誕生日パーティーは盛大に
一月ぶりです。拙いですが、とりあえずアップ。
レオ兄さんに送られ、僕はパーパの腕の上に乗せられて自己紹介して回っている。
世に出歩く為には、コネと財力に力は必要不可欠である。ゆえに、どんなにキラキラしている人たちが前にいても、僕はニコニコと子供特有の無害っぽい笑みを浮かべる。
つーか、やっぱ面子豪華だわぁ。魔王様に、どっかの国の王様達――っていうか、王様何してるの?仕事どうしたのよ?――姫様、宮廷魔導師、魔術師。その他色々。
無論、ほとんどの人がキッラキラである。カリスマオーラもハンパナい。っく、コレが元々ある人とない人の違いかっ!?
「初めまして、クゥネシアだ。お譲さん、是非とも学園に通う際はウチを選んでおくれ」
美声である。外見も美形である。あえて言うなら若々しい外見と裏腹に口調がオジサンっぽい。さらさら黒髪ヘアに、知的な青色の眼。そして
「……ん?良かったら触るかい?」
モフモフの耳と尻尾である。
「…………」
パーパから、クゥネシアさん――噛みそうだからクゥさんと呼ぼう――に変わるが正直それはどうでも良かった。耳……ああ、あこがれの世界がっ。
異世界と言えば、異種族である。しかも、学園長か――多分。
「血を繋がってないとはいえ、親子だね」
その言葉に、僕は状態を見て固まった。耳をモフモフする僕――クゥネシアさんに抱っこされている状態で――と、無言で尻尾を櫛で撫でるパーパ。
「相変わらず、良い毛並みをしているな」
「誉めてくれてありがとう。それなりなのを使っているからね」
「仕事はどうした?」
「それ、ココにいる王方々に言ってくれるかい。優秀な人材が多くいるのでね」
「押し付けたか」
「さあ?」
ああ、その笑顔も魅力的。というか、パーパもコレが好きなのか。意外である。とてつもなく。
「学園は何を勉強しますか?」
「様々な事だよ。貴族しかいない場所と違って、ウチは卒業生とかの推薦制度があるから色々な人がいるから面倒事も少ないのが利点だ。騎士科、魔法科、魔導工具科、冒険科、魔術科、薬草科など科の種類も多い。学びたい事が沢山あるならウチを選ぶといい。君なら、推薦制度などが使えるだろうから」
冒険科。魅惑的な言葉である。そう言わばロマンである。冒険者を目指す僕にとっては。
「ふふ、瞳がキラキラしているよ。気になるかい?」
「はい!冒険科に入るにはどうしたらいいですか?」
「「は?」」
何故か、パーパとクゥさん以外の人が一斉にこっちに視線を向けた。良い大人が盗み聞き。……あんな大人になりたくないものである。
…………?何故、パーパは訳知り顔で頷くのだろう。何故、そこでクゥさんと楽しそうに話しているのだろう。ああ、まだ習っていない国の言葉で話されても聞き取れない。っく。
「リディ」
「はい」
「努力を怠らなければ、十五歳でウチに来る事が出来る筈だ。それまで頑張りなさい」
元よりそのつもりである。パーパ達は規格外過ぎて真似しようとするなら早死にするだろう。それぐらい弁えている。それにしても十五なら後十年である。
馬鹿みたいに盛大に行われたソレは、僕に多くのツテと人脈が出来た。そして、夢に一歩近づく。冒険科。僕はソコに行く事を――学園をクゥさんの所に決めた。
後、十年。僕は出来る限りの知識を吸収し挑もうと思う。