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聖龍戦隊リュウケンジャー  作者: 紫龍院 飛鳥


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第十一話 怒り爆発!龍騎士の逆鱗!!

今日は研究所の裏の山でリュウケンジャーの五人は辰哉に修行をつけてもらっていた。

辰哉は手拭いで目隠ししていて辰哉の周りを五人が囲っている。

「行くぞ!」

五人で一斉に辰哉に向かっていく、すると辰哉は五人が接近してくるギリギリのところで上に跳んでかわした。

「何!?」

そして着地すると同時に木刀を抜き五人を一辺に蹴散らした。

「うわっ!」

軽く吹っ飛ばされ尻もちをつく、しかし一矢一人だけはすぐさま立上がり辰哉に向かっていった。

「たぁっ!ていっ!とぉっ!」

次から次へと攻撃を繰り出す一矢、しかしどれもことごとく防がれてしまう。

「ハァ、ハァ、うぉぉぉぉ!!」

渾身のパンチを放つ、だがそれも軽く防がれた挙げ句腕を捻られそのまま投げ飛ばされた。

「いてて…くそー!また負けた!」

「ハァ、ハァ、嘘だろ…もう何十回も組合って一発もくらわないとかマジかよ…」

「ホンマや、しかも目隠ししたまんまやで…ありえへんやろ」

「ふひぃ~、オ、オラもう限界だべ…」

「あたしも…それに比べて辰哉さんなんて息切れ一つしてないし…」

「やっぱりそれも強化改造されたからですか?」

「あぁ、おそらくな…まったく疲れを感じないな」

「マジかよ…ズリーだろそれ!」

「こんなんとてもやないけどついていかれへんわ…」

修行のあまりの厳しさにみんな口々に文句を垂れる

「でもみんな逆に考えてみようよ!確かにこの修行はキツイけどこの修行を乗り越えさえすればオレ達きっと強くなれるよ!そう考えるとなんかワクワクしない?」

持ち前のポジティブシンキングでみんなを励ます一矢

「へっ、お前にそこまで言われちゃ頑張らないわけにゃいかねぇな」

「ホンマその通りや、ウチとしたことがどうかしとったわ!」

「オ、オラももっと強くなりてぇ!」

「あたしもやるからにはもっと強くなりたい!」

「よし、みんな頑張ろう!辰哉さん、もう一度お願いします!」

「フッ、あぁいいぜ!来な!」

「行くぞ!うぉぉぉ!!」


…一方その頃、研究所の方では博士が朝からまた何やら開発していた。

「おじいちゃーん、お茶煎れてきたよ」

「おぉすまないな辰美、そこへ置いておいてくれ」

「うん、今度は何作ってるの?」

「うむ、辰哉専用の巨大戦闘マシンじゃ、これさえあれば一矢君達ともより協力して戦えるじゃろう」

「すごいいつの間に…」

「昔まだ若い頃に若気の至りで作ったんじゃが…どうにも上手くいかなくてな、長らく地下深くの格納庫にしまってたんじゃが、今の私の知識と経験と技術を持ってすればなんとかなるはずじゃとそう思っておる」

