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悪魔神姫  作者: 法相
覚醒
2/6

二幕=遠い日の思い出=

 次回は2月3日午前9時に更新です。

 小さい頃、私は誘拐された。

 公園で遊んでいたら見知らぬ黒い服の男四人ほどに囲まれて、何も抵抗できずに車の中へ押し込められた。日本語を喋っていなかったからきっと日本人じゃないということはわかったけど、当時はおしっこをもらしそうになったものだ。

 私はきっと知らないところに連れて行かれて、母さんや父さんに会えなくなるんだろうなって思った。だけど、そんな私を助けてくれた人がいた。

 港に連れて行かれた直後、変な人が一人で悪い人たちの前に立って助けに来てくれた。

 その人は仮面ナイトという特撮ヒーローの仮面をつけて、たった一人で黒服の悪い人たちをやっつけて、拳銃を見ても果敢に進んで、仮面が壊れて素顔が露わになっても、盛大に最後の黒服の悪い人をやっつけた。

 子ども心ながらヒーローみたいでかっこいいって思ったのを覚えている。

 正義の味方って、本当にいたんだって私は感動した。


『大丈夫かい?』


 その人は優しく私を縛っていた縄から解放して、そう聞いてきた。

 本当は怖かったけど、あの人の声ですごく安心した。

 私を助けてくれた人の名前は鳳龍臥おおとり りゅうが、見た目は女の人みたいだったけど、悪い人をやっつけているときに「誰が女じゃあ!」と怒っていた気がするので男なんだと思った。

 でも、長くてきれいな黒髪、中性的な顔。そして、悪い人たちをやっつけた後とは思えないほどに穏やかな目だったから女と言われても通じるような容姿だったことを今でも覚えている。

 そして私は龍臥さんにお礼を言った後、どうしたらそんなに強くなれるのかを聞いた。

 本人は少し困ったあとに「さぁなぁ……毎日身体は鍛えているけど」と困ったように教えてくれた。

 私もそれに納得して、龍臥さんみたいになりたいとトレーニングを始める決意をした。

 でも、龍臥さんが私を誘拐された公園まで連れて帰ってくれたところで事件は起きた。

 私がいなくなったことを心配して泣いていた母さんは龍臥さんを見るやいなや「この人さらい! 娘を返しても許さないわよ!」と罵った。

 私は、当時の母のその言葉の意味を真の意味で理解しておらず、不思議そうに違うとしか言えなかった。母はそれを真に受けず、スマホで警察に連絡をしていた。

 龍臥さんは私に「雅ちゃん、じゃあな!」と言ってその場を去っていったのを覚えている。でも、その時の彼はとても寂しそうな顔をしていた。

 そのあと警察の人が公園に来て、私は事情聴取をされた。

 そこで私は事態がどれだけ大きなことになったかを、ようやく理解した。この人たちは龍臥さんを悪い人だと思っていると、誤解をといて早くこの騒動を止めなきゃと必死になって説明した。

 警察の人に頼んで港にまで連れて行ってもらい、私をさらった真犯人の悪い人たちを捕まえてくれてようやく龍臥さんにかかった疑いを晴らせた。

 だけど、事件が終わったあとも事件の詳細は私には子どもだったためか教えてもらえず、両親にだけ伝えられた。だから私は何度も二人に話を聞きに行ったのだが、何も教えてはくれなかった。

 この件はなぜかニュースに流れなかった。なぜそういうことになったのか今でもわからないけど、表沙汰にできない理由があるのだろうか。

 私は近所の人に、あの日の事件で最後はどこに警察が集まったのかという情報を聞いた。

 最初は教えてもらえなかったが、私があまりにも必死だったからか、近所の人は困り果てながらも遠足で行ったことのある山だと教えてくれた。

 私はお礼を言った後に、数日間をかけて準備をした。

 バスの往復分のお小遣いを持って、両親に無断で山にまで行って山の中を探索した。

 幸い、何度か遠足で登っていたこともあるからある程度の地形はわかった。

 けっこうな時間探索をして、夕暮れになった頃、森林の中に目を向けるとなにかがきらりと輝いたのを私は見逃さなかった。

 周りを見渡して人がいないのを確認して柵を超え、慎重に足を進めて……その光ったものを見つけた。

 それは、私を助けてくれた恩人の被っていた、壊れた仮面ナイトの仮面だった。

 私を助けてくれた時よりも壊れ方がひどかったので高所から落ちてきたのだろう。山は遠足に使える程度の大きさと言っても飛び降り自殺しようと思えば簡単にできる程度はある。

 だけど、最初は仮面がなんでここに落ちてるのかは意味がわからなかった。でも、よく考えて理解した。

 理解した瞬間に、私は泣き始めた。

 彼はこれを大事なものだから修理する、と送ってくれる際に言っていたのだ。

 その仮面がここにあるということは……それ以上の想像もしたくなかった。

 そんな折に誰かが大きな声で「なにをしている!」と叫び、そこで私は泣きながら顔をそちらに向けた。




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