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現世

すいませんが大幅に書き直しましたm(_ _)m

この世界は不公平だ


簡単な例を出すなら、カッコいい、可愛い、運動神経がいい、頭がいい、金持ちの子に産まれた、などがある


そしてこの地球で1番の才能は『スキル』だ。


スキルとは5歳の誕生日を迎えると子供達は親にスキルを検査する施設に連れて行かれ、原理は公表されていないが、透明な水晶に触れると隣の画面にスキルのランクや性質が映し出されて初めて自分のスキルを使用することができる。


ランクとは上からSランク>Aランク>Bランク>Cランク>Dランク>Eランク(無能力者)という風に6段階に分けられている。

大雑把に

・Sランクは0.0000001%(日本に10人ほど)

・Aランクは0.0001%(日本に1000人ほど)

・Bランクは1%

・Cランクは49%

・Dクラス1%

・Eクラス49%

のような確率になる。


このような確率になるのも親によって子どものスキルが左右されないということに他ならない。


ランク以外にもスキルは使用方法でも分けられ<攻撃系スキル>・<防御系スキル>・<支援系スキル>・<特殊系スキル>というように別けるとこができる。

ランクは戦闘に向いているものが高い傾向があり、攻撃系スキル保持者はCランク以上しかおらず、特殊系スキル保持者にいたってはAランク以上しかいない。


なのでDランクには非戦闘系スキル保持者しかおらず、ライターぐらいの火を出すだけのスキル、蛇口から出るように水を出すスキルなど欠点が多いスキルなどもDランクにカテゴリーされる。


ランクの格差を簡単に説明すると、SやAランクが出ればどんなブサイクでも、どんなに貧乏でも億万長者間違いなしの上にハーレムも当たり前、将来の職も選びたい放題だ。

逆にDやEランクが出れば、余程の美男美女で無ければモテもせず、金持ちに産まれても優遇されない、将来の職もCランク以上とは2倍以上も給料が異なり、自分の望んだ職に付けるなど夢のまた夢だ。


そしてこの俺、黒井 駆のスキルはDランクの支援系の普通の容姿に運動神経も悪くはないが特に素晴らしいというわけでもない普通の家庭に産まれた人間である。

今までの話を纏めると『俺の人生は負け組だ』ということだ。


そんな自己嫌悪に陥っていると俺が通っている学園が見えきた。


俺が通っている、東京にあるルミーナ学園は日本に数十校あるスキル保持者だけの学園の中の1つであり、その中でも有名な学園の1つである。


その理由はEランクを除く全てのスキル保持者が通えるというところにある。


普通の学園は性別で分けたり、ランクで分けたりするものがほとんどだ。

それはランクなどによる差別によるイジメなどをなくすための処置なのだが、このルミーナ学園ではその差別を徹底的になくすことによって国から許可を得てEランク以外の全てのスキル保持者が通うことができるようになったのだ。

しかし普通に考えればイジメなんて影でやれば基本的にはバレにくい、だがそれを可能にしたのがこの学園の設立を提案した学園長がSランクのスキル保持者であり、詳細は不明だが、スキルにより『学園の生徒である限り過度な差別発言や暴力などを行った者には学園長自ら制裁を行う。』という規則を作りイジメの問題をクリアした。

しかし駆が入学して1ヶ月ほどを過ごしたがいまだに学園長の姿を1度も見たことがなく、人とは"関われない"駆には学園長が男性なのか女性なのかすら知らない。

それでも『学園長の制裁により前日に街中で暴言を吐いたチャラチャラしてピアスや髪の毛を染めていた生徒が翌日には髪の毛を全て剃り、顔も虫も殺せないような別人に変えられ、悟りを開いて出家する。』などという噂まであるのだから実在はするんだろう。


少し脱線したがこの学園は差別がない為Dランクも入りやすく、異なるランク同士の親友でも入学することができるため人気が高く、地方からも入学者が集まるほどで寮も完備されている、そして前の学園を辞めてルミーナ学園に途中から入るというのも珍しい話ではない。駆もその内の1人だ


