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オタク勇者の英雄伝ではない何か  作者: ヒビキ
第一章 アポロス編
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俺はシリアスをやめるぞー!(嘘)

戦闘シーンはまだ先になりそうです。

“前世” 主人公が転生する 物語には時たま、前世の記憶が引き継ぐ場合がある。それにより内政チートや俺TUEEEEなど輝かしい活躍をしているのだが、果たして記憶の引き継ぎは必ずしも幸せなことだろうか?

なぜなら俺は・・・・・。






突然だが、俺には前世の記憶がある。それだけではないが、とにかく物心ついた時には全て思い出していた。

詳しくは言わんが、一言で言うとくそったれな人生だった。

この記憶のせいで俺は人と極力関わらずに好かれもせず、嫌われもせず、まさに空気のような人生を送る決意をした。まぁ、それもどっかの誰かのせいで失敗したがな。

しかし、こんな俺が今でも生きようとするのは家族と二次元の存在があったからだろう。

だからこそ、俺は絶対元の世界に帰ってみせる。そのためにもあの作戦を達成しなければ!だから耐えろ!



「おい、何無視してんだよ!このザコがよ!」

「もしかして、ビビっちゃったか?オタクさん。」

「アニメなんか、キモいもの見てるからだ、バァ〜カ!ひゃっひゃっひゃ。」


こんなモブたちにアニメをバカにされても反撃してはいけない。もし、ここで奴等を八つ裂きにしようものなら、勘付かれ可能性がある。耐えろ、耐えるんだ俺よ!心頭滅却すれば火もまた涼し!いや、どちらかと言えば明鏡止水の方がいいか。




何故、今こんなことになっているのかは数時間前に遡る。





ーーー数時間前ーーー

「さて、だいたい見たな。なかなか鍛えがいがありそうな奴等が多くて、俺はびっくりだ!」


「えぇ、全くです。これは我ら騎士団もうかうかしてはいられませんね。

え〜と、まだ見てない人は、・・君だね。」


クラスの多くは自分のステータスを既に見せ、騎士団長に太鼓判を押されて上機嫌のようだ。俺はというとこれを見せた後の反応を安易に予想でき、機嫌はだだ下がりである。さらに、泉と椿の俺に期待するかのような視線にため息を止めることができない。

しかし、時間は残酷なもので遂に俺の番になってしまった。


「次は君か。王に直接頼みを言うなんて、随分豪胆だと思ったよ。」


「えぇ、そりゃどうも。」


「さて、君のは・・・えっ、これマジで!」


「えぇ、残念ながら。」


俺の見せたのは、あの一般市民並みのステータスである。これにはクラスの連中だけでなく、騎士団の連中からも侮蔑の視線や誹謗、中傷が降り注いだ。


「ふざけんな!これじゃ戦えねぇだろ!」

「全く期待はずれだぜ。」

「よくそんなので来人くんをバカにしたわね!」

「まったくだぜ!恥ずかしくないのか、このザコが!」


あまりの大音量に耳が痛くなるが、なんとなく空気を読んで黙っていることにした。ここにいるほとんどの連中が俺を蔑む中、富士先生や泉、椿がみんなを止めようとしていたのには驚いた。そんななか、


「黙れ!貴様ら!」


1人の男の怒号が大きな波紋となって広がり、静寂が辺りを包んだ。

残念ながら、俺には波紋が使えんがな(笑)。と、まぁ現実逃避もその辺にして今こいつは何て言った?


「貴様ら、揃いも揃って未だに自分たちの立場が分かっとらんのか!いいか、俺たちは誇りを捨ててまで、幼い彼らに頼っているような最低のクズだ。それを貴様らは、街や大切な人達を守るためなら何をしてもいいとでも思っているのか?ふざけるのもたいがいにしろ!」


あまりの言動に呆然としてしまったことは仕方ないだろう。自分の顔は見えないが、きっと俺は今、ドッキリのネタバラシをされた芸人のような顔をしているだろう。

自分で言ってて意味わからんな(笑)。


「はぁ?あんた何言ってんだ?何でこんな俺を庇おうとしたんだ?」


「私の部下が失礼なことをした。許してほしいとまでは言わんが、彼らも自分たちの国のピンチに少しイラついているんだ。この責任は私の監督責任だ。ほんとうに済まない。」


「いや、そうじゃなくて、どうせゴミみたいなステータスなんだ。ほっといてもよかっただろうに?」


「そういう訳にはいかない。君だって異世界からの大事な客人だ。失礼のないように対応するのが当然じゃないか。」


「あっそ、悪いが先に部屋に戻るぞ。」


「そうか。2時間後に“魂術”についての説明をするから来るんだぞ!他の人達も休憩だ!」


俺は何かを我慢するかのように矢継ぎ早に部屋に戻った。その際、ある2人が何か言いたそうな顔をしていたが、面倒いことになりそうだから見ないフリをした。まぁ、今日はもう何も無いだろう。


しかし、ヤバイな。ゲームやアニメから離れ過ぎておかしくなってきた。やはり、原作や2次小説の記憶だけじゃ限界か。と言うか、シリアス分が多過ぎる。いったいどうなったんだ。




俺は前世で人の裏切りには嫌と言うほど味わったから、人の言うことはほとんど疑って生きてきた。この現実は偽りで満たされていると言っても過言ではないと思う。そう言い聞かせ、疑うことに慣れていると思っていた。





俺は途中から走って、自室のトイレへ向かった。騎士団長のあの顔を見ると自分の醜さをまじまじと突きつけられているようなそんな不快感に襲われた。

これは早く元の世界に戻らないと俺がノイローゼやストレスで死んじゃいそうだ。やっぱり何かを得るためには何かを犠牲にせねばならないのか。



そんなことを考えながら、俺は自室のベッドに寝転がった。しかし、このまま終わるほど運命は優しくなかった。俺の運 Fはだてじゃない!


コンコン!


「剣崎君。」 「剣崎」


「「ちょっと話があるんだけど?」」


くそったれ。まさか、適当に建てたフラグだったのに本当に作用するなんて!そうときまれば生存フラグをたてなければ。



俺の戦いはこれからだ!


あれ、違くね?








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