第九話 明かされる真実!空白の半年間!
前回のあらすじ、邪龍一族最強の剣士 邪龍騎士 龍牙の正体が半年前に行方を眩ましたまま消息不明になっていた辰美の実の兄である龍紋寺 辰哉であることが判明した。
感動の再会を果たす二人、しかしそこへ現れた邪龍三兄弟によって辰美と辰哉は崖の下へ落とされてしまう…
怒りに奮える一矢は爆龍と龍明に向かっていくもコテンパンに倒されてしまった
危機一髪のところで晴美に助けられるも瀕死の状態の一矢は後のことを晴美に託し気を失ってしまう。
…そしてここは辰美と辰哉の落ちた崖の下、どうやら二人とも命はとりとめたようだ
「う…う~ん…」
「辰美!大丈夫か!?しっかりしろ!」
「お兄ちゃん…アレ?私、生きてる…」
「皮肉にも改造手術されたこの体のおかげでお前を助けることができたんだ」
「そっか、ありがとうお兄ちゃん…」
「それより、すまなかったな…長い間心配かけて…」
「ううん、別にもういいよ…こうして無事に帰ってきてくれたわけだし」
「そうか…」
「あー!やっと見つけた!おーい!」
辰美達を探しにきていた晴美、辰美達に向けて手を振る
「晴美ちゃん!」
「無事だったんだねぇ~!あれ、この人は?なんか龍牙と同じ服着てるけど…」
「あぁ、この人は私のお兄ちゃんで龍牙の正体だったの」
「えぇ~!?龍牙の正体が辰美ちゃんのお兄ちゃん!?どういうことそれ?」
「あぁ、実はな…」
と、そうこうしている内に邪龍三兄弟の龍々が現れた。
「見つけたわよ龍牙!今度こそ逃がさないんだから!」
「龍々!」
「あらら?なぁんだ女の方も生きてたんだ、だったら纏めて始末してあげるわ!」
「そうはさせないわ!」
「フフン、アンタ一人きりで何ができるのよ!」
「見くびらないでよね!私こう見えて結構強いんだから!」
「黙りなさい!さぁ邪龍兵ちゃん達!やっておしまい!」
「ジャリュー!」
「『ドラゴン・チェンジ』!!」
変身して邪龍兵を迎え撃つ晴美
「えいっ!やぁっ!とぉっ!!」
一人で奮闘するホワイト、しかし邪龍兵が数体辰美達にも迫る
「いけない!辰美ちゃん!」
「ジャリュー!」
と、次の瞬間辰哉が剣を抜きあっと言う間に邪龍兵達を斬り伏せてしまった
「大丈夫か辰美?」
「うん、ありがとう」
「む~何してんのアンタ達!さっさとやっちゃいなさい!」
次から次へと邪龍兵がぞろぞろと現れる
「もーこれじゃ埓が明かない!こうなったら『聖龍召喚』!」
風龍を呼び出し飛び乗るホワイト
「二人とも早く乗って!」
「あぁ!行くぞ辰美!」
「うん!」
辰美を抱えて風龍に飛び乗る辰哉
「キィ~!悔しいぃ~!」
何とか命からがら脱出した晴美達はそのまま研究所へ向かった。
到着すると既に一矢や潤平達も博士に保護されて怪我の手当てを受けている
「晴美ちゃん、辰美!無事だったか!?」
「うん、ただいま…」
「じいちゃん…」
「お前は…辰哉…辰哉なのか?」
半年間行方不明だった孫が無事に帰ってきたことに感激して涙を流す
「じいちゃん…心配かけてゴメン」
「まったくじゃこの馬鹿モンが!どれだけ心配したと思っとるんじゃ!」
「あぁ…」
