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魔出

退屈な授業が終わりホームルームを終え今日も学園から解放された。


「帰りどこかいかね?」

「早く帰ろーぜー」

「昨日のドラマ見たー?」

「訓練行きましょ」

「早く初等部に行って可愛い天使達を観察せねば」


いつも通りどこからともなく周りから声が聞こえる


ちょっと危ない奴もいるがいつものことだ


覗きと呼ばれて友達が皆無の俺に一緒に帰る人などいるはずもなく、速やかに帰り支度を済ませ教室を出る。


そして一歩学園を出ると低ランクを蔑むような声もちらほら聞こえる。


「低ランクの奴って可哀想だよな」

「生きてる価値ねぇ〜よ」

「俺だったら自殺してるww」


毎日恒例の低ランクへの悪口をBGMに帰路につく

「あっ! 洗剤買うの忘れてた」

駆は洗剤を切らしていることを思い出し目的地を家かはスーパーに変え、歩みを進めた

____________________________________


唐突だがこの世界には原因が判明していない異常現象がある

それは突然ワープホールのようなものが出現し、その中から魔物という異形の生物が出てくるというものだ、これを人々は『魔出』という

例外を除いてだいたいは1〜10匹の魔物が出てくる

魔出によって出てきた魔物は大体はスキル警察か偶々居合わせたスキル保持者によって倒されている

魔物といっても強さにはバラツキがあり、人と同じ様にランクが存在する

魔物は強い順にS>A>B>C>Dクラスと言う様に区別されるが大雑把に説明すると


〈Dクラス〉大の大人がスキルを使わずに複数人でどうにか対処できる強さだ、全ての魔物が地球に存在する生物のどれかの姿をしている


〈Cクラス〉Cランク以上の攻撃系スキル保持者1人で対処できる強さでこちらも地球上の生物の姿をしていてDクラスの魔物と比べて明らかに大きい

そしてCクラスの魔物より上は銃兵器などの武器がない限り普通は攻撃スキルでしか倒せない


〈Bクラス〉Aランク以上なら単独で、B〜Cランクの攻撃系スキル保持者5人程で対処できる強さでスライムのような地球には存在していない生物の姿をしているも現れる


〈Aクラス〉今までに十数回しか出現したことがなく、Sランク1人と同等か少し上回る程度でAランク5人以上で"撃退"可能、B〜Cランクでは時間稼ぎにすらならなく自分より低クラスの魔物を引き連れる、そしてこの魔物は人型しか確認されておらず、人の様にスキルを使うことができるため『魔人』という風に呼ばれている


〈Sクラス〉今までに1度しか出現したことがなく、その時はSランク5人でどうにか撃退することに成功したがSランクスキル保持者の到着までに1万人が死亡した、そしてこの魔物も魔人と呼ばれている


なぜ急にこの様な説明をしているかと言うと


今俺の目の前に目の前にワープホールの様なものが開いたからだ……


____________________________________


俺は放課後スーパーに寄って切れていた洗剤を買ってスーパーを出た

帰り道に近道をしようと人気のない入り組んだ路地を通り、もうすぐ家の近くの表通りに着くというところで目の前にワープホールの様なものが出現し真っ黒な渦の中から触角らしきものが2本出ている


(まずこの触角の幅からしてDクラスの確率は低いだろう

ワープホールの横を通ればすぐに表通りに出て助けを呼べる

でももう触角まで出ているワープホールまでの距離はだいたい3mこの距離じゃワープホールを過ぎたあたりで頭が出てきて食われる

そうじゃなくてもそんな至近距離でもし追いかけられたら恐らく表通りに出るまでに捕まってしまうだろう

それなら来た道を戻って魔物が入れない細い路地に入ればなんとかなる)


俺は瞬時に考えをまとめすぐに来た道を全速力で引き返した


(頼む!Dクラスの魔物であってくれ!!!)


俺は魔物の全体が出たであろう時を見計らって最後の希望に掛けて振り返った


そこには丁度俺をエサとして認識した全身2m程の黒光りで触角をウネウネいわしているみんなの嫌われ者のGがいた


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