第十五話 超絶怒涛!金色の龍王、現わる!!
…ある日のこと、辰美が研究所を掃除していた時のことだった。
「よいしょっと…ふぅ~、まったくもうおじいちゃんったら…私が片づけないとすぐ出しっぱなしにするんだから…」
研究所に置いてある膨大な研究資料や古い文献を整理している。
「さてと、後は…ん?」
片づけの最中にとある古い文献が目に止まった。
「何これ?随分古い本みたい…えーと、『龍王伝説』?」
『龍王伝説』と書かれた本をパラパラとめくる
「今帰ったぞぉ辰美」
「あ、おじいちゃん!あのね、これなんだけど…」
「ん?こ、これは!?」
「えっ?」
「辰美!急いでみんなを集めるんじゃ!」
「えっ?あ、うん!」
リュウケンジャーのメンバーを招集する博士
「どうかしたんですか博士?急に呼出しするなんて珍しい」
「うむ、今日君達を呼出したのは他でもないんじゃ、まずはこれを見てくれ」
と、みんなに龍王伝説の本を見せる
「何だこりゃ?きったねぇ本だなー」
「アホ!言うてる場合か!」
「中には何が書いてあんだべ?」
「どれどれ?何これ?見たことない文字ばっかで全然読めない!」
「これは暗号だな…ふむふむなるほど」
「辰哉さん?もしかして読めるんですか?」
「ん、あぁ…まぁだいたいな」
「で、何が書いてあんねん?」
「あぁ…『昔、一匹の龍ありけり…その者、金色に輝く鱗を持ち、八百万の神々にも通ずるほどの強大な力を持ちて人々を災いから守りけり…その龍の名を、『龍王』と言いけり…』」
「龍王?」
「神にも通ずる龍か、俺達の五色の龍の他にもそんなすげぇ龍がいたんだな…」
「まだ続きがある『ある時、人々に大いなる災いが降りかかりけり…龍王は己の命を賭して人々を災いから守りけり…龍王は全ての力を使いきりやがて永い眠りについたり…その魂は一振りの剣に宿りけり…やがて時が流れ、龍王の剣は悪しき心を持った人間の手に渡りその者は剣を使って悪行を重ね人々を苦しめたり…だがしかし、その者の前に一人の巫女が現れその者に天罰を与えん…巫女は龍王の剣を二度と人の手に渡らぬように人知れず剣を封印せしめん…巫女は龍王の魂の一部から新たに五匹の龍を生み出しけり…』」
本を読み終えた辰哉
「…つまり、五色の龍達はその龍王の魂から作られた龍王の分身みたいなものだったってことか…」
「恐らくその考えで間違いないな…」
「だとしたらよ、その剣は今もどこかに封印されているってことだろ?もしその剣を手に入れられたら邪龍一族をぶっ倒せるんじゃねぇか?」
「そやな、潤平の割にはたまにはえぇこと言うやん」
「たまにはは余計だ…」
「いや、それが無理なんだ…」
「えっ?なんで?」
「封印の場所を示してあったであろう文面が黒く塗り潰してある、これでは探しようがない…」
「なんだ…ダメか…」
一同、諦めかけたその時だった。
「いや待て、もしかしたら!」
研究室に慌てて何かを取りにいく博士
「おじいちゃん?どうしたんだろ?」
「さぁ?」
しばらくして博士が新聞の記事を持って戻ってきた。
「これだこれだ!ちょっと見てくれ!」
「何々?『とある山奥の山中にて、千年以上前に立てられたであろう古い祠を発見』…ってまさかこれが!?」
「あぁ、もしかしたら龍の巫女や五色の龍に関わるモンかもしれんと思って取っておいたんじゃが、まさかホントに役に立つとはな!」
「流石はじっちゃんだぜ!この山だったらすぐ近くだな」
「なら早速行こう!もしかしたら邪龍一族もこれを狙ってくる可能性もあるかもしれないし!」
「あぁ、一理あるな」
「ほなさっさと行くで!」
「あぁ、頑張って探すべ!」
「なんか宝探しみたいでワクワクするね!」
「私も一緒に行くわ!もしかしたら私の力が役に立つかもしれないし」
「辰美…あぁわかった、だが無茶なことだけはするな」
「うん、約束する」
「よし、それじゃ行きますか!」
「おう!」
一矢達が龍王の剣を探しに行った頃、その一方で邪龍一族のアジトでは…。
「何?龍王だと?」
「はい、聞けばその龍王はあの忌まわしき五色の龍を作った神にも通ずると言われる龍、この力を我らが手に入れらればリュウケンジャーや裏切り者龍牙を始末することなど容易いことかと…」
「フン、面白い…では早速探して参れ!」
「ははっ!」
…一方一矢達は、龍王の剣が封印されているであろう山にたどり着いていた。
「この山のどこかにその祠があるのか…」
「ひゃー、でけぇ山だべなぁ…」
「よし、ここは手分けして各々探すとするか…」
「そうだね…」
と、言うことで各自二手に分かれて行動することに、くじで決めた結果、一矢と辰美ペア、潤平と正子ペア、大樹と晴美ペア、そして余った辰哉は一人で行動することになった。
「いいか、何かあったらすぐ知らせるんだ、くれぐれも無茶な行動は控えろ、それと一矢、辰美を頼んだぞ!」
「任せてください!」
「よし、では行くぞ!」
各々に分かれて祠を探す、まず一矢と辰美は東側を捜索する
「うーん、やっぱりそれらしいものはないな…そっちはどう?」