辰哉は博士と辰美、一矢達五人にこれまでの自分のいきさつをすべて話した。
今から半年前、邪龍一族が復活したことを一早く感づいた辰哉は邪龍一族のアジトを突き止め単身乗り込んだところを返り討ちに合い、瀕死の重症に陥り拘束され、更にはそのまま洗脳され無理矢理体も強化改造されて邪龍騎士 龍牙と名を与えられ邪龍一族の用心棒となっていたという。
「つくづく腐ってやがる…邪龍一族のやつら!許せねぇ!」
壁叩き怒りを露にする潤平
「でも、それ以前にどうやって邪龍一族のアジトを突き止めたんですか?」
「オレは昔から龍水晶を用いらなくても邪悪な気を感じとる力が発達していてな、そのおかげで邪龍一族の復活を一早く察知することができたんだ」
「辰哉は生まれつき普通の人間にはない第六感が発達していてな、古文書によれば龍の巫女も邪悪な心を読みとる力を持っておったらしい…恐らく生まれながらにその力を宿していたんじゃろう」
「へぇ、それやったら邪龍一族が近くにいたらすぐに分かるっちゅうことか?」
「そういうことだ…」
「す、すごいべ…」
「ところで辰哉よ、お前さんこれからどうするつもりじゃ?」
「…決まっている、洗脳が解けた以上オレはもう一度やつらのアジトに乗り込み邪龍一族を潰す!」
「えっ!?」
辰哉の突然発言に驚く一同
「ちょ、ちょっと待てよ!まさかアンタ一人で行くつもりか!?」
「そうだよ!無茶だよ!」
「いくら何でもそりゃ無謀だべ!」
「アンタが行くんやったらウチらも一緒に行って戦う!」
みんなで必死に辰哉を止める
「悪いが、それはできない!」
「どうしてお兄ちゃん!一矢さん達だってこれまでの戦いで十分に成長している!」
「確かにこいつら強い、だがオレには…お前達と一緒に戦う資格はない」
「どうして!?」
「洗脳され操られていたとは言え、オレはお前達に散々手を掛け、傷つけてきた…」
「そんなこと…だって辰哉さんは悪くないですよ!悪いのはあいつらの方でしょ!?辰哉さんがそこまで罪を背負いこむこと…」
「だがオレがやつらに加担しお前達を傷つけたことは事実!自分で犯した罪は自分で償う…それがオレ流の流儀だ!」
そう言い残し研究所を飛び出していく辰哉
「辰哉さん!オレ達も行こう!」
「あぁ!」
辰哉の後を追う一矢達五人
一方その頃龍々は、邪龍兵達を大勢引き連れて龍牙を探し回っていた。
「隠れても無駄よ龍牙ちゃん!大人しく出てきなさい!さもないと街ごと吹っ飛ばしてやるんだから!」
「止めろ!」
「フフン、やっと出てきたわね龍牙ちゃん!さぁ邪龍兵ちゃん達!やっておしまい!」
「ジャリュー!」
「うぉぉぉぉ!!」
剣を構え邪龍兵達を迎え撃つ辰哉
「やぁっ!はぁっ!たぁっ!」
ものすごい勢いで邪龍兵達を斬り伏せていく辰哉、しかし先程の一矢との戦いで受けたダメージがまだ残っており全力を出せないでいる。
そんなことはお構いなしに斬っても斬っても次々と向かってくる邪龍兵
「くっ…ハァ、ハァ、ハァ…」
数に圧倒され疲労で段々と剣が鈍っていく
「今よ!一気にやっちゃいなさい!」
邪龍兵達は一気に辰哉を取り囲み一斉に飛びかかる
(くそ…ここまでか…!)
