ケリを付けよう
ふぅ……何だか時間がかかったな。足止めされてたみたいだ。
「現行犯逮捕だ。殺害も許可されている」
と、言うわけで――
「君と……もう一人は、いつもの子じゃないね。しかも雰囲気だけで分かる。強い。だから――逃げさせてもらうよ」
覆面男は自らの手首を切り裂いた。
血の斬撃を飛ばそうとするが、落雷の防御に使われる。血は焦げ付き、機能を失って床に落ちた。
「逃げられないね。けどさぁ……距離を詰めていれば、そのまま勝てたよね?
出来ない理由でもあるの?」
覆面男が距離を詰める。
ライさんは格闘技で対応する。
やはりか……。
少し後ろで見ていて分かった。ライさんの弱点。
落雷のインターバル、そして近距離では落雷が自身にも被弾するため使えないこと。
本来、ライさんは強力な電気信号で肉体を強化し、高い格闘技術で戦う。
致命的な弱点ではない――だが。
「僕は、近距離でも斬撃を放てるよ?」
「……ん?」
ここで、俺が参戦する。
血の斬撃は形を作る前に潰す。
合間に内臓を狙うが、あからさまに避ける。
やはりだ。
内臓にダメージが入ると、止血に意識を割かれる。
「距離を取っても、縮めても駄目か……詰みだね」
俺が内臓を刺す――来た。
だが最後の足掻きか。止血どころか、さらに出血させて多量攻撃を仕掛けてくる。
ライさんと目を合わせ、距離を取る。
落雷を防御に使わせるつもりだったが、それを許さないように距離を詰められる。
――が。
覆面男は、バリアに阻まれた。
「リア!」
「ナイスだ」
こっそり付いて来たのか。
だが、これなら――
ライさんが最大出力の落雷を浴びせる。
血で防御された、が――。
落雷で破壊された血は、持ち主の体内へ戻ることはない。
覆面男は、そのまま崩れ落ちた。
「現行犯逮捕だ」
「……殺さなくていいの?」
「いい。終わったんだ」
これで――全て終わった。