「ダメ…それらしい気配も感じられないわ…」
龍水晶をあちこちにかざして気配を辿る辰美
「仕方ない、もう少し奥を探してみよう」
「そうですね…」
二人奥へ進む、一方その頃、西側を捜索している潤平と正子は
「だから!さっきのところ右に行った方がいいって俺言ったよな!?」
「やかましいわアホんだら!黙ってウチについて来いや!」
「んなことばっか言ってさっきから同じようなとこぐるぐる回ってるだけじゃねぇか!」
開始早々道が分からずお互いいがみ合っていた。
一方、北側を捜索している大樹と晴美は…
「…ハァ、全然見つからないね…」
「んだべな…」
「あぁもう足パンパン、こんな山ん中歩いたことないもん、クタクタだよ~」
「そうだべか?オラは子供の頃から山が遊び場みたいなもんだったからこんくらい慣れっこだべ」
「へぇ~なんかちょっと羨ましい…」
「さ、後もうちょっと頑張っぺ!」
「は~い…」
一方で南側を単独で探す辰哉は…
(…この辺りではないな、もっと奥へ言ってみるか…)
ずんずんと山の奥へと突き進む、するとそこへ突然目の前に龍々が現れたのだった。
「ハ~イご機嫌麗しゅう龍牙ちゃん!」
「龍々!」
「やっぱりあなた達もこの先のものが目当てってわけね!そうはいかせないわ!カモン!モノノケちゃん!」
現れたのはオオカミの姿をした『邪龍オオカミ』だった。
「ガルルル、こいつは喰いごたえのありそうな奴だぜぇ!」
「さぁオオカミちゃん!やっておしまい!」
「ガルルル!」
「くっ!」
生身のまま邪龍オオカミと応戦し、その最中に一矢達に連絡を取る辰哉
「こちら辰哉!こっちで龍々とモノノケが現れた!そっちはどうだ!?」
「こちら一矢!たった今こっちにも龍明とモノノケが現れたんだ!」
「ウチらもや!金龍斎と邪龍兵どもがワラワラ湧いてきよってそっち行けそうもあれへん!」
「オラんとこもだべ!いきなり銀龍斎が邪龍兵引き連れて現れたもんだからちっとも進めねぇべ!」
「チッ!面倒なことになったな…とにかく全員目の前の相手をまずは倒すんだ!」
「OK!」
「行くぞ!『ドラゴン・チェンジ』!!」
各々変身して邪龍一族と対峙する。
「はぁ!やぁ!てりゃぁ!」
邪龍オオカミを圧倒するドラゴンナイト
「ガルルル!しぶとい奴め!」
「そぉれそぉれ!どんどんやっちゃいなさい!」
「くっ!」
一方で、レッドは猿の姿をしたモノノケ『邪龍猿』と対峙する
邪龍猿は軽い身のこなしで木の枝をヒョイヒョイ跳んで回りレッドを翻弄する。
「くそ!降りてこい!」
「ウッキッキッキ!やーいここまで来れるモンなら来てみろー!ウッキッキッキ!」
「くそ!ちょこざいな…ここで龍の波動を使えば辺りも燃やし兼ねないし…どうすれば?」
「一矢さん!後ろ!」
「何!?ぐあっ!」
隙をついてレッドを後ろから奇襲する邪龍猿。
「一矢さん!」
一方、ブルーとイエローは金龍斎と邪龍兵軍団と対峙する。
「うぉぉぉぉ!」
金龍斎に怒涛のラッシュを浴びせるブルー、しかしびくともしない
「ヌルイわ!そんなヌルイ拳でこの拙者を倒せるとでも?片腹痛いわ!」
「チッ!上等だコラァ!」
「潤平!くそ、早うどかんかい雑魚どもぉ!」
邪龍兵軍団に銃を乱射するイエロー
一方、ブラックとホワイトは銀龍斎と邪龍兵軍団と対峙する。
「それそれ!よっ!はぁ!とぉっ!」
持ち前の軽快な動きで邪龍兵軍団を次々圧倒するホワイト
「どっせぇぇぇい!」
「フン!」
銀龍斎に挑みかかるブラック、銀龍斎と両手を組み合い力比べする
「ふぬぬ…」
「ふぎぎ…」
「大樹君もう少し堪えて!私もすぐ行くから!」
「無駄で候!此奴の次は貴様で候!」
「ふぎぎ…オラは、オラは負けねぇ!うぉぉぉ!!」
「何!?」
フルパワーで銀龍斎を押し込み後ろの大きな木に激突させる
「ぐぼっ!」
「くらうべ!『ドラゴン・グランドブレイク』!!」
銀龍斎に力一杯ハンマーを振り下ろす
「流っ石大樹君!よーし私も!『ドラゴン・ハリケーンクラッシュ』!!」
必殺技で一気に邪龍兵を蹴散らす
「さ、今のうちに!」
「うん!」
銀龍斎を倒し先へ進む。
一方でブルー達も決着が着こうとしていた。
「オラオラオラオラオラオラァ!!」
一点に集中して金龍斎の胴当てにパンチを叩き込むブルー
「ハッハッハッ!無駄でござる!痛くも痒くもないわ!」
余裕な顔でブルーのパンチを受ける金龍斎、と、その時…金龍斎の胴当てにヒビが入った
「な、何!?」
「この俺を…ナメんなぁ!」
渾身の右ストレートで金龍斎の胴当てを破壊する
「ぐあぁぁぁ!」
「これで終わりだ!『ドラゴン・ビッグウェーブアッパー』!!」
強烈なアッパーカットで金龍斎を吹っ飛ばす
「フン、やるやんけ…ほんならウチも!『ドラゴン・スパーキングショット』!!」
必殺技で一気に邪龍兵を蹴散らす
「うしっ!先行くぜ!」
「あっ!ちょお待ちぃや!」
一足早く祠へと向かう潤平達四人、モノノケ達と対峙するレッドとドラゴンナイト…果たして運命や如何に!?
後編へ続く




