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悪魔神姫  作者: 法相
管理局
11/13

十一幕=事情聴取=

次回更新は2月21日午前9時更新予定です。

以前書いた時より愛華の性格が丸くなったのでどこかでまた口を悪くしたい。

 事件の収束から一時間後、管理局医療室の一室にて夕凪愛華はハイドと女医の前で問診に答えていた。

 ヘリコプターに乗った後は目隠しをされ、目隠しを解かれたら解かれたで知らない場所で事情聴取もされているわけで不安で愛華ビクビクと怯えていた。

 そんな様子を見ながらハイドは「すまないね」と謝罪する。


「こんな目つきの悪い医者から話をされたら怖いよな。腕はいいんで許してくれ」


 ハイドの物言いに愛華は「あ、いえ先生は怖くないですけど」と答え、チラリと視線を女医の方へ向ける。

 ボーイッシュな短い黒髪に、勝ち気な目をしている。だがなによりも特徴的なのは服の上からでもわかる豊満なボディだった。ボンキュッボン、という言葉がふさわしい。

 ボーイッシュな雰囲気とは裏腹に、大人の色香を醸し出している白衣を着た女医、来栖瑠璃香くるす るりかは同じ女性から見ても惚れ惚れとするものだった。


「ハイドォ……あんた命はいらないようね」

「ほら、こう言うこと言うんだよ。怖いよねぇ」


 はっはっは、と笑いながらハイドは瑠璃香の睨みをスルーする。

 これ以上無駄だと思ったのか瑠璃香はすぐに切り替え、笑顔を愛華に向けた。


「夕凪さん、いろいろあったから混乱しているでしょうけど私たちは危害を加える気はないから安心してね」

「は、はい。あの、ところで雅ちゃんは大丈夫なんでしょうか?」


 目隠しを取られた後、担架に乗せられて運ばれて行った雅。不安もあったが落ち着きない一番の理由だった。


「あなたのお友達ね。今はゆっくり寝ているわよ。でも……」

「何か気になることがあるんですか?」

「ええ。ハイド、夕凪さん。本当に彼女は大怪我を負ったの?」

「どういう意味だ」

「そのままの意味よ。ここに来る前に治療のため彼女の元に行ったけど、傷らしい傷は見当たらなかったわよ」

「え!? そんなはずは……だって、僕の目の前で斬られていっぱい血が出て……」


 思い出すと涙が出てきて、愛華は言葉に詰まる。


「俺がきた時は間違いなく致命傷だったぞ。動きが止まった時は諸事情で見れんかったが」

(見えたには見えたけど、愛華ちゃんが服をすぐに被せたからしっかり確認したわけじゃない)

「それなら、悪魔憑きに覚醒したからっていう仮説ができるわね」


 瑠璃香はふむふむと口に手を当てて推論を述べる。

 今まで悪魔憑きに覚醒して犯罪を起こして捕まえたことはあれど、命の危機に瀕して覚醒した悪魔憑きというものは管理局では例がない。

 もっと言えば、覚醒する瞬間を見たという人間が今までいなかったのだ。

 そういうことで、ハイドと瑠璃香の視線は愛華に向かった。


「あの時、なにがあったかわかるか?」

「僕もパニックでしたしはっきりとは覚えてないです。でも、手を伸ばしていました。それで空を掴んだら急に手が変わっていましたね」

「興味深い話ね。多分その時から傷が治り始めたんじゃないかしら。ある意味歴史的瞬間を目の当たりにしたわね、夕凪さん」

「はぁ?」


 見たいと思ってみれる物ではないのは確かだが、愛華としては複雑な気持ちだった。

 雅がどんなことになっても愛華からすれば、大好きで大事な親友には変わりないのだ。接し方を変えるつもりもないが、事情が変わったのも確かなことである。


(……頭はいい方だと自分でも思ってるけど、ダメだ。この状況にはまだ全然考えがまとまらないや)

「あ、あの。雅ちゃんのところに行かせてくれませんか?」

「ん、そうよね。気が利かなくてごめんなさい。怪我らしい怪我は見当たらないし、一度顔を見せに行っても問題ないわね。ハイド、夕凪さんは私が医務室に連れて行くからあんたは報告書とかまとめときなさい」


 了解、というハイドの気だるそうな返事を聞いた後に愛華と瑠璃香は部屋を出て行った。


「……今日はメスぶん投げられなくて安心した」

 

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