第十話 新たなる戦士!聖龍騎士 ドラゴンナイト誕生!!
ある日のこと、辰哉は辰美に連れられて服を買いにショッピングモールにやってきている。
「お兄ちゃんどう?着れた?」
「ん?あぁ…これでいいか?」
試着室から出て辰美に着た服を見せる辰哉
「うんうん、バッチリ!凄く似合ってるよ」
「そ、そうか…」
辰美に褒められて少し照れる辰哉
「あっ!ねぇお腹空いてないなんか食べようよ!」
「待て待てそんな慌てんなって、ったく…」
…一方その頃研究所では
「こんちはーっす」
「あっ、一矢君」
「どうもだっぺ」
大樹と晴美はソファーに座って将棋をさしている
「ほい、王手っ!」
「かぁ~!またやられたっぺ!」
「あれ?二人しかいないの?みんなは?」
「正子ちゃんは仕事、潤平君はトレーニングで博士は朝から開発室に籠ってなんか作ってる」
「ふ~ん、あっ辰美ちゃんと辰哉さんは?」
「辰美ちゃんは辰哉さん連れて買い物に行ったっぺよ、たしか辰哉さんの服やら買いに行くって言ってたべ」
「私も一緒に行こうかと思ったけど、折角の半年ぶりの兄妹水入らずだしと思って…で、暇だったからこうして大樹君と将棋でもしようかってなったの」
「それが聞いとくれよ、晴美ちゃん将棋滅茶苦茶強いんだべ!」
「フフ~ン、こう見えて私中学の頃将棋部部長だったんだよ!最近はアイドル活動とかで忙しくてやってなかったけどまだまだ捨てたもんじゃないね、ホッホッホッ~!」
「む、無念だっぺ…」
ガックリと肩を落とす大樹。
一方その頃、場所は変わって邪龍一族のアジト
中では怪しげな儀式が行われており、二つの石棺が並べてあるその横で怪しげな呪文を唱える獄龍斎。
「…ブツブツ…ブツブツ…」
やがて石棺の中から段々と妖気が立ち込めてきて石棺の蓋がガタガタと震え始めた
「…喝っ!!」
獄龍斎が最後に気合いを込めると石棺の蓋が勢いよく外れ中から何かが飛び出してきた
飛び出してきたのは獄龍斎と瓜二つの容姿をした二人の男だった
「…久しぶりだな『金龍斎』『銀龍斎』」
名前を呼ばれた二人は獄龍斎の方に向き膝まずく
「お久しゅうございます、兄上」
「あ、兄上!?」
それを聞いた邪龍三兄妹は仰天する
「お前達はまだあったことはなかったな、こやつらは儂の弟の双子の兄弟、金龍斎と銀龍斎だ」
「父上様の弟、つまり我々の叔父上に当たる方達ということですね…」
「ちょっと待てよ親父ぃ!オレ達ゃアンタに兄弟がいるなんて話聞いたことねぇぞ!」
「私も私も!どう言うことお父様?」
「お前達が知らぬのも無理はない、こやつらはお前達が生まれる前に死んだ身だったからな」
「…して兄上、某等を蘇らせたということは余程のことがあったのであろうな?」
「うむ、実は三百年前に儂を倒した龍賢者の子孫達が再び我が野望阻んでいるのだ、こやつらをお前達に始末してきてもらいたい」
「はっ!承知したでござる!」
「必ずや我等が手で葬ってご覧に入れ候…」
「頼んだぞ…」
「はっ!!」
…時を同じくして辰哉と辰美は一通り買い物を終えてカフェで一休みしていた。
「…今日は済まないな、結局お前に全部代金出させてしまって…」
「ううん、いいの!それにお兄ちゃんどうせお金持ってないでしょ?」
「たしかにそうなんだが、女に金を出させるのはオレの流儀に反する…だから今日の分はいつか必ず返す!約束だ!」
「そんなこといちいち気にしなくてもいいってばさ、相変わらず頑固なんだから…」
「そ、そうか…すまん、つい…」
「まぁ、でもそういうところがお兄ちゃんらしいって言うかなんて言うか、ちょっと安心した」
「辰美…はっ!?」
と、ここで突然邪龍一族の気を予知した辰哉
「お兄ちゃん?」
「…奴らだ、この近くにいる!」
すると辰美の持っている龍水晶も怪しく光り出した
「ホントだ!急いで一矢さん達に連絡を!」
ケータイを取り出し急いで一矢達に連絡する辰美
「くっ!」
居ても立ってもいられない辰哉は一足早く気を感じた方へ急ぐ
…現場へ着くとそこには金龍斎と銀龍斎が立っていた。
「お、お前達は…!?」
「お初にお目にかかるな、拙者の名は金龍斎でござる!」
「そしてその弟、某の名は銀龍斎にて候!」
「金龍斎に銀龍斎?聞かねぇ名だな…お前達何者だ!邪龍一族の新しい幹部か!?」
「我等は獄龍斎の兄者の血を分けた兄弟にて候!」
「なっ…獄龍斎の弟、だと!?」
「我等は兄上より龍賢者どもを始末せよとの命を受け馳せ参じた!さてはお主が龍賢者でござるな?」
「オレは龍賢者じゃない…だが、龍賢者はオレの大切な仲間だ!やらせはしない!それがオレ流の流儀だ!」
「ほぅ、ただの人間の分際で我等に歯向かおうと…この者いかにいたそうか銀の字よ?」
「龍賢者であろうとなかろうとそれに与するのであらば我等の敵に変わりなし、排除するのみに候!」
「望むところだ、辰美…危ないから下がってろ」
「うん!気をつけてお兄ちゃん!」
