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オタク勇者の英雄伝ではない何か  作者: ヒビキ
第一章 アポロス編
3/23

せっかくだから、俺は偽のステータスをチェックするぜ!

“ステータス”それは自らのあらゆる能力が数値化され、表示される。数多の主人公たちは凄まじいステータスを持ち、その対応は千差万別である。ある者は高すぎるそれを隠し、ある者は見せつけ自らの実力を見せつける。しかし、果たして高いステータスを持つことは果たして、幸せなことだろうか?

なぜなら俺は・・・・・。





俺は疲れた体を引きずって、用意された部屋に戻ると、これからすべきことをまとめるため、カバンからメモ帳を取り出した。





まず、1番にすべきことはこの国から脱出する方法だ。


そもそもさっきの件は明らかにおかしな点がありすぎた。


まず、3種族に狙われているはずなのに、あまりに豪華すぎる城の内装だ。そんなことに使うくらいなら普通軍備に使うべきだ。なにしろ人間族のピンチなんだから。

にもかかわらずあの豪華さだから、おそらく3種族が攻めてくること自体が嘘なんだろう。


また、あらかじめ用意されていた個室だ。俺たちのクラスは36人。それほどの数の個室なんて容易く用意出来るわけはない。だから、そもそも大人数を召喚するつもりだったんだろう。もし本当に仕方なく異世界召喚を行ったのならできるだけ少人数にすべきだ。


さらに街の見学を断ったのも明らかにおかしい。あいつらは俺たちを戦わせたがっていて、その中に戦うことを嫌がる奴が現れ、街の見学だけでもしかしたら戦うかも知れないならやるだけ損はないだろう。仮に、そうならなくても正義感の強いイケメン君(笑)ならさらにモチベーションが上がるという、おまけ付きだ。

まぁ、これも何か見せたくないものがあるんだろう。どうせ、奴隷とか強制労働とか違法なものかな。


それに言い訳にしてはあれはないとおもった。だいたい、もし3種族が本気で人間族を潰そうとしていたら、その唯一の対抗策である異世界からの召喚を見逃すわけはない。例え噂程度でも斥候やスパイがいるはずだ。


それに初めて会ったときの宰相とのやり取りもおそらく、演技だろう。じゃなければ、魔王の唯一の対抗策である俺たちに嫌な思いをさせた宰相は不敬罪で打ち首確定だ。

予想だが、王の懐がでかいことをアピールして、より確実に俺たちの協力を得るための作戦だろう。


それに1番の理由はあの王の眼だ。俺の憎むべき“アイツ”と同じ眼。そんな奴の国のために働きたくない。まぁ、いつでも働きたくはないが。


以上の点をまとめて検討した結果、魔王復活の真偽は分からんが、おそらくあいつらの狙いは人間族によるこの世界の統一、いや支配といった方が正しいか。俺たちはそのための戦力にするつもりだろう。

もし、そうなら脱出する他ないだろう。それに俺の目的とは相容れないだろうから。





さっきまでまとめたことをメモ帳に記すと、再びベッドに横になった。


「必ず戻ってやる。だから待っていてくれ、俺の宝物(にじげん)たちよ!」




ーーー次の日ーーー


朝、やはり慣れない環境では寝起きが悪いようだ。何時もなら深夜アニメを見ている時間なのだがな。他の奴等はすでに起きたようなのか、廊下から騒がしい声が聞こえてきた。

すると、


コンコン


「剣崎君。起きてる?」

「剣崎、もう朝だぞ。」


朝から、泉と椿の声がした。昨日の件でクラスの連中は全員から嫌われたと思っていたが、まだ俺に構う奴がいたんだ。そんなことに驚きながら、部屋を出た。


「おう、おはよう。2人とも。」




食事が出されている大部屋に行くとクラス中からの軽蔑の視線を感じるが、特に興味が無いので、スルーした。



この日の予定はまず全員のステータスを確認するそうだ。まぁ、自軍の戦力にしたいなら、必要な奴と不必要な奴は区別したいよな。もし、弱い奴がいたら見せしめにも使えるしな。