もうダメかと思い死を覚悟したその時だった。
「うぉぉぉぉぉ!!!!!」
一矢達五人が龍の波動を使って邪龍兵達を一気に吹っ飛ばしたのだった。
「何!?」
「お、お前ら…!」
「辰哉さん!助太刀します!」
「馬鹿!なんで来たんだ!?」
「ハンッ、んなもん今更言うまでもねぇだろうよ!なぁみんな!」
「せや!流儀かなんか知らんけど自分一人でカッコつけすぎやっちゅうねん」
「そ、そうだべ!そんなに一人で背負いこむことなかっぺ!」
「私達はずっと辰哉さんの味方だからね!」
「辰哉さん、辰哉さんは絶対に一人じゃない!オレ達みんながついてる!」
「お前ら…」
「よし、みんな行くぞ!」
「おう!」
「『ドラゴン・チェンジ』!!」
「『業火の龍賢者!ドラゴンレッド!!』」
「『流水の龍賢者!ドラゴンブルー!!』」
「『雷鳴の龍賢者!ドラゴンイエロー!!』」
「『大地の龍賢者!ドラゴンブラック!!』」
「『疾風の龍賢者!ドラゴンホワイト!!』」
「『聖龍戦隊!リュウケンジャー!!』」
「キィ~!みんな纏めてやっちゃいなさい!」
「篤と見よ、龍の力ぁ!!」
邪龍兵達とぶつかり合うリュウケンジャー
バッタバッタと次々薙ぎ倒していく
「これが、今の龍賢者達の力…」
リュウケンジャー達のあまりの戦いっぷりに思わず
見入ってしまう辰哉
「一気にトドメだ!」
五人全員で力を集中する
「『ドラゴン・フィニッシュ』!!」
五つの斬撃が残った邪龍兵達を一気に斬り裂いていき、あっと言う間に全員倒してしまった。
「さぁ、次はお前だけだ!」
「キィ~!悔しい!こうなったら…」
と、龍々は妖気カプセルを取り出すとすぐ近くにいた辛うじて息のある邪龍兵の一体にカプセルをねじ込む
するとみるみる内に巨大化して復活してしまった
「オイオイ、マジかオイ!?」
「とにかく倒すしかないね、行くよみんな!」
「『聖龍召喚』!!」
聖なる五色の龍達が龍賢者と心と体を一つにし、その身を合わせる時、大いなる龍の巨人が誕生した
「完成!『ダイリュウジン』!!」
「ジャーリュー!!」
巨大化してめちゃめちゃに暴れ回る邪龍巨兵
「このまま一気に決めるよ!」
「おう!」
「必殺!『ドラゴネス・インパクト』!!」
「ジャーリュー!!」
ダイリュウジンの必殺技を受けて爆発する。
「悔しい~!覚えてなさい!」
捨て台詞を吐き去っていく龍々
邪龍一族との戦いを終え、辰哉を連れて研究所へ戻る五人
「…みんな、ホントにすまなかった!今回のことも、これまでの行いも…」
全員に深々と頭を下げる辰哉
「もういいってお兄ちゃん!みんなももうとっくに気にしてないから!」
「そうですよ、頭上げて下さい」
「イヤ、こうでもしないとオレの気がすまないんだ!とにかく謝らせてくれ!」
「ハッハッハッ、相変わらずその頑固さだけは変わっておらんようじゃな」
「ゴメンねみんな、ちょっと融通が利かない頑固なところもあるけど許してあげてね?」
「こらまたエライ面倒臭い奴が来たもんやな…」
「あぁ、ホントに大丈夫なのか?」
「まぁいいじゃないか!逆に考えてみようよ、ちょっと変わったところもあるけど戦ったら強いってことはオレ達が身を持って知ってる!むしろ強い仲間が増えてラッキーでしょ?」
「さっすが一矢君!超ポジティブ~!」
「よぉし、そうと決まったら早速歓迎会と行こうか!オレちょっと買い出し行ってくる!」
「あ!私も私もー!」
「オ、オラも行くべー!」
「ハァ…まったくしゃあないな」
「まぁいいじゃねぇの、オレ達も行こうぜ!折角の歓迎会だ、楽しもうぜ!」
「せやな、しゃあない行こか!」
一矢達の後を追っていく四人
…一方その頃、邪龍一族のアジトでは
「…そうか、龍牙の奴め…やはり向こう側へついたか」
「ゴメンなさいお父様、リュウケンジャーの邪魔さえなかったら取り戻せたのに…」
「まぁ良い、こうなることは想定の範囲内だ…いよいよあやつらを蘇らせるとする時が来たな…」
「あやつらって…?」
「うむ、幸い丁度準備も整った頃だしのぅ…」
「おう!親父ぃ!今戻ったぜ!」
「随分と早かったな爆龍、龍明」
「えぇ、まぁ掘り起こすまでに少し手間取ってしまいましたが問題ありません…」
と、爆龍と龍明が持って来たのは二つの大きな石棺だった
「フッフッフッ、これさえあればもうリュウケンジャーなど敵ではないな…フッフッフッ、ハーッハッハッハッハ!!」
獄龍斎の笑い声が高らかにこだまする。
続く
次回『第九話 新たなる戦士!聖龍騎士 ドラゴンナイト誕生!!』
お楽しみに!