持ってた刀を抜いて挑み掛かる辰哉
「この妖気、兄者の…貴様一体何者?」
「お前らごときに教える義理はない!はぁ!!」
「ぬぉっ!?中々の太刀筋…ならば出でよ!邪龍兵!」
どこからともなく邪龍兵がぞろぞろと現れる
「さぁ、この数相手にまだ粘るとでも?」
「くっ!」
数に圧倒されたじろぐ辰哉、しかし丁度その時一矢達も現場に到着する
「辰哉さん!辰美ちゃん!」
「来たか!」
「ん?なんやあいつら?見たことあらへん奴らがおるで」
「あっホントだ、新しい幹部か?」
「あいつらは獄龍斎の弟で金龍斎と銀龍斎だ!気をつけろ!」
「獄龍斎の弟か…なるほど、そしたらかなり強そうだな」
「あぁ、みんな気を引き締めてかかろう!いくよ!」
「よっしゃ!!」
「『ドラゴン・チェンジ』!!」
変身し邪龍一族と対峙する
「ほほぉ、すると貴様らが龍賢者だな?」
「そうだ!オレ達は龍賢者の子孫、聖龍戦隊リュウケンジャーだ!」
「名前などどうでもいい…やってしまえば名前など意味を成さんのだからな」
「何を…篤と見よ!龍の力!」
一斉に挑み掛かるリュウケンジャー達、その隙に辰哉は辰美の側について辰美を守る
「行くぞ!銀の字!」
「おうよ金の字!」
激しくぶつかり合うリュウケンジャーと邪龍一族、邪龍兵をあっと言う間に倒し、残るは金銀兄弟のみ
金銀兄弟は息の合った連携プレーでどんどんとリュウケンジャーを追いつめていく
「っ!!コイツらなんつーコンビネーションしてやがる!」
「フハハハ!我等が連携攻撃からは逃れる術などないで候!」
「ではそろそろ終わりにするでござる!銀の字!」
「合点!」
二人は呼吸を合わせて気を練る
「くらえ!『金銀龍大砲』!!」
圧縮した気の弾を放つ
「うわぁぁぁぁぁ!!」
モロにくらい変身が解ける
「うぅ…なんて強さだ…」
「みんな!」
「お前達!大丈夫か!?」
一矢達に駆け寄る辰哉と辰美
「さて、次はお前達の番で候…」
「くっ…」
絶体絶命のピンチと思ったその時だった…
突然バイクに乗った博士が現れたのだった。
「おじいちゃん!」
「じいちゃん!」
「博士!」
「遅くなってすまない!思ったよりも開発に時間がかかってな…だがもう安心だ!」
すると博士は持って来たアタッシュケースを取り出しケースを開いて中の物を辰哉に渡す
「こ、これは…!」
博士から渡されたのは銀色の龍の頭の形をしたガントレットだった
「それは一矢君達のドラゴン・チェンジャーをお前さんでも使えるように改良した『ドラゴン・ガントレット』じゃ!こいつを使えばお前さんも十分に戦えるはずじゃ!」
「そうか、ありがとうじいちゃん!」
早速ガントレットを左腕に装着する
「今更何をしようと無駄でござる!」
「そいつはどうかな?」
「何?」
「もうこっから先は手加減は抜きだ、目一杯暴れさせて貰う!」
「ほざけ!龍賢者でもないお前が我等に敵うわけがない!」
「たしかにオレは龍賢者ではない、だが龍賢者じゃなくてもオレは戦える!オレはコイツらに命を救われた、オレはその恩義に報いる為に共に戦う…それが、オレ流の流儀だ!『ドラゴン・チェンジ』!!」
そう叫びながらガントレットのレバーを引く、すると眩い光に包まれ瞬く間に変身していく
「『白銀の龍騎士!ドラゴンナイト!!』」
銀色の鎧のようなスーツを纏い紫色のマントをなびかせて腰に剣を携えた西洋の騎士のような姿に変身した。
「す、すごい…」
「よし、上手くいったようじゃな!」
辰哉の変身を見て圧倒する辰美
「何のこれしき!行くぞ銀の字!」
「おうよ金の字!」
再び連携攻撃を仕掛ける金銀兄弟
「くたばれぇ!」
両方向から攻撃を仕掛ける
「危ない!」
と、攻撃が当たる寸前に剣を抜き素早い居合い抜きで金銀兄弟を斬り伏せてしまうドラゴンナイト
「ぐわっ!」
「早い!」
「これは見事な…私の想像をはるかに越えておる!」
「これで終わりだ!」
と、剣先に気を集中する
「くらえ!『ファイナル・ナイトスラッシュ』!!」
無数の斬撃が金銀兄弟を襲う
「ぐわぁぁぁ!!お、己ぇ!」
「ぬぅ…ここはひとまず退散でござる!覚えておれ!」
捨てセリフを吐き逃げ帰る金銀兄弟
「…フゥ~」
一息つき変身を解除する
「やっぱりすごいな、辰哉さんは…オレら五人掛かりでも敵わなかった敵をたった一人で倒しちゃうんだもん…」
「ホンマやで、実際龍牙やった頃もものごっつ強かったしな」
「けど、辰哉ばっかりに甘えらんねぇな…オレも強くならねぇと」
「何ならお前ら全員、オレが鍛えてやろうか?」
「え?いいんですか?」
「あぁ、だがオレ流の特訓は特別厳しいぜ?途中で泣き出しても知らないからな」
「絶対に最後までついていきますよ、ねぇみんな!」
一矢の呼びかけに無言で頷く一同
「よし、そうと決まったら早速明日から特訓開始だ!いいな!」
「はい!」
続く
次回『第十話 怒り爆発!龍騎士の逆鱗!!』
お楽しみに!