ステータスは大広間に全員を集めて行なうようだ。そこには大柄な男ときれいな茶髪の女性がいた。


「まずは、初めまして、俺の名前はフリード。この国の騎士団長をしている。」


「私の名前はナターシャだ。女だが一応この国の副騎士団長をしている。後で模擬戦も見せるから、しっかり見て、戦いの覚悟を決めてくれ!」


どうやら、こいつらがこの国のトップなのだろう。なるほど、確かにそこそこ強いみたいだ。


「これから君たちにはステータスを出してもらう。それは君たちが生き残るためにはとても大事なことだ。だから、隠さず俺たちに見せてほしい。まずは俺たちのステータスを見せよう。」



騎士団長 フリード

力 B

魂魄 C

素早さ C

頑丈さ B

運 C

魔具 B 剛剣 アダマント


副騎士団長 ナターシャ

力 C

魂魄 B

素早さ B

頑丈さ D

運 C

魔具 C 水剣 アクエリア


「これがステータスだ。何か分からないことはあるか?」


「すいません。基準が分からないので、強さが分からないです。」


「そうだな。これがランクの概要だ。」

A 魔王〜勇者クラス

B 騎士団長クラス

C 騎士団クラス

D ヤンキークラス

E 農民クラス

F ゴミクラス



そのあまりの高さに驚く一同。ていうか、他にも聞くことがあるだろうが!


「すいませ「あのー、ステータスにあるこの“魂魄”ってのは何ですか?」

もちのろんだが、イケメン(笑)に被せたのはわざとではない。


「それは、後で説明する魂術に使うエネルギーだよ。まぁ、今は置いておこう。

では、さっそく、ステータスを出して見てくれ!出し方はステータスと唱えるだけだ。」


あちこちでステータスが出されていく。どうやら王が言ったことは正しいみたいで、ほとんどの奴がCやBを持っているみたいだ。


「俺も出すか。」


少し、不安があるが出さない訳にもいかないので出そうとすると、ある場所で大きな声があがった。


「すごい!君たちはこの中でもとても優秀みたいだな!」


「えぇ、これは期待できますね。」


どうやら、何時ものアイツらがまたやらかしたらしい。ステータスを覗いてみると、凄まじかった。


境 来人 勇者

力 B

魂魄 B

素早さ C

頑丈さ A

運 A

魔具 A 聖剣 エクスカリバー



豪坂 魔裟斗

力 A

魂魄 B

素早さ D

頑丈さ A

運 C

魔具 A 聖籠 ヤールングレイプ


椿 由美子

力 B

魂魄 B

素早さ B

頑丈さ C

運 B

魔具 A 聖刀 天羽々斬


泉 灯

力 C

魂魄 A

素早さ B

頑丈さ D

運 A

魔具 A 聖杯 ヒュギエイア


田村 博士

力 C

魂魄 A

素早さ B

頑丈さ B

運 A

魔具 B 魔導書 エイボン


明らかにすごいステータスで、武器もヤバそうなやつばかりだ。ますます王に利用されそうだな。さ〜て俺はどうかな?


剣崎 和人

力 D

魂魄 E

素早さ C

頑丈さ D

運 F

魔具 F 錆びた剣


何だこれは、全く意味がわからんぞ。というのは嘘で、まさか記憶だけでなく、前世でかけた“偽装”の魔術まで引き継いでいるとは。

しかし、これで俺の計画していた作戦、名付けて、『こんなとこにいられるか!わしは先に戻るぞ!』作戦が決行できる。えっ、何その死亡フラグ?と思う人がいると思うので、


説明しよう!、『こんなとこにいられるか!わしは先に戻るぞ!』作戦とは、

まず、王国にとって邪魔な行動をする。

それにより暗殺者なり、野外演習などで事故に見せての殺害など、とにかくアイツらが俺を殺したくなるように差し向ける。

後は、それに紛れてドロンするだけ。なんて簡単な仕事だ!


俺の偽ステータスのおかげで大分楽に計画を進みられる。

あぁ、でも本当のステータスも見ておこう


剣崎 和人 前勇者 超越者

力 EX

魔力 EX

魂魄 EX

素早さ EX

頑丈さ EX

術式速度 EX

運 F

魔具 EX 神剣 ダモクレス


相変わらずのバグりぐあいに、意識を飛びかけるものの、化け物に相応しいステータスだと自嘲した。

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