突然急に門が開いたかと思うと扉の向こうは火の海となっており所々に足場となる岩があるぐらいで後は果てしなく火の海が広がっていた。
『おっ?あれは…?』
奥の方を見てみると大きな岩場の上に赤い色をした龍がとぐろを巻いて眠っていた
『間違いない、きっとあれだ!それっ!』
龍を見つけた一矢は足場から足場へ飛び移り、龍の乗っている足場までたどりついた。
『フゥ、やっとついた!おーい起きてくれよー!なぁ!』
近くに来て耳元で叫ぶが、一向に起きる気配はない
『…ハァ、全然起きないな…』
フッとため息をつく一矢
とその時、炎龍の鼻がピクピク動いたかと思うと次の瞬間大きなくしゃみをした
『ぶぇっくしょぉい!!』
『うぉっ!?』
一矢はくしゃみにぶっ飛ばされ火の海に落ちそうになるもギリギリのところで踏みとどまる
『あー、ん?なんだぁ?テメェ?』
一矢に気づいた炎龍は一矢に顔を近づけ、クンクンと匂いを嗅いだ
『ふーん、あの野郎と似た匂いがするがなんか違うな…何者だ?』
『俺は桐島一矢!お前が炎龍なのか?』
『あぁ、この俺様こそが最強無敵の炎龍様だぁ!』
『なぁ炎龍、単刀直入に言う…俺にお前の力を貸してくれ!頼む!』
深々と頭を下げる一矢に対して炎龍は
『ふん、嫌だね!』
と、素っ気ない返事を返してそっぽ向いてしまった
『な!?どういうことだよ!?』
『お前みたいな弱っちそうな人間ごときがこの俺様の最強無敵の力を貸せだぁ?冗談はよせよ!テメェみてぇなひ弱なガキが思い上がってんじゃねぇぞゴラァッ!』
炎龍の迫力に一瞬怯む一矢
『…たしかに俺は弱いかもしれない、けど!今はまだ弱くても、俺は必ず強くなってやる!それにはまずお前の力が必要なんだ!だから頼む!俺に力を貸してくれ!』
『………』
しばらく黙りこみ、一矢の目をじっと見つめる炎龍
『…お前のその目、まるでかつてのあの野郎そっくりだな』
『え?』
『フッフッフッ、気に入ったぞ!この俺様の最強無敵の力貴様に貸してやる!』
『ホ、ホントか!?』
『その代わり、どんどん強くなってこの俺様の力に見合うような男になってもらうぜ!』
『あぁ、約束する!』
『フッ、じゃあ決まりだ!左腕を出しな!』
『え?』
炎龍に言われるがまま左腕を出すと炎龍は左腕のブレスに吸い込まれるように入っていった。
『こ、これは!?…!!、う、腕が…!熱い…!ぐっ…うぉぉぉぉぉ!!』
現実に戻りハッと目を開く一矢
「一矢さん!どうだった?炎龍とは対話できた?」
「えぇ、バッチリですよ…感じるんです体の底から力の湧き上がってくる感じが…」
ギュッと拳を固める一矢、とそこへ
「ようやく対話できたか、待ちかねたぜ!」
「アンタどんだけ待たせんねん!」
「オ、オラは必ずできるって信じてたっぺよ!」
「とまぁこれで私達ようやく思う存分戦えるわけだね!」
「みんな…」
「…とにかくこれで五人とも龍との対話は成功ね、早速一矢さんも次の段階に移って!あんまりのんびりしてる暇はないわ!」
「はい!」
と、次の瞬間街の方で大きな爆音が聞こえた。
「とうとう来たわね、仕方ないわ!とにかくまずは邪龍一族を倒しましょう!」
「はい!よし、みんな行こう!」
五人は急いで街へ向かう
街へ到着すると、象のような姿のモノノケが暴れていた。
「パーオパオパオ!さぁ早く出てこいリュウケンジャー!早くしないとこの街全部壊してしまうパオー!」
大きな足を踏み鳴らし、地響きを起こして周りの建物を破壊する邪龍象、その様子を離れた場所から高見の見物する龍明と爆龍
「ほぅ、大したパワーだな!よくあんな生物見つかったもんだなオイ!」
「あの生物は象と言ってこの時代における最も力の強い動物だそうです、いやはや我々が眠っている間このような生物が増えているとは少々驚きましたよ…」
「あぁ、たしかに強そうだ」
「フフフ…さぁ邪龍象よ!思う存分暴れるがいい!」
「パオ―!」
見境なしに暴れまわる邪龍象、とそこへ
「やめるんだ!邪龍一族!」
「パオ?」
リュウケンジャーが到着した
「ひでーことしやがって…これ以上好きなようにはさせねぇぞ!」
「覚悟しぃや、ウチら手加減なんせぇへんからな!」
「今日のオラ達は一味違うっぺよ!」
「後悔したってもう遅いんだからね!」
「よし、みんな行くぞぉ!」
「おう!」
一矢の号令とともに全員左腕にブレスをつける
「『ドラゴンチェンジ!!』」
ブレスを通してスーツが転送され、五人の体に装着されていく
「『業火の龍賢者!ドラゴンレッド!』」
「『流水の龍賢者!ドラゴンブルー!』」
「『雷鳴の龍賢者!ドラゴンイエロー!』」
「『大地の龍賢者!ドラゴンブラック!』」
「『疾風の龍賢者!ドラゴンホワイト!』」
「『聖龍戦隊!リュウケンジャー!!』」
「むむ…いでよ邪龍兵共!」
どこからともなく邪龍兵達が現れる
「かかれー!」
「ジャリュー!」
邪龍象の号令で一斉に襲いかかる邪龍兵
「篤と見よ、龍の力!」
一斉に邪龍兵に向かっていき次々と倒していく。
「ジャリュー!」
「フン、役立たず共め…こうなったらオレ様の足で踏み潰してくれる!パオー!」
と、力一杯足を踏み鳴らす
「うおっ!?ダメだ、これじゃ近づけない!」
「どないすりゃええねん!」
と、その時だった
『…ザザッ…ザザッ…みんな!聞こえてる?』
ブレスから辰美の声が聞こえた
「辰美さん!?なんで?」
『みんなのブレスに搭載した通信機能よ!とにかくこれから言うことをよく聞いて』
「は、はい!」
『あなた達はさっきの修行で第一段階は既にクリアしているわ、そして次の第二第三は実戦で身につけるのよ!』
急な無茶ぶりに戸惑うリュウケンジャー
「そんな、無茶な!」
「第一どうやるっぺよ?」
『今から私が指示をするわ、とにかくやってみて!』
「やってみろっつったって…」
「えぇい!テメェら一体いつまでごちゃごちゃぬかしてやがんだ!来ないならこっちから行くパオ!パオー!」
しびれを切らし向かってくる邪龍象
「ヤバい!」
ギリギリのところでかわす
『いい?まずは心の中で龍をイメージして!』
「龍をイメージ?」
全員邪龍象の攻撃をかわしながら心の中で龍をイメージする
『そしたら次はイメージした龍をエネルギー弾のように手のひらから放出するようにイメージしてみて!』
全員手のひらを邪龍象に向けて一斉に気弾を放つ
「ぐわぁぁぁぁ!!」
「何今の!?」
「て、手からなんか出たぞ!?」
『今のが己の龍の力を気弾に変換して相手に向かって放つ技、その名も「龍の波動」!』
「すげぇ…」
「この…調子に乗ってんじゃねぇ!」
邪龍象は今度は立派な牙を剥いて突進してきた
「あぶねぇっぺ!」
すんでのところでブラックが盾になり、邪龍象の牙を掴み突進を阻止する
「んごぉぉぉぉ!!」
「!?、コイツ!このオレ様の突進を受け止めただとぉ!?」
「んぐぐ…どっせぇぇぇい!!」
と、力一杯邪龍象を投げ飛ばす
「やるやんか!」
「すごぉい!大樹君力持ち~!」
「あんなデカブツ投げ飛ばすとは、これも龍の力ってやつか…」
「よし、じゃあ最後は全員で決めようか!」
全員で集中して力を溜める
「いくぞ!『ドラゴン・フィニッシュ』!!!!!」
五人の放った気弾は一つとなり一つの巨大な気弾となり邪龍象に直撃し、大爆発した
「よっしゃー!」
敵を倒し互いに喜び合う五人
と、そこへ現れる龍明
「やれやれ、やはりやられてしまいましたか…」
「お、お前は!?」
「お初にお目にかかります、私の名は龍明…邪龍一族の次男にして参謀をしております、以後お見知りおきを…」
「参謀?ってことは敵の幹部か!テメェ何しに来やがった!」
そう聞かれた龍明は倒された邪龍象のところへ歩み寄り
「私はあなた方と戦うつもりなどはありませんよ、ただもう少しだけ余興を楽しんでいただこうかと」
そう言って龍明は妖気の入ったカプセルを取り出し
邪龍象の体に注入する
「今一度目覚めよ!今度こそ奴らを潰すのです!」
次の瞬間倒したはずの邪龍象がムクリと起き上がったかと思うとたちまち体が巨大化していった。
「さぁ!第二幕の開始としましょうか!」
「パオー!」
「そんな、こんなのありか!?」
「驚いてる暇なんかねぇぞ!とにかくなんとかして倒さねぇと!」
「せやかて、どないして倒せばえぇねん!?」
「そうだべ!無理だっぺよ!」
「そうだ!辰美ちゃんに聞いてみようよ!何か分かるかも!」
再び通信を辰美に繋ぐ
「辰美さん!大変なんだ!倒したはずの敵が巨大化して復活したんだ!」
『何ですって!?こうなったら、次の第三段階の力を使うしかないわね』
「第三段階?一体今度はどんな力なんだ?」
『時間がないから簡単に説明するわね、第三段階はいわば第二段階の応用版よ、自分たちの龍の力を今度は龍そのものの形に具現化させる、その名も「聖龍召喚」!』
