第二十二話 遂に激突!邪龍一族首領 獄龍斎!
ある日、博士と辰哉の急な召集を受けて研究所に呼び出されたリュウケンジャーのメンバー達。
「すまないな皆、急に集まってもらって…」
「どうしたんですか?急に改まって」
「実はな、等々邪龍一族のアジトの場所が分かったんだ!」
「えっ!?」
辰哉の突然の言葉に驚く一同
「お兄ちゃん、もしかしてこないだやってた実験って…」
「あぁ、実は言うと俺は龍々の洗脳から解放された瞬間から邪龍一族のアジトの場所に関する記憶を抹消されてしまったんだ…」
「恐らく、万が一洗脳が解けて自我が戻った際にアジトの場所を分からなくする為に予め仕組んであったんじゃろう」
「そこで俺はじっちゃんに頼んで俺の記憶を呼び覚ましてその記憶を解析したところ、場所が判明したんだ」
「すげぇべ、流石は博士だべ…」
「で?肝心のアジトの場所はどこにあんねん?」
「あぁ、ここだ」
と、モニターに映像を写す、そこには山が写っていていくつかある山の内ある一つの山の回りだけ赤紫色の空間が広がっていてそこの部分だけ別世界な感じがしていた。
「この少しだけ色の違う空間に覆われている山が奴らのアジトだ」
「うわー、なんか見ただけでなんかヤバそうな雰囲気ムンムンだね」
「しかも詳しく調べたところ、この回りには協力な結界が張ってあって迂闊に入ることができん」
「じゃあどうやって入るんだ?」
「そこでだ、まずは俺が俺の体の中に残っている獄龍斎の妖気をぶつけて結界の力を弱める、そしたら今度はお前達が五人で龍王バスターを使ってフルパワーでぶっ放せ、そうすれば結界を壊すことはできなくとも穴くらいは開けることができるだろう」
「で、でも妖気なんて使ったら辰哉さんの体が…」
「心配するな、逆鱗モードも今や完璧に御しきることもできるようになってきた、今の俺なら多少妖気を使ったところで問題ないだろう…」
「辰哉さん…」
「結界を破って上手く浸入することができたとしよう、後はもう獄龍斎一人を討つことのみを考えろ、奴は強い…ハンパな覚悟では命取りになるぞ!」
「…上等だよ、俺らの手で必ず獄龍斎の野郎ぶっ潰してやろうぜ!」
「せや、これまでの戦いの決着、ここでつけたる!」
「…オ、オラだって!ちょっと怖いけど、皆の為に頑張っぺ!」
「アタシも!アタシ達龍賢者の底力、見せつけてやろうよ!」
「辰哉さん、俺達五人の気持ちは皆同じです…この戦い、絶対に勝ちましょう!」
「お前ら…フッ、あぁ!」
円陣を組み合う六人、最後に気合いを入れようと全員で肩を組んで輪になる。
「よし!絶対に獄龍斎を倒す!そしてこの戦いに決着をつける!いくぞ!」
「おぉー!!!!!!」
意気揚々と邪龍一族のアジトへ向かうリュウケンジャー
…邪龍一族のアジトのある山の麓までやってきたリュウケンジャー、目の前にはアジトを守る為の結界が張ってある。
「…よし、手筈通りにいくぞ、はぁっ!」
まずは作戦通りに最初はドラゴンナイトが結界に妖気をぶつけて結界の力弱める
「くっ、まだ少し弱いか!なら、はぁぁぁぁ!!」
ありったけの妖気をぶつける、するとやがて結界の方にヒビが割れ始めた
「今だ!」
「はい!いくぞ!『龍王バスター』!!」
キングドラゴンレッドが龍王バスターを構え、後ろから後の四人がレッドの背中に手を添えて力を送る
「いくぞ!『龍王バスター アルティメット・キングパニッシャー』!!」
フルパワーで必殺技を放ち、結界を破ろうとする
すると結界に入ったヒビが広がっていき、大きな穴が開いた。
「今だ!飛び込め!」
すかさず結界の中へ入り込む、六人が入りきったと同時に結界に開いた穴は閉じてしまった。
「フゥ~、危機一髪だったね!」
「油断するな、俺達はもう敵陣の中にいるんだ!いつ何が起こってもいいように常に気は張り詰めておけ」
「えぇ、もちろんです!」
「よし、いくぞ!」
先へと進む一行
少し先へ進むと、林の中の少し開けた場所に出てきた。
「!?、この気配はっ!?皆止まれ!」