「そうなんだ、上手くいくといいね!お兄ちゃんもきっと喜ぶよ」

「私もそう思うよ、おっとこうしている間に早く仕上げねば!」

「そっか、じゃあ私はお昼ご飯の買い出しに行ってきます」

「うむ、気をつけての!」


一方その頃、邪龍一族のアジトでは…


「龍牙の野郎!等々本当にリュウケンジャーの仲間なんかになりやがった!あー腹立つぜぇあの野郎!!」

辰哉がリュウケンジャーになったことで怒り心頭の爆龍

「兄上、どうか落ち着いてください!」

「うるせぇ!オレ様に命令すんじゃねぇ!」

怒りが収まらない爆龍、そこですかさず金銀兄弟が爆龍のみぞおちと首筋を叩き一瞬にして黙らせた。

「うぐっ!」

「やかましい小僧でござるな…とても兄上の子とは思えんでござる」

「うわーすご~い!あのうるさい爆龍兄様を一瞬で気を失わせるなんて!」

「しかし、あの龍牙とかいう男…このまま放っておけばかなりの強敵になることは間違いないで候…」

「かくなる上は、まず龍牙をなんとかせねばなりませんねぇ…」

龍牙の対策について策をこうじてみた、するとここで龍々が

「あっ!そうだ!そう言えば私龍牙ちゃんに『アレ』つけたのすっかり忘れてた!」

「『アレ』…とは?」

「あのね…ゴニョゴニョ…」

龍明と金銀兄弟に耳打ちする

「なるほど…それは面白そうですね、ですが今の龍牙は洗脳を解かれた身、そう簡単にいきますか?」

「問題ないわ、これを使うから…フフフ」

龍々が取り出したのは一枚の写真

「ムム、その者は確か龍牙の…」

「フフフ…どうなるかすごい楽しみ…フフフ」

不敵な笑みを浮かべる龍々。


…場所は戻って裏山、今は全員休憩している。

「ハァ~、やっと休憩だぜ!あの野郎手加減とか一切抜きだし、身が持たねぇよまったく…」

「なんやアンタ、もうへばったんか?情けないなぁ」

「そう言うアンタだってへとへとじゃねぇか…強がってんじゃねぇよ…」

「なんやと?別に強がってへんちゅーねん!」

「まぁまぁ二人とも!落ち着いて!」

「…にしてもオラ腹減ったべ、もう動けねぇよ…」

「あ、もうお昼過ぎてるじゃん!そりゃお腹も減るわけだよ~」

と、そうこう話していると辰哉が戻ってきた。

「皆!取り敢えず午前の修行はこれで終わりだ、午後からは実戦形式で演習を行うからな!」

「うへぇ~まだやるだべか~」

「まだまだびしびししごいてやるから覚悟しろよ?それよりそろそろ辰美が昼飯の支度する頃だから研究所に戻るぞ」

「やったーやっとご飯だぁ~!私もうお腹ペコペコ~!」

「よし、じゃあ戻ろうか?」

研究所へ戻る六人

「じっちゃん、ただいま」

「おぉ、お帰り!なぁ君達、辰美知らないか?」

「辰美?いや、オレらが修行している間一度も来ていないが…なんかあったのか?」

「実はな、昼の買い出しに行ったきり帰ってこないんじゃ…いつもならもうとっくに帰って来てるはずなんじゃがの…」

「心配しすぎだろ?大方どっかで道草でも食ってんじゃねぇの?」

「いや、それはないな…オレの知る限り辰美はそんなことしたことは一度もない…」

「うむ、確かにそうじゃな…」

「だとしたらどうしたんだろう…まさか!」

「あぁ、すぐ探しに行くぞ!」

「はい!」

辰美を探しに研究所を後にする六人、手分けしてあちこち探し回る。

「どうだ?いたか?」

「だめです、やっぱりどこ探してもいません!」

「辰美はいつも決まって飯の買い出しはこの近辺の商店街でするはず、これだけ探していないとなると…やはり何かあったと考えた方が妥当だな」

「なら尚更早く探し出さないと!…あれ?」

「どうした?」

何か落ちていることに気づく一矢

「これ…エコバッグですね、落とし物かな?でもなんでこんなところに?」

「そのバッグちょっと見せてみろ」

「えっ?はい」

「…やはりこのバッグ、辰美のバッグだ!」

「えっ!?なんで分かるんですか?」

「これだ」

みるとバッグの端っこに『りゅうもんじ たつみ』と名前が刺繍してあった。

「このバッグは子供の頃にばあちゃんが辰美に作ったお手製のバッグ、このバッグを持っているのは辰美だけだ…」

「てことは、それは辰美ちゃんが落とした!」

「あぁ、間違いない!ましてやこのバッグは辰美が子供の頃から大事に大事に使ってたものだ、落として気がつかないはずがない!」

「だとしたら、やっぱり…」

「辰美は邪龍一族に誘拐された!」

「大変だ!とにかく急いでみんなに知らせないと!」

「あぁ、そうしてくれ!オレはこれを使って辰美の居場所を探す」

「えっ?どうやって?」

「こうするんだ、フンッ!」

辰哉はバッグに右手をかざし意識を集中する、するとバッグに残っていた僅かな辰美の気を感知し今度は左手を上にかざし周囲に自分の気を張り巡らして辰美の居場所を感知し始めた。

