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覆面男
事件現場に残された匂いから、覆面男のアジトを特定できました!
通信越しに声が弾む。
「ねぇ! タロ!」
亡くなった犬を具現化した警官が、得意げに報告してくる。
「あぁ……あいつには内密にだ。殺せ」
歩いていた男の胸を、銃弾が貫いた。心臓への一撃。
「やった!!」
その瞬間、男は覆面を被り直し、ポケットからナイフを引き抜く。
周囲には六人の警官。完全包囲。
「そいつの具現化したナイフに気をつけろ!」
心臓を撃ち抜かれているにもかかわらず、男の動きは異様に機敏だった。
だが六人がかりだ。次第に呼吸が乱れていく。
「あーあ……」
男は、自分の胸元――心臓の位置から血を噴き出した。
可笑しい。
撃たれた直後、なぜこの出血が無かった?
答えは明白だった。
男は血に魅了されている。
――血を操る覚醒者。
血が刃となって宙を裂く。
一瞬で警官たちが負傷し、倒れていった。
「これは見せたくなかったんだけどな」
そう呟き、覆面男は闇に紛れて去っていく。