こんなことを考えているともう駆は教室のドアの前に立っていた。

そしていつも通りドアノブを捻り教室に入る。

入った時の音により気付いた数人がこちらを向くがみんながすぐに顔を背けた。

そして教室に入ってすぐの列の1番後ろなので、そこまで歩いて行く途中にいるクラスメイト達が蜘蛛の子を散らすように逃げて行く。

そして席に座り少し待つと担任が入ってきて朝のホームルームから始めて授業に入った。


____________________________________


「今からSRDについて説明する。

SRDとは『Skill Restrict Device 』の略称で、日本語に直すとスキル制限装置だ。


SRDはみんなも着けているだろうが、これは文字通りスキル保持者のスキルの使用を制限する。


詳しく説明するとSRDはスキルの発動を許可している場所以外でスキルを発動するとスキル警察所に現在地と身元が発信される仕組みになっている。


そして発信された場所に警察が向かう、ということだ。

だいたい長くても3分ほどで現場に駆けつけることができる。


このSRDは15年前に開発され、当時のスキルによる犯罪が十分の一にまで減少した。


そして捕まった場合、軽犯罪と判断されたなら1日の拘留で済むが、殺人や器物を大量に破壊した場合などは懲役15年や終身刑に処されるから注意しろ!」


授業が始まり担任(男)の授業を聞き流していた。

まだ入学して間も無いので授業内容も基礎の基礎が多く、駆の席の周りも寝ている奴や聞き流している奴がほとんどだ。


(こんな簡単な授業誰も聞くわけ無いだろ)


「先生、このSRDは充電しないでどうやって動いてるんですか?」


クラスのほとんどのやつがその声が発せられた元へ目をやった

先生ですら質問されるとは思っていなかったのか少したじろいでいる。


「えっ!え〜 それはだな、このSRDの構造は公表されていないんだ。

その為、仮説として有力と言われているのは

・ソーラーで動いている

・誰かのスキルによるものである

の2つだがこれらの説では説明できない所がある為確実とは言えない。」


「分解して中を調べたらいいんじゃないですか?」


またも先ほどの生徒が質問する。


2度なので今度はクラスメイトもあまり興味を示さず、先生も戸惑いを見せない。


「お前は法律も知らんのか!?

SRDを外す、壊す、分解することは犯罪だ。

それにこのSRDは分解できるような所もなく、並大抵の力では壊れない、壊せるとしたらSランクの攻撃系スキルぐらいだろう。

勿論壊れたら分析もできず腕ごと吹き飛ぶだろうがな、もう質問はないな?」


「はい ありがとうごさいました」


その男子生徒はクラスメイト達や先生から呆れられていることにも気付いていない様子だ


その後も着々と退屈な授業は進んでいった。

____________________________________


授業の終了を知らせるチャイムがなり昼休みに入った。


駆は鞄から持参した弁当を机に置き、黙々とそれらを1人で食べ始める。

この学園には中々立派な食堂があるので半分ほどは食堂で昼飯を済ませるのだが、もう半分は駆から机を2個ほど挟んだ所で食事をとっている。


(は〜〜、やっぱりいつも通りだな〜)


俺は入学してからずっと朝や昼と同じ様にクラスメイト達だけでなく学園中から避けられている。


それは俺のスキルが問題だ

俺のスキルは支援系Dランク『記憶観覧』というスキルで内容は『対象の記憶を観覧すること』というものだ。


一見良さそうで何故Dランクなんだ?という疑問の声を上げるかもしれないがそれには勿論理由がある


このスキルは欠点が多すぎるのだ。

まずこのスキルはあくまで『観覧』するのであって『体験』するわけではないという所だ。

これの違いは簡単に言うと観覧がテレビを見ている様に視覚と聴覚からしか情報を得ることができず体験の場合は五感全てで感じることができるということだ。

次に自分から半径2m以内の相手の記憶しか観覧できないこと。

最後に1番の欠点は相手の顔と名前を知らないと発動できないのだ。


ランクは戦闘で使える攻撃系スキルや戦闘に役立つものがランクが高くなる、知り合い限定のこのスキルが戦闘中に名前など分かるはずもない。

そのような理由でこのスキルにはDランクに格付けされている。


そしてこのスキルのせいで俺には親友は愚か友達などできるはずがない

SRDがあるがスキルが発動できる場所に入れば自分のすべてを見られてしまうのだ。

自分でもそんな奴と一緒にいたくはない。

両親も俺を恐れて、俺は親元を離れて学園近くのマンションで一人暮らししている。


そして俺も友達などもう何年も前に諦めた。

友達になろうと努力しても相手がスキルについて知ると全く寄り付かなくなる。

なので俺も極力周りを避けて過ごし続けていた

時には無視し

時には冷たい言葉をかけ

そして誰も俺に話しかけるような奴もいなくなり今日のような日常が生まれた。


しかしそれでもあだ名に『覗き』はないだろ‼︎‼︎‼︎‼︎

確かに他人を避けて、態度は悪かっただろうが、あだ名に『覗き』はないだろ‼︎‼︎‼︎‼︎


このような理由で俺は人から嫌われている


このスキルのせいで俺の人生はメチャクチャだ

そしてこの世界は不公平だ

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