「!?、見つけた!」

「えっ!?ホントですか?」

「ここから南の方角から辰美の気と数人の邪龍一族の気を感じた…やはり拐われたみたいだな…」

「分かりました、じゃあ早く行きましょう!」

「案内する、ついて来い!」

辰美の監禁場所へ急ぐ一矢と辰哉。


監禁場所に着く、そこは波止場の倉庫が沢山ある場所だった。

「ここか…」

「あぁ、こっちだ!」

辰美の監禁されている倉庫の前に立つ

「行くぞ?」

「はい!」

意を決し扉を開ける、中に入ると辰美が鎖で手足を縛られ倉庫の柱にくくりつけられていた。

「辰美!」

「辰美ちゃん!」

「お兄ちゃん!一矢さん!」

「待ってろ、今助けてやる!」

辰美を救出しようと倉庫の中へ入る、するとどこからともなく銃撃され後ろに退く。

「お久しぶりねぇ!龍牙ちゃ~ん!」

「お前は、龍々!やっぱりお前達の仕業だったのか!」

「ピンポーン!大正解~!アッハッハ~!」

「ふざけるな!とにかく辰美を返しやがれ!」

「アッハッハ~!おバカさんねぇ、返せって言われて素直に返すって思った?残念!答えは当然ノーよ!」

すると今度はいきなり金銀兄弟が現れて一矢達に襲いかかる。

「うわっ!」

「くっ!」

生身のまま金銀兄弟と応戦する一矢と辰哉

「お兄ちゃん!」

「フフフ、さぁて…折角だからお兄様の目の前で愛しい妹を可愛がってあげるわ…例えば、この可愛いお顔をズタズタに醜く引き裂いてあげようかな~?」

「やめろ!」

「フフフ、さぁ…どこから切っちゃおっかな~♪」

辰美の顔に手術用のメスを宛がう龍々

「いや…やめて!助けて!助けてお兄ちゃん!」

「ったくうるさいわね!少し黙りなさい!」

龍々に頬を叩かれる辰美、すかさず龍々を睨み返す。

「その眼…なんて憎らしいの!私達を倒したあの忌々しい龍の巫女そっくり!今すぐえぐり取ってやるわ!」

メスを高く振り上げる

「やめろ、やめろぉぉぉ!!うっ!」

すると辰哉は急に頭をおさえてしゃがみこんだ。

「辰哉さん!」

「余所見している暇はないぞ!」

「うわっ!」

苦しそうに悶え苦しむ辰哉、すると辰哉の体から妖気のようなものが漏れだし、顔には不気味な紋様が表れた。

「ハァ、ハァ、オレの妹に…手を出すなぁぁぁぁ!!」

すると辰哉の全身から紫色の衝撃波が放たれ周囲の物を吹っ飛ばした。

「うわっ!」

「キャッ!」

「龍々よ!これで上手くいったのか!?」

「えぇ!大成功です!想像以上ですわ叔父様!」

「龍々!お兄ちゃんに一体何をしたの!?」

「私は何もしてないも~ん!ただ龍牙ちゃんの体に仕込んだリミッターが外れただけだも~ん」

「リミッター?」

「万が一のことを想定して龍牙ちゃんには怒りの感情が頂点に達した時に力が増幅するように仕込んでおいたの!その名も『逆鱗モード』!まさかここまで上手くいくなんてやっぱり私って天才♪」

「ふざけないで!早くお兄ちゃんを元に戻して!」

「残念だけどそれは無理ね!一度逆鱗モードを解放したらすべてを破壊し尽くすまで止まることはないわ!」

「そ、そんな…」

「うわぁぁぁ!!」

「辰哉さん!落ち着いて!落ち着くんだ!」

辰哉を止めようとする一矢、しかし金龍斎に阻まれてしまう。

「邪魔をするでないわ!」

「うわっ!…くそ!どうすれば…」

すると、そこに潤平達が合流してきた。

「一矢!一体どうなってんだ!」

「あれ、辰哉やんか!なんでまたあないなことになっとんねん?」

「今は説明してる時間はない!みんなは金銀兄弟を!辰哉さんはオレが止める!」

「分かった!みんな行くで!」

「おう!」

「『ドラゴン・チェンジ』!!」

金銀兄弟を外に連れ出すブルー達

「うぅ…うわぁぁぁ!!」

「辰哉さん!落ち着いて!元に戻るんだ!」

必死に辰哉を止めにかかる一矢

「うぅ…うわぁぁぁ!!」

またも衝撃波で吹っ飛ばされる

「妹ニ…手ヲ出スナ…」

すると辰哉は左腕にドラゴン・ガントレットを装着し、トリガーを引く

「ハァ…ハァ…『ドラゴン…チェンジ』!!」

ドラゴンナイトに変身する、しかしいつものスーツの形状ではなくマントがなくなっていて色は銀色から紫掛かった銀色になり全体的に刺々しい姿に変わっていた。

「辰哉さん…」

「うぅ…うぅ…うわぁぁぁぁ!!」

ドラゴンナイトの雄叫びが辺りに鳴り響いた。


続く


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