突然何かを感じ取ったドラゴンナイト、するとどこからともなく不気味な笑い声が聞こえてきた。
『ククク…よくぞここまでやってきたものだな、龍賢者の子孫共、そして龍牙よ!』
「この声、獄龍斎か!?どこだ!出てこい!」
すると一行の目の前の空間が突然歪み、そこから獄龍斎が現れた。
「あれが…獄龍斎…」
その圧倒的な威圧感と禍々しい妖気にゴクリと唾を飲むレッド
「龍賢者の子孫共は初めて会ったかな?儂が邪龍一族の首領、邪龍 獄龍斎だ!」
「マジかよ、敵の大将自らご登場かよ…」
「でも逆に考えてみようよ、これで探す手間も省けた!後はもう全力で倒すだけだ!」
「ハハッ、こんな状況でもあんたホンマかわらへんな!まぁ、それでこそ一矢や!」
「この儂を倒すだと?思い上がりも甚だしいわ小童共!この儂に刃向かうなど百年早いわ!」
妖気を放って威嚇する獄龍斎、あまりの勢いに一瞬たじろいだリュウケンジャー
「だったら見せてやるよ!俺達の、全身全霊の力!篤と見よ!龍の力ぁ!!」
獄龍斎に向かっていくリュウケンジャー、まずはレッドが龍王カリバーとドラゴンブレードの二刀流で斬り掛かる
「はぁっ!」
「ふんっ!」
レッドの太刀を両腕で掴み取り、そのままレッドを力任せに投げ飛ばす
「うわっ!」
「一矢君!たぁっ!」
獄龍斎の後ろからドラゴンバトンで殴り掛かるホワイトしかし獄龍斎はそれを振り向きもせずに受け止める
「甘いわ!」
「キャアっ!」
続いてブルーが獄龍斎に嵐のようなパンチのラッシュを浴びせる
「オラオラオラオラオラぁ!!」
だがしかし獄龍斎はびくともしない
「その程度か?ふんっ!」
獄龍斎に殴り倒されるブルー
「もらったで!」
獄龍斎の隙をついて銃を乱射するイエロー、しかし放った弾丸は全て素手で弾かれてしまう。
「なんやて!?」
「はぁっ!!」
妖気を大砲のように飛ばしてイエローを吹っ飛ばす
「どっせぇぇぇい!!」
ブラックは獄龍斎に真っ向から体当たりして攻撃する
「ふぬぅぅぅぅ!!」
「ぬるいわ!」
意図も容易く投げ返されるブラック
「どうした!?この程度か龍賢者の子孫の力は!これでは準備運動にもならんではないか!ガッハッハッハ!!」
「うぉぉぉぉぉ!!」
ドラゴンナイトが剣を構えて獄龍斎に突進する
「これで終わりだ!獄龍斎ぃぃぃぃぃ!!」
獄龍斎の左胸に剣を突き刺す
「ぐおっ!?くぅっ!」
ここで初めて苦悶の表情を浮かべる獄龍斎
「き、貴様ぁ!」
ドラゴンナイトの首元を掴む獄龍斎
「ぐっ…」
「辰哉さん!龍王カリバー ライフルモード!」
獄龍斎に向けてライフルを放つ、怯んだ獄龍斎はドラゴンナイトから手を離す
「ぬぐぅ…ハァ、ハァ」
左胸に刺さった剣を抜き投げ捨てる
「ククク、この儂に手傷を負わすほどまでに成長するとは…やるではないか、だがこの程度では儂はまだまだ死なん」
「野郎、文字通り化け物かよ…!」
「アカン、力の差がありすぎる…」
力の差を痛感し落胆するリュウケンジャー達、だがレッドとドラゴンナイトだけは諦めずに獄龍斎に向かっていく
「うぉぉぉ!!」
「はぁぁぁ!!」
向かっていっては倒され、また立ち上がっては向かっていってまた倒され、けれども二人は何度倒されても諦めようとせず何度も何度も挑みかかった。
「一矢、辰哉…」
「せや、ウチらかて諦めたらアカン!立ち止まってる暇なんてあれへんのや!」
「そうだべ!オラ達は龍賢者なんだべ、こんなところで挫けたらダメだっぺよ!」
「へっ、そうだな…あの二人が諦めねぇってのに、俺らが諦めるわけにもいかねぇしな!」
「その通り!アタシは伝説の龍賢者の子孫、最強の五人、いや…最強の六人なんだから!」
ブルー達も獄龍斎に向かっていく
「貴様ら!まだこの儂に抗うつもりか!?このたわけ共が、これで引導を渡してくれる!くらえ!『邪龍暗黒波動』!!」
どす黒い妖気の塊を放つ獄龍斎、リュウケンジャー達はモロにくらい変身が解除してしまう。
「終わりだ!今度こそ終わりだ!」
「ここまでか…」