「分かった、とにかくやってみるよ…みんな!」
「おう!」
再びイメージを集中する五人
「おっ!…来たぁ!」
『いいわ、そのまま「聖龍召喚」と叫んで!』
「よし!『聖龍召喚』!!」
次の瞬間、五色の巨大な龍が現れた
「すげぇ、ホントに出た」
『龍が現れたらそれぞれの色の龍に乗って!』
「よし!とぉっ!」
それぞれの色の龍に飛び乗る五人、すると飛び乗った瞬間龍の体の中へ吸い込まれていった
『安心して、今あなた達と五色の龍達の心と体が繋がって一つになったのよ、そしたら今度は「合体」よ!』
「合体?それって…」
『五人の龍賢者達と五色の聖なる龍達の心と体が一つになりし時、龍達はその身を合わせて大いなる龍の巨人へとならん…つまりあなた達と龍達の心と体を合わせることで大いなる龍の巨人へとなるのよ!』
「大いなる龍の巨人か、よし!みんなやろう!」
「おう!」
「OKや!」
「やるっぺ!」
「任せてよ!」
「行くぞ!『聖龍合体』!!」
と、その時五色の龍達は横一列に並び合体のフォーメーションに入る
一番体の大きい赤いドラゴン…炎龍を中心とし、右腕に青いドラゴン…水龍、左腕に黄色いドラゴン…雷龍がくっつき、次に右足に黒いドラゴン…土龍、左足に白いドラゴン…風龍がくっつき、最後に炎龍の頭部が展開してロボの頭部が現れた
「完成!ダイリュウジン!!」
『すごい…これが、大いなる龍の巨人…』
モニター越しにその姿を見た辰美は驚きのあまり唖然としていた。
「うぉー!ホントに合体した!」
「まさかホントに合体するとは…成せば成るもんだなオイ」
「合体したんわえぇけど、これどうやって動かしたらえぇねん?」
「わっかんねぇべ、あるのはこの変な大きな玉だけだべ」
「ねぇ辰美ちゃん、これどうやって動かすの?」
『多分みんなの前に大きな玉みたいなのがあるからそれに手をかざして動くように念じてみて!』
辰美に言われた通りに玉に手をかざしてみる五人、するとダイリュウジンが動き出し、邪龍象に向かって走り出した
「うおっ!?よぉしこの突撃だー!」
「パオー!このオレ様に真っ正面から挑むとはいい度胸だ!オレ様のフルパワーでぶっ飛ばしてやる!パオー!!」
ダイリュウジンの攻撃に向かい撃つ邪龍象、しかし呆気なくダイリュウジンに逆に吹っ飛ばされてしまう
「パオー!?なんだこのパワーは!?ありえん!このオレ様が力押しで負けるなんて信じられん!」
「どうだ!見たか!これがリュウケンジャーの力だ!」
「んぐぐ…よくも、もう許さーん!パオー!」
怒った邪龍象はものすごい勢いで突進してきた
「これで一気にトドメだ!『必殺・ドラゴネス・インパクト』!!」
ダイリュウジンの放った強力なレーザービームは邪龍象を一気に貫いた
「ぐわぁぁぁぁぁ!!まさか、このオレ様が負けるなんて想ゾウもしてなかったパオー!」
捨て台詞吐き爆発する
「ぃやったー!!今度こそ倒したぞー!」
再び敵を倒し喜び合う五人、その様子を遠く離れたビルの屋上から見ている謎の鉄仮面の男
「…あれが、リュウケンジャーか…」
鉄仮面の奥から覗くその眼光は殺気に満ち溢れていた。
…敵を倒し、研究所に帰還してきたリュウケンジャーの五人、辰美と博士がみんなを出迎える
「お疲れ様!いやー素晴らしい戦いっぷりだったよ!」
「みんなよく頑張ったわね!流石私の見込んだ通りね」
「えぇ、最初はダメかと思ったけど辰美さんのアドバイスのおかげです…ありがとうございました」
辰美にお礼を言う一矢
「私もまさかぶっつけ本番であそこまで戦えると思ってなかったから驚いちゃった、やっぱりあなた達はすごいわ」
「まぁでも油断はせんことだな、恐らくこれから先敵もより強力になってくるだろう、その為にももっと強くなる必要があるぞ」
「もちろんです!さ、敵も倒したことだし!修行の続きでもしに行きますか!うぉぉぉ!やるぞぉぉぉ!」
と、言うや否や研究所を飛び出していく一矢
「はぁ!?アイツあんだけやってまだやんのかよ!?」
「タフなやっちゃなホンマに…」
「オラ、もう今日は動きたくねぇべ…」
「私も~…あ、でもこの後レッスンがあるし、やだなぁ…」
一矢とは対称的に疲労感の残っている四人
果たしてこんな調子で大丈夫なのやら?
続く
次回 『謎の刺客!邪龍騎士 龍牙あらわる!』
お楽しみに!