最早万策尽きて万事休すかと思ったその時だった…
「ぬっ!?」
さっきドラゴンナイトに剣で刺された傷が急に痛み始めた様子で悶え苦しむ獄龍斎
「ぐっ!龍牙貴様!この儂に何をした!?」
「かかったな!ようやくこいつが効いてきたか…」
すると辰哉は懐から小さい瓶を取り出した
「そ、それは…?」
「こいつは対 獄龍斎用に作った妖気を一時的に抑える薬だ、予め俺の剣の切っ先に仕込んでおいたんだ」
「そうか、あの時の一撃でその薬を儂に…」
「今の内だ、ここは一旦退いて体勢を立て直すぞ!」
「…でも、ここには結界が」
「心配ない、あの結界は外から決して入ることはできないが中からなら簡単に出ることができる、とにかく奴に仕込んだ薬がきれる前に早く出るぞ!」
「分かりました、『聖龍召喚』!」
その場を離脱するリュウケンジャー
「己、小癪な小童共め…今に見ておれ…」
…命からがら脱出したリュウケンジャー
部屋で辰哉が一人、何やら胸を押さえて苦しそうな表情を浮かべ額からは脂汗が垂れている。
「…ハァ、ハァ、ハァ、とにかくもう…時間がない…ゲホッ!ゴホッ!」
苦しそうに咳き込み吐血する辰哉
「頼む、もう少しだけ…もう少しだけでいい、持ちこたえてくれ!俺の体よ!ゲホッ!ゴホッ!」
するとそこへ、部屋に辰美が入ってきて
「お兄ちゃん!?ちょっと!血が出てるじゃない!大丈夫!?」
「辰美か…心配ない、俺なら平気だ…ゲホッ!ゴホッ!」
「平気なわけないじゃない!やっぱり完璧にコントロールできるようになっても体に負荷が懸かっていたのよ!もうこれ以上闘うのは止めて!これ以上無茶したらホントに死んじゃうよ!」
「分かってる、けど…この戦いだけはどうしても避けることはできないんだ」
「でもやっぱり無茶だよ!私、皆にこのこと伝えてくる!」
出ていこうとする辰美の手を掴む辰哉
「ダメだ!あいつらには、余計な心配はかけたくない!このことは、誰にも言うな!」
「で、でも…」
「いいな!」
「……うん」
気分が落ち着いたところで皆のところへ戻る辰哉
「あっ!辰哉さん!大変です!これ見てください!」
「どうした?」
一矢達が見ていたのはテレビのニュースの中継だった
そこで中継されていたのは獄龍斎が街の大型画面をジャックしているところだった。
『…愚かな龍賢者の子孫共よ!我々邪龍一族は今から三日後に人類殲滅計画を開始することをここに宣言する!』
獄龍斎の犯行声明を聞いてざわめく街の人々
『もしもこの計画を止めたくば、力ずくで我らを止めてみよ!果たして貴様らごときに人類の未来を守ることができるかな?ガッハッハッハ!!』
そう言って画面が途切れる
「チクショウ獄龍斎の野郎、ナメた真似しやがって!」
怒って壁を殴る潤平
「あいつらホンマのホンマに人間滅ぼすつもりか…?」
「どうしよう?でも、私達が束になってかかっても獄龍斎には敵わなかったし…」
「けどこのまま見過ごせば人類は絶滅…そんなの絶対嫌だっぺ!」
「………」
そこで突然一矢はスクッと立ち上がり
「あのさ、たしかに獄龍斎はとんでもなく強い、俺だってホントは怖い…けど俺達には!守らないといけない、掛け替えのないものがあるはずだよ!」
「…あぁもちろんだ、俺は村野先生にボクシング部の後輩達…」
「…ウチはお父ちゃんや同僚の皆も」
「オラも、田舎のおとうやおっかぁ、じいちゃんやばあちゃん、それから村の皆にもちろんレベッカさんも!」
「アタシも、ドラゴネストライブのメンバーや島田マネージャー、それに応援してくれるファンの人達…」
「俺はもちろん、辰美やじっちゃん…それからお前達だって俺にとって掛け替えのない存在なんだぜ?」
「うん…だから俺達は精一杯戦おう!愛する人達の笑顔を守る為に、人類の明るい未来の為に!!」
「フッ、あぁ!」
「もちろんや!」
「やってやるっぺ!」
「絶対に、勝つ!」
「よし!みんな、この戦い…絶対に終わらせよう!俺達が最後の希望だ!」
「おぉー!!!!!!」
続